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フリーランス日本語教師の悩み②生徒の集中力がない(その1:動きを取り入れる)

以前、Japan Foundation Toronto主催の、フリーランス日本語教師のオンラインミーティングでお話させていただいたときに出てきたお悩みに、
集中力が短い、落ち着きがない生徒にどのように教えたらいいか悩んでいる、という声がありました。

大人でも子どもでも、集中力が続く人、続かない人、落ち着きがある人、ない人がいますが、
誰だって、落ち着いて勉強に集中できる日と、ぜんぜん落ち着かなくて集中できない日がありますよね。

集中力や落ち着きがない生徒さんのレッスンに導入できる対策その1は、
レッスンに体を動かす作業を取り入れるです。
いくつか、具体的な例を提案します。

手を使う作業を取り入れる

例えば
・ひらがなカードをあいうえお表のとおりに並べる
・語彙カードを生徒に持たせ、語彙チェックをしてもらう
・ホワイトボード、黒板に書いてもらう
・画面シェアのホワイトボードに書き込んでもらう
・フラッシュカードアプリなどを自分で操作してもらう

単語の復習などは、教師が絵カードを持って、一枚ずつめくって単語を言ってもらう、という方法をとりがちですが、
生徒にカードを持つ主導権を渡すだけで、取り組む姿勢が能動的になります。

作品作りを取り入れる

学習事項の応用のために、ポスター、ブックレット、コミック、フライヤー、雑誌、絵本などを作ります。
はさみで切る、のりではる、色を塗る、などの作業を合間に入れると、気分転換にもなります。
オンラインの場合でも、canvaなどのデザインテンプレートや、絵本作成サイトなどを使えば、画面シェアしていっしょに作業したり、作業を見守ったりすることができます。

いすから離れて動いてもらう

部屋の中にあるものの中から、「〇〇をもってきてください」と指示を出して、実際に探してもってきてもらう方法もあります。
レベルや年齢によって、色やものの名前のみ、というシンプルな指示の出し方から、「引き出しの中の本の下のカード」のように、宝物探し形式にしても楽しいですね。
オンラインの場合は、生徒の部屋の様子があまりよく分からないので、お題に対して突拍子もないアイテムを持ってきたりして、こちらもおもしろいです。

フリーランス日本語教師だからこそ

フリーランスで教える時は、学校や教育機関で教える時に比べて、
生徒のその日の態度や体調、気分に敏感になったり、影響されたりすることが多いように感じます。

今日は元気がないな、と気づくこともあるし、
仕事が忙しくて勉強する暇がなかった、と自己申告する人もいるし、
気分が乗らないのか、レッスンがだらだらと間延びした雰囲気になることだってあります。
人間だから、いつもきっちり勉強できるとはかぎりませんよね。

フリーランスで教えているのだから、
目の前にいる生徒さんの状態を瞬時に判断して、
レッスンプランに固執することなく、
学習内容や範囲、アクティビティの有無などを柔軟に考慮したレッスンをしてもいいと思います。
今、この瞬間を共有している生徒さんが、一番効果的に、楽しく勉強できる環境を提供することは、フリーランス日本語教師だからこそできることです。

お疲れの表情でレッスンを始めた生徒さん、
ドリルなどにすぐ飽きてしまう生徒さんが、
「今日はこれができるようになった」という実感と共に、笑顔でレッスンを終わることができるように、私も毎回、微調整の連続です。


その2に続きます。

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