北米で入手しやすい日本語教科書
海外で日本語を教えるときに、教科書選びに困ったことはありせんか？
日本から取り寄せるのはお金がかかるし、
北米の出版社から出ているものも数多くあるけれど、すべて立ち読みできるわけではないから、どれが本当にいいか分からない…
私もカナダで教え始めたときは、何を使って教えようか、ずいぶんと探しました。
そこで、北米でオンラインや書店で手軽に購入することができて、初めて日本語を勉強する学習者にも、教える側にも使いやすい教科書を紹介します。
文字学習
Japanese Hiragana & Katakana for beginners
初めてひらがなとカタカナを勉強する人におススメです。
それぞれのひらがなが、絵と音が関連付けられていて、英語話者の学習者には覚えやすい工夫がされています。
（例えば、「も」は釣り竿の絵が描いてあり、more fishというように）
また、ひらがなとカタカナを使ったパズルやゲームのページも多く、楽しく学習を進めることができます。
子どものための教科書
Japanese for Young People
Student book 1から３と、Kana workbook, Kanji work bookがあります。
子どもの世界（学校、家、友達、のりもの、店など）で使われる語彙で形成されていて、ひととおり基本の文型やフレーズを学ぶことができます。
Student Book1は、練習問題も各章末に含まれています。
Student Book 2と３で学習する内容の練習問題は、Kanji Book2とKanji book３に入っています。
例文は提示されていますが、文法の説明はありません。
文の作り方を教えたら、絵と語彙リストを見ながら、応用させていきます。
Student book 2と3 は白黒なのですが、１は全ページにカラフルでかわいい絵が使われていて、楽しいです。
Kana bookも、ひらがなとカタカナの練習のページと、クロスワードパズルなどのゲームのページがあります、また、濁音、半濁音、拗音、促音にもきちんとページを割いてあるので、初めてひらがなを勉強する子どもにも、ひらがな表記の仕組みが分かりやすい構成になっています。
中学生・高校生向けの教科書
Beginning Japanese
Beginning Japanese の教科書と、Workbookがあります。
各章がマンガで始まり、教科書を通じてストーリーが展開されていきます。
そのストーリーがまた工夫されていておもしろいんです！
日本でホームステイしている主人公キアラさんが、日本の学校生活を楽しんでいくのですが、
途中から謎のたぬきが登場して、いっしょに日本の昔の時代にタイムトラベルします。
マンガのストーリー中に新しい文法が導入され、例文や文法説明、語彙、漢字、練習問題が後に続く形式ですが、
同時に日本各地の文化や歴史的人物も紹介されています。
文法の説明も簡潔で分かりやすく、教科書にも少し練習問題がありますが、Workbookの練習問題が充実しています。
初めから漢字が少しずつ導入されていて、マンガや例文にもローマ字表記などは施されていないので、ひらがな、カタカナがある程度読めるようになってから使うのが理想です。
話せるようになりたいけれど、文字は勉強したくない大人のための教科書
Japanese for Busy People Romanized Version
文字を覚える自信も時間もないけど、まずは話せるようになりたい、
という学習者もいます。
Japanese for Busy Peopleは、例文、語彙、練習問題がすべてローマ字で書かれているので、読み書きを勉強しなくても、日本語の会話を学ぶことができます。
日常会話に加えてビジネスで使える表現も多く取り入れられています。
教科書中の練習問題は、英語を日本語訳にする形式のものが多いです。
ちなみに、Kana versionの教科書やKana Workbookもあります。
大人のための教科書
げんき
おなじみの「げんき」です。
「げんき」が便利な理由は、練習問題が、絵を使ったものや、アクティビティ形式のものが多い点です。
文を翻訳するタイプの練習問題よりも、
自分のリアルな情報を使って話す、という応用に移行しやすい気がします。
Japanese for Busy Peopleがビジネス仕様であるのに比べて、
「げんき」は大学生活が中心の語彙や例文で構成されています。
また、英語で文法が説明されているので、
初めて日本語を教える、という方が、教え方を勉強する目的でも使える一冊です。
楽しく教えられる教科書が1冊決まると、
何度も教えているうちに語彙や内容が頭に入ってくるので、準備がラクになります。
北米で教えている先生や、日本で教えているけれど生徒は北米に住んでいる、という先生の参考になれば幸いです。
他にもおススメの教科書があれば、コメントでぜひシェアしてくださいね！
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