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ご挨拶

義母が重い病気を患いましたが、幸い手術が成功し、一命を取りとめてくれました。介護等により、週末更新など今まで通りに絵は描けなくなるかと思います。


少しだけお話ししたことがありますが、自分は実の母親から虐待されて育ちました。意味もなく殴られ、蹴られ、自分の子ではない、綺麗事ばかり言う宇宙人など、心無い言葉を浴びせられ続けました。父や兄と引き離され、数年間連れ去られたこともありましたが、裁判により親権を剥奪されたことで諦めた母親は、父の元に戻りました。


愛情がなかったわけではなく、それが歪んだ形だということを子供心に感じていたので、逆らうことが出来ませんでした。このか細く可哀想な人を、どうやったら救えるのかなどと思いながら、幼いなりに考え、たくさんの言葉をかけましたが、それが彼女に伝わることはありませんでした。


家を出て長い年月が過ぎても、実母にはずっと囚われ続けました。時には何度もトラブルを起こす彼女の裁判の代理人として、時には父親の醜聞を聞く相手として。そして私は、自分と他人との境界線がわからない大人になりました。その後心理学の本を読み、色々なことが腑に落ち、理解することで再度傷つくこともありましたが、そうすることでなんとなく今の自分の状況を俯瞰して理解することが出来るようになりました。


そんな中で結婚し、夫の母親が「義理の母親」になりました。義母は早くに夫を病気で亡くし、それからずっと1人で暮らしている、働き者の、花を愛する純粋で素朴な人でした。拙い自分を家族として受け入れ、時に夫より私の味方をして夫を叱り、自分にたくさんの愛情を注いでくれました。


しっかりと自分の意見を持ちながらも、愛情深く、2人の息子を自分より大切に思っているのが、側から見ていても痛いくらいに伝わり、愛情を当たり前のように受けながら、不器用でそっけない態度をとる夫が、時に妬ましく、心底羨ましく思いました。でも、そんな義母が私の母になってくれたのは、きっと偶然ではないのだと思います。


私は絵が大好きで、これ以上大切なものはないと思っていましたが、もしかしたらそれは違っていたのかもしれません。これから描けない時間の分、大好きな義母を少しでも幸せに出来たらいいなと思います。

これまで関わってくれた、応援してくれた皆様へ。今までありがとうございました。今後とも時間を見つけて少しずつ描き続けていきます。ペースはゆっくりになりますが、どうかこれからも温かく見守っていただけましたら幸いです。


「Mind Record'24 #4 」 Acrylic on panel 2024 273×220×22mm

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