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「やりたいことをして」食べていくこと

好きなことを仕事にしたい。毎日やりたいことをしたい。

「やりたいことで食べていきたい」
多くの人が思うことだと思います。

私は若い頃からずっとそう思ってきました。
ただ、好きなことは仕事にしない方が幸せなんじゃ?と思うときもありました。

私のところにも、好きなこと、やりたい事で食べていきたいというご相談は多いですが、そう言いつつも、現実的に話していくと、ハナから諦めているんじゃないかな、と思う方も多いように感じます。
頭ではそうしたいけど、「現実は無理っしょ?」と・・・。

さて、ふとこの動画を見つけたのでシェアさせてください。
私が最近良く見る大愚和尚のひとつの動画です。


誰かのために自分の持てるものを精一杯発揮することができたら、その人は食いっぱぐれない。と大愚和尚は動画の中で仰っておられます。

食べていく事 = 得意なことで稼ぐこと 
この視点が曖昧だとうまくいかない。視点を変えていく方が良いと。

私も新卒で店舗デザイナーとして勤務したので、この動画の相談者のこはるさんの気持ちも理解できます。

そして、大愚和尚が動画の中で言っておられる、HPデザイナーのお話にとても共感しました。私自身、クライアント側としても、デザイナー側としてもどちらも似たような経験があるので。

私は美術短大卒業後、店舗設計デザイナーとして就職。それなので、動画の中で述べられているデザイナーさんの葛藤は常にありました。自分のデザインと仕事で求められるデザイン性のズレ・・・。。

私の場合、店舗デザインとは言え、多くが百貨店の中やモールにあるブランドなどのテナントが初期の頃の仕事でした。ですから、そのブランドイメージやロゴ、使う什器なんかも決まっている事がほとんどで、自分はデザイナーどころか、ただのトレーサーのような気分を感じることが増えていきました。私がやりたかったのはこれじゃない!そんな思いでもがいて働いていた20代前半。だったら店舗設計じゃなくて、住宅インテリアの方が良いのかも、と3年で転職しました。

その後、建築設計事務所に就職。
私は内装空間を重視しているので、外観を重視して間取りやキッチンなどお細部に対する考えの違いなどもあって、社長の意見とも合わずに一年で転職しました。CADを学べたし他の所員の方とも仲良くできて良かったですが、住宅に対する考えの違いは譲れませんでした。

その後、個人でフリーランスとして仕事をしていた時、輸入住宅のコーディネートの仕事も多くなって。。。こんなに豪華なデザインにするのかぁ、、この色にこの柄かぁ、と自分の好みじゃないものと向き合う葛藤。デザインを提供できる機会は増えましたが、お金を出すのはお客様ですので、依頼をいただいたお客様がすでに持っている家具や好みが自分と同じとは限らず、、というか同じ趣味の方に当たったことはないですね。もちろんバランスや全体的に見て変だと思うことにはプロとしての助言もしますが、ご本人の愛着のある家具もあったりしますので、店舗デザイン以上に、住宅コーディネートでこちらの意見を強くは言えませんでした。そこに住むのは、私ではなく、その方たちなので。だから相手の未来の生活を想像し、対話をして信頼を作り、少しでも喜んでもらえるように頑張っていたなぁと思います。竣工の時にはやっぱりどの物件もストーリーがあって感動なんですよね。ただ、好きなデザインで食べていくのは無理なのか?と内側の葛藤と戦っていました。

その後、自分のデザインでやらせてもらえる機会も増えましたが、100%自分のデザインだけでというのはなかったです。デザインの仕事ってそんなもんなんだと思います。だって、自分のためではなく、人のためにするからお金をいただけるわけで。だから、本当に好きなことは仕事にすると辛くなるのだとも思うのです。自分のためにやるのはエゴですから良い作品とは言えないような気もします。

今ならこの大愚和尚の言葉の意味がとても理解できます。当時の私に伝えて上げたかった。けど、当時の私は素直に受け止められただろうか?もしかしたら、当時にも周りの人が言ってくれてたかもしれないけど、我が強い私は聞こえてなかったのかもなぁ、、、そんな思いで動画を見ていると、なぜか当時をいろいろ思い出し、目頭が熱くなりました。

今、ココロが喜ぶ働き方を導くコーチとして活動してる私。
好きなことで食べていきたいご相談は多いですし、セッションが終わる頃には、自分の本当の欲求に気づいて、目が輝いて思いを口にされる。決意をしたいとも言われる。

ただその後、現実的に経済的にやはり無理だと諦めて、食べていくために、好きなことを手放すことを選択する方もいれば、勇気を出して進んでいく方もおられます。

どの選択が正しいも間違いもないと私は思っていて、「今の自分の選択」に過ぎないと思っているので、今の選択として、未来に必要な経験を選ぶんだろなぁと思うのです。

私は真摯に向き合い、寄り添い、しっかりと選択肢が他にないか、一緒に考えていくのが私の任務で、ただただ、その方が一歩前進できるように応援していきたい。

人を応援することが、私の好きなことなんだなぁと思います。


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