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老年で女優になった母と、中年で小説家になった娘

2006年から蜷川幸雄率いる「さいたまゴールド・シアター」のメンバーとなった母と、2017年に新潮社「女による女のためのR18文学賞」大賞&読者賞を受賞した娘の往復書簡

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娘から母へ 10/14 オーディションと女による女のためのR18文学賞

だいぶ時間が開いてしまいました、ごめんなさい。 何はともあれ「地獄谷温泉 無明ノ宿」のフランス公演大成功おめでとう&おつかれさま!! 3年半で11都市、全58公演なんて、まさに大いなる旅ですね。悲しいお別れもあったけど、数々の素敵な出会いやハプニングもあって、齢70を超えた母親がこんな経験をしてるなんて、娘としてもちょっと誇らしいし、嬉しいです。  あなたが「地獄谷温泉…」のオーディションを受けるか躊躇していたのは、私が文学賞に応募しては予選落ちして、どうしたら最終選考やそ

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母から娘へ 8/13 年下の先輩の死

 書評が2つ載って、発売2ヶ月以上がたってもまだ店頭に並べてくれている書店があるなんて有難いですね。  ダルカラの「1961年:夜に昇る太陽」は、双葉町長や東京電力が、原発建設予定地の農家に土地売却の直談判に来る場面が秀逸でした。演出の谷さんによれば劇中のセリフは取材に基づくほぼ事実だそうです。事前情報もなくああいう風に迫られれば、原子力に関する知識が乏しい、私たちのような一般人は、同意せざるを得ないでしょう。  先日とても悲しいことがありました。3年前の初演以来、庭劇団

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娘から母へ 7/25

ずいぶんご無沙汰してごめんなさい。このところ書かない方の仕事がバタバタしていたから……精神的にも久々に削られました。 あっという間に「いまは、空しか見えない」の発売から2ヶ月が経ちました。 私の拙い色紙や、新潮社営業ご担当の力作ポップ/パネルを飾ってくださった都内の書店はできる限り回ってみました。 自分の本がそこにある、という事実を脳が受け入れないのか、いつも見つけるのにものすごく時間がかかりました。 ひどい時は目の高さの棚に面出し(?)して下さってたのに、1回目の来店時

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母から娘へ 6/4:君はダルカラへ行きたいか?

 先月20日に千秋楽を無事迎え、私にとってのハレの日が終わり、再びケの日が始まりました。  これでゆっくりできるかなと思った翌朝6時半、次女・Mちゃんの電話で起こされました。公演中は無理だから、終わったら手伝いに行くねと約束してたのすっかり忘れてた。  23日は川越、24日は所沢での就労支援セミナー講師で仕事に出かけ、あっという間に日常生活に戻っちゃいました。キャリア・カウンセラーの仕事+ばあば稼業+仕事のない日はピースボートセンター東京のボランティア・ワークという目下の私の

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