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Musashino Art University Graduation Works 2018

渋谷でデザイナーをしています。福田です。
先日、美大時代の後輩の卒業制作展を見に行きました。

後輩たちが卒業制作を作っている様子はSNSでチラチラと見ていたのですが、想像以上にクオリティと熱量の高い作品が並んでいました。凄すぎる。
とても感動したので今回は作品を紹介させていただきます。

卒業制作に込める思い

さて、作品を紹介する前に少しだけ卒業制作について説明をさせて頂きます。

美大生にとって卒業制作は在学期間の集大成であり、その後の就職や作家活動に少なからず影響を与える重要な制作です。
また、それと同時に行われる卒業制作展は、その場で作品が売れたり、スカウトされたりする学生生活最後の貴重な場です。私自身、卒業制作展で企業の方から名刺を頂いたり、展覧会のお誘いがあったりしました。

そんな卒業制作には、納得いくまで追求する情熱と葛藤が詰まっており、技術以上の熱いナニカを感じることが出来ます。


コロコロ族

嶋田ゆうき作 Instagram@shimao1022
陶土で成形されたコロコロ族は全部で100体居るそうです。
つぶらな瞳とユニークな造形のバランスがとても惹かれる作品でした。それぞれに名前が付いており、作者の世界観にぐいっと引き込まれます。よく見ると細かなテクスチャの差を感じられ、陶土でこれだけの表現の幅を出せるのかと感動しました。


Bonnonniere

江藤美祥作 Instagram@kopanda333
磁土で作成した蓋物の器です。
当たり前ですが、蓋物は上下のサイズをぴったりと合わせないと成り立ちません。そのため、蓋物の器を作るのはとても難しいです。また、磁土は陶土に比べて高温で焼成するため、土が溶けやすく形が崩れがちです。
そんな難しい素材とモチーフに挑戦したことと、技術の高さに驚きました。陶芸経験者だからこそ分かるこの作品の凄さがありました。
こちらの作品はTwitterでも話題になっていました。

Slipware

荒井彩乃作 Instagram@arairai42
細かな彩飾のされたこちらの器の作り方は、珍しいものです。
水で溶かしサラサラな状態にした泥漿を器に垂らし、ラテアートの要領で模様を描いています。スリップウェアはヨーロッパなど世界各地で見られた、古くからある陶芸技法の一種です。
しかし、ここまで繊細に描かれたスリップウェアはなかなかありません。(私は初めて見ました)

土鍋ごはん

故金あかり Instagram@karugane_akari
三合まで炊ける土鍋です。
シンプルだからこそ作業の丁寧さが伝わる作品です。こういうシンプルな作品は少しでもバランスがおかしいと、一気におかしくなります。絶妙なバランスと美しさのある土鍋でした。ぽってりとしたシルエットと柔らかな暖色がマッチしていて、土鍋自体がとても美味しそうに見えます。
出来ることなら家用にひとつ購入したいです。

Porcelamic bottle

阿部理緒
鋳込み成形で制作した陶器製のボトルです。ブルーと白磁のコントラストが魅力的な作品でした。大胆な柄とレリーフが印象的です。

Animal handles

佐々木玲美
動物の形をしたハンドルの作品です。実際に使えるそうです。ネコ、孔雀、犬、タコなど色々な生き物がモチーフになっていました。どれも特徴をよく捉えており、作者の造形力を感じる作品でした。


さて、そんな力作揃いの卒業制作ですが、本日1/25から1/29まで表参道のスパイラルラウンジで展示されます。表参道駅から徒歩3秒くらいのところで展示をしてるので、ぜひ足を運んでみてください。
(工数の関係で紹介できなかったものも多数あります!全部最高の作品なので直接見て欲しいです)

#デザイン #陶芸

読んでくださりありがとうございます。大学時代にやっていた陶芸が恋しいので、サポートして頂いたお金は、信楽粘土を買う代金にあてる予定です。