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黒川くんのはなし (発達障害と薬)

黒川(仮名)くんは、現在支援学校高等部3年生。
幼児期から、関わっています。
感覚過敏の症状が強く、ちょっとしたことでよく泣いてました。しかも、甲高い声で奇声を上げ続けていました。スタッフ1人は必ず彼専用になり、部屋も独占といった状況がかなり長かったと思います。

食べられないものもたくさんありました。ハンバーガー屋さんでも、トマトと玉ねぎとレタス抜き、ソースはいりません。の注文をしていました。(ハンバーガーでなくてもいいのでは?)

身体も柔らかいので、まっすぐに立ってじっとしていることができません。運動も苦手で、いつもタブレットで動画を見ている。(タブレット2台や、スマホ、イヤーマフなどをバッグに入れて持ち運ぶことが彼の筋トレになってるから、運動はまあいいか?と、いう私の心の声)というのが、かつての黒川くん。


最近の彼をみていると、あれ?
たしか、コロナ禍の時は、マスクが唾液でびっしょりになっていたはず、そのためマスクを2枚重ねて顎にもかけてた。
マスクしてないけど涎もないなぁ、そういえば滑舌も良くて、話がしやすいな。

「物語を作ろうクエスト」をだしても、えー!読める文字がかけている!昨年までは、象形文字のような変わった文字を書いてて、解読用の辞書を作ろうかと真剣に思っていたのに。

ちょ、ちょっと待って、そういえば
最近、全然泣かないわ。去年までは、赤ちゃんのように うわーん って天を仰ぎながら泣いてたよね。
ちょっとしたことを注意しても、すぐに大声で泣くから、就労しても困るだろうなぁ と心配してたのに…

「最近、黒川くんは、全然泣かないですよね」とお母さんに聞いてみました。「そうなんですよ、薬を辞めてから、なぜか泣かなくなったんです」

薬をやめた…

「黒川くん、なんで薬やめたの?」
「あー、パニックになった時用の頓服を、学校に預けてあったんですけど、使わなくなったからと返されたんです。それで、診察の時にその話をしたら、薬やめてみる?という話になって…」と、冷静に話す彼。

幼児期から、ずーっと飲み続けてきた薬。
ちょうど良い時期が来たのでしょうね。

たぶん…

薬ね、

くすり…











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