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伝説のこどもたち Kくん1 「人は食べてはいけない。」

Kくんがきたのは、高校3年の時でした。高校を辞めたので就労させたいとのおかあさんの希望とは異なり、Kくんは、別の高校に行きたいと思っていました。

当時はとりあえず、彼に就労というものを意識させようと、まずは、彼を知るためにいろんな話をしてました。

学校の宿題で、新聞を読みなさいと言われていたらしく、いろんなことをよく知っていました。ところが、当時の新聞にたくさん載っていたのは、練炭自殺の記事でした。「自殺は、本人の意思なのだから周りの人がとやかくいう必要はない」というので、自殺は周りの人に迷惑をかけるから、してはいけないという方向から話をしようと 

「たとえば、Kくんがここに来たとして、私が死んでたらどうする?」と聞いてみたのです。「どうもせんなぁ」と遠い目をして答えました。あら、どうもせんのかぁ?

「わかった、じゃ、お母さんが死んでたらどうする?」「どうもせんなぁ」さっきと同じ返事です。

「えっ!どうもせんの?死んでるんよ、そのままにしてたら、いけんでしょ。腐ってしまうし…」遠い目のままKくんは「食べりゃあええが」

「いやいや、食べたらいけんでしょ。死んでる人はそのままにしたらだめなんよ」(何でこんな話になってんだろ…?)

「鶏は、食べるじゃろ」

「鶏じゃないし、鶏は家畜だけど、人間は違うでしょ」

「そうなん?知らんかった。食べたらいけんの?何で、学校はこんなこと教えてくれんのじゃろ」

そうなんです、Kくんは、いろいろなことを知らなかった。

例えば、階段を登る時 前に女の人がいてその人がスカートをはいていたら、上を見ながら階段のぼったらいけないんです。スカートの中がみえるかもしれないから、それを見ることは、犯罪になるんだから。「階段は、下を見ながら登りましょう」って教えないといけないんです。

他にもあるのですが、それは明日お話しします。

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