(ネタバレ全開)魔翻訳 63〜67章

63章
三郎と殿下に事件盛り沢山な回だけどまず声を大にして言いたい。殿下に性欲があるのが嬉しーーーーーー!!!!!!もうさぁ、殿下は三郎だったらそういう関係になってもオッケーって事を身体が先に表してるじゃないか!!!えっっっっっちですね!!
その一方で殿下の拙い人工呼吸に萌えすぎて殺されそうになってる(もう死んでるけど)三郎とか、焚き火の所も無意識に意識し合ってるなんとももどかしいやり取りが続いて(殿下の「私は三郎の事とても……気に入ってるんだ」好き…もう恋愛の情に近い重ための愛を感じる)この回可愛いとえっちのバランスが神配合で素晴らしく好きすぎた…。

2巻からずっと三郎に感情移入してるので、殿下から彼への矢印をめちゃくちゃ感じるの嬉しいな!!!!!

64章〜67章
ここからは大きな流れが切れないので纏めて感想になりますが、もうただ墨香先生の緻密で大胆な物語の作り方に驚嘆し続けていて…。
大筋は後で纏めるとして、細かいお気に入りポイントとして64章の水師に頼まれて武神的解決する殿下が好きだ…。殿下が色んな人と組むたび違った輝きを見せるの大好きなんだよ。

「考えすぎて直接的な可能性を見逃してしまった」と殿下が言ってた所で私も最初は「あの人」が一番怪しいと思ってたのにーーー!!!!と地団駄踏んでしまった。いつの間にか疑いの目が外されてたの、墨香先生の伏線を張る力、そしてそれを巧妙に目眩しする筆力にもうただ全て手の内で転がされてたって……コト!?って思わずちいかわになるくらい、打ちのめされた。すごい、すごいよ…。
そして私が鬼市潜入の所で下弦月使と地師の印象が被って同一人物だと思ってたの、魔翻訳の精度が悪かったのはあるんだけどある意味それも墨香先生の意図通りで、あえてそっちに目を向かせるための描写だったんだな〜!!

読んでいてひしひし先生の並外れた知力を感じたけど、単に頭がいい人が書いてるってだけでも言い表せなくて、やっぱり、「物語る力」の凄さをなのかなぁ。悔しいけど存分に手玉に取られた感が気持ち良くもあって、もうここまで騙されたらただ称えるしかないって言うか…!!!!とにかく近年稀に見る最高の読書体験をさせて頂いた。またこの先も騙されてぇ〜!!!!ネタバレ回避頑張ろう。

ここまでは物語としての凄さについての感想だったので、中身について…。といっても完全に話が落着してない事もあって語り尽くせる気はしないんだけど、風師という人について。
殿下とは少し違った雰囲気の無垢さを持っていて、兄さんに根本的にはいつまでも甘えてたり明兄をずっとギリギリまで明兄と呼び続けたり…謝怜に移魂大法で体に入ってもらってその強さに喜んでる所とか本当地獄の前の最後の和みで良かった(風師と殿下のコンビはお花ちゃんって感じで可愛くて好きだった…)けど、その無垢さが明兄の犠牲の上に成り立っていたってついに心底思い知らされて、甘えられる兄もいなくなって、果たして彼は自分を立て直せるんだろうか?

自覚的に悪事を働いたのは水師の罪で、風師は何も知らなかった事が罪なんだけど、この物語上では無垢は本質的に悪い事だとされてはいないと思う。過去の殿下もそういう無垢故の傲慢さみたいなのを持っていたけど八百年打ちのめされ続けた後で今も生きていて、三郎との縁を掴めている事からも、苦難の後でも無垢でいられるくらいの純粋さがあれば、この物語の中では悪い事にはならないと思うので、生きているんじゃないかな…もっと言うと明兄が彼を憎みきれず生かしてるんじゃないかな、って気がする。
風師は多分明兄にとって己の憎しみ、闇を呼び起こす存在なんだけどそれでも終わらない苦しみの中での唯一の光でもあったんじゃないか、彼が風師に向けてる感情は半々くらいに入り混じった「愛憎」なんじゃないかと。どうしたらそうなれるか分からないけど、どうにか幸せになってほしいよ…出来れば2人で…。

水師について。やった事は最悪なんだけど、断固として矜持のある態度と弟に手が下せないのを見越してああいう死に様をある意味賀玄に「選ばせた」手腕は、本当にすごい人だと言わざるを得ない。そしてここで、「ネームドキャラは何だかんだ言って死なない世界観なのではないか」という己の勝手な幻想が覆されて腰が抜けるかと思った…もう何も安心できない…葬式にほぼ人来ないとか、それだって寂しいというよりは彼の孤高さを強く感じた。数少ない友人はその死を心から悼んでるわけで。だから私はそういう人を、心から嫌いにはなれないんだ…。

怒涛の地獄すぎて、殿下と三郎がチュッチュしだしてからの安心感がすごかった。激辛料理の後にGODIVAを流し込まれてる〜〜〜。
空き殻の送り主、あれ?これ解決してなくない?としばらく疑問だったけどその後事件が多すぎて忘れちゃったやつだ!やっぱり明かされてない伏線だったんだな。悪夢みたいなシーンが多かったから菩薺観に戻ってきて心底安心した。村人から三郎が小花ちゃん…いや花ちゃん?って呼ばれてるのかわいすぎる。
鬼市も相変わらずでホッとする〜習字で甘える三郎、すごい年下全開でそして素に近い感じで可愛い!!!キスしてる所もなんだけど、小道具として漢詩っていうアイテムが出てくるのお国柄でいいな…そして離思の訳も一通り読んだけれどどうして三郎の心情を表すのにこの詩をここで選んだのか?なぜ「巫山」の所に赤が付くとえっちなのか???をもっと深く理解したいなぁ〜。日本語の物語だったらもし登場人物が和歌を引用したとして、なぜその歌を選んだのか、そこに込められた意味だったり文化的背景だったりというのを日本人なのである程度調べなくても理解する事が出来るのだろうけど、漢詩は古典の授業で触れた程度だから無知すぎて、理解を取りこぼしてる部分が沢山ある気がして…いや魂でどエロいシーンである事は理解出来てたけども!!これから詳しくなっていけたら良いなぁ。

繁体字版3巻はこれでお終い、この巻通じて殿下と三郎の関係もだいぶ進展した気がして嬉しい。とはいえまだお互いの反応を(相手が大事であるがゆえに)探り合っている、もどかしい段階なんだけど、その一方で順調に既成事実だけが積み重なっていってる感じ、一言で言うと堪らないな〜!!!!!いつか思いが通じ合った後に、色々やっちゃった事思い出して赤面してほしいよ…絶対可愛い事になるでしょ。楽しみだなぁ。殿下、短期間でめちゃくちゃキス上手くなったね。これからもどんどんやっちゃって下さい!!!!!殿下からキスされると三郎が嬉しそうだし、そんな姿を見ると私も嬉しいので!!

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