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賃貸契約と転貸借

人から借りたものを他の人に貸すことを「又貸し(またがし)」と言います。
不動産賃貸ではよく行われていて、「サブリース」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。
「サブリース」とは簡単に言うと、持ち主からアパート1棟を借りて、今度は借りた人が貸主としてアパートを人に貸すことです。
アパート1棟を借りる家賃より少し高い設定の家賃で人に貸すので、差額分が利益になります。
このサブリースを行っている事業者のことを「サブリース業者」と言ったりします。
この「サブリース業者」は持ち主からアパートを借りる際に、「このアパート1棟を借りて、さらに人に貸します。」と書かれた契約書を取り交わします。

け 契約②

では、皆さんが住まいとして、又は事務所・店舗として借りている建物の賃貸借契約書では、「又貸し」について何と書いてあるでしょうか。
ぜひ、ご自身の契約書をご覧になってみて下さい。
おそらく「又貸し」のことを「転貸借(てんたいしゃく)」と書いているでしょう。
そして、「転貸借」を禁止しているでしょう。
転貸借することを前提としたサブリースの契約と異なり、通常の賃貸借契約では転貸借は禁止されています。
そして多くの賃貸借契約書では、これに違反すると「即契約解除」となるような重いペナルティを課しています。
大家さんの立場からすると、「この人ならアパートの部屋を貸しても大丈夫だろう」と判断して「住まいとして」貸しているのに、それを勝手に別の人に「事業として」又貸しされては堪りません。
だから、違反した場合のペナルティを重く設定しています。

か 開業①

事業主のAさんは、事業用としてある店舗を借りています。
そこで働いているBさんが「独立したい」ということになったので、店舗の中の設備を有償で譲渡して、いわゆる「のれん分け」をしようということになりました。
しかし、その店舗の貸主にとって今の借主はAさんですが、「のれん分け」ということになると借主はBさんということになってしまいます。
借主がBさんに変更することを貸主が承諾しれくれれば良いですが、必ずそうなる保証はありません。
かといって、今の借主のAさんが、Bさんに「又貸し」したら契約違反になります。
もし、将来「のれん分け」することがあり得るならば店舗を借りる際の最初に、借主の変更や転貸借について貸主に相談しておいたほうが良いでしょう。

かやはら行政書士事務所では、不動産賃貸を含む各種契約書の作成代行を承っております。

お おしまい①


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