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10年使ってきた採用計画の作り方を全部公開してみることにしました

こんにちは。カヤック人事部のみよしです。

僕は主に、カヤックで新卒採用の採用計画とか、施策の選定・企画を作ってるんですが、10年もやってると、新しいことやりたいなと思う今日このごろです。

今までのやり方、全部捨てて新しいやり方にでもチャレンジしようかな、とふと思い、じゃあとりあえず、今までのやり方全部捨ててしまおうと思ったんですが、捨てるんだったら誰かにあげようというメルカリで服売るみたいなことを思い立ったので、自分なりの新卒採用のやり方を公開してみることにしました。

とはいえ、カヤックに入る前に新卒採用をやってたわけでもなく、カヤックに入って新卒採用のやり方を教えてもらったわけでもないので、我流ですが、使えるところがあったら使ってください…くらいってことご了承ください。

話のあらすじ

書き方、いろいろ迷ったんですが、誰か僕のあとに新卒採用を担当する人向けに書いたほうが分かりやすいし、僕も引き継ぎの時に「これ読んどいて」と言える気がしたので、そういう体で書いていくことにします。

僕の採用計画の(一旦の)ゴールは、「採用予算シートを埋める」なので、それに向けて、カヤックの新卒採用において何をしていけばいいのかを以下の順番で書いていきます。

・何を考えないといけないか?
・何は変えてはいけないか?
・どうやって施策を決めればいいか?

「何人採用するの?」それが問題だ

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なにごともゴールが大事ということで、最初はゴール設定をします。「採用だから採用人数」というのは、安直な気もしていますが、採用できないとそれはそれで困るんで、ゴールは何人採用するか?にしています。

ただ、その内訳に関しては、

入った頃
企画部(ディレクター)・意匠部(デザイナー)・技術部(エンジニア)の比率(=会社の構成比率と同じ)はなんとなくあったけど、あとは◯人っていう人数要望くらい。

ソーシャルゲーム事業部ができる
クライアントワークでも、ソーシャルゲームでも、その他の事業でもどこでも活躍できる、どの事業部でも大丈夫な人を採用するという要望が加わる。

最近
さすがにスキルセットが違いすぎて育成が大変とのことで、新卒採用もある程度事業部ごとに採用することがOKになる(だいたい、クライアントワーク・ソーシャルゲーム・ゲームコミュニティとその他の4つくらい)

という感じで、移り変わりがあったりはします。

個人的な感覚としては、各事業部に事業計画があって、そのために何人新卒が必要でという依頼を受けつつ、「こういう風にカヤックの組織をしていきたいから、今年は◯人、新卒を採用する」といった事業計画と組織戦略の2つの落とし所から決めるのがキレイだなと思っているんですが、そうそううまくもいかないので、現状、4つの視点から落とし所を探るみたいな感じになっています。

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少し言葉と記号の解説を付け加えると、
(+)…採用人数が増える条件
(―)…採用人数が減る制約条件
予算限界…採用予算の限界ではなく、会社や事業部の予算計画上、新卒の人件費としてどれくらい受け入れ可能なのか?という意味
採用限界…エンジニアとか採用するのそんなに簡単じゃないので、100人って言われても無理だよとかそういう意味

あと、事業部・財務・人事部を三角形にしているのは、本来、それぞれが引っ張って均衡が作られるというイメージを表現してるんですが、現状、全部が制約条件なのであまり意味はありません。

大体の場合は、経営陣から「今年はこれくらい採用しよう」というのが降ってきて、それを頭の隅に起きながら、事業部に「今年これくらい採用しても育成できるっけ?」「そもそも新卒の人件費大丈夫そう?」みたいなことを話して、最終的な人数を決めます。

ま、「決めます」って言いましたが、これが3ヶ月に1回くらいの頻度で状況が変わって、4月に急に5人増えるとかあるんで、そこが若干、いや、この時期に言われても無理に決まってんだろ!みたいな気持ちになったりするときはあります。

そういうときのために最後に話す「柔軟性」というのが、カヤックの採用におけるポイントになっていたりします。

「何を変えてはいけないか?」迷った末にこれ

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僕には僕の強みがあって、次の担当者には次の担当者の強みがある。なので、できれば自分の強みを活かして仕事をしてほしい。きっとその方が面白いから。

そういう考え方なので、引き継ぎを考えると割と困りました。「自分のやりたいようにやったほうがいいんじゃない?」っていう前提に立つと、「じゃ、あとは自分のやり方でよろしく」で終わってしまう。

なので、いまさらですが、この資料は「僕は今までこういうフレームワークで考えて、意思決定してきたから、その方法は伝えるけれど、君の強みや世の中の状況に応じて変えてOKというのが基本。ただし、カヤックとしてこれを変えると、きっとよくない未来が待ってるから変えないでね」という方向で書いていたことを告白します。

今までのスライドの右上に「状況に応じて変えてOK」「変えてほしくない」というのがあったのはそういう意味です。

じゃあ、何を変えちゃダメなのか。まとめるとたった2ページしかありませんでした。

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昔(カヤックに入る前)、他社の採用を手伝うという仕事をしたことがあって、そのとき、大体は採用メッセージというようなものを作るところからはじまったり、このメッセージを伝えたいみたいなところからはじまることが多かったように思います。(採用サイトの最初にドンッ!と載ってたりするやつ)

だけど、社内でそんな話がでることが全くなく、僕が言われるのは「バズる採用キャンペーンを考えて」だけなので、なんでカヤックが採用キャンペーンにこだわるのか?をざっくりまとめた結果、次の担当者に守ってほしいことは上の2ページだけとなりました。

これを守って、KGI達成できるなら、フレームワークも施策も全部変えてもらってもOKだと思います。

「変な人が来なくなる」というところは、昔、旅する会社説明会というコンテンツを作った時に、社長から「ふらっとおじさんがやってくるみたいなのだといいな」と言われたことに起因します。

当時は「は?」って思いましたが、エゴサーチ採用とかをやっていく中で、事業部長から「今年の新卒は、普通に採用してたら絶対、カヤックに振り向きもしなかった層が来てて面白い」と言われたときに、そういうことかと理解した気がします。

言葉、メッセージというのは、自分が含まれるか含まれないかというスクリーニングの機能を無意識に作ってしまうので、自分たちでは想定していなかった意外な人と出逢うために、コンテンツというニュアンスが残るもので発信している気がします。

で、結局何をやるのか

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最初に書いた「採用予算シートを埋める」ですが、実物がこれです。

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左に施策が並んでいて、それぞれに3つの視点からの評価があり、右の方に、その施策でどれくらい採用できそうか(過去の実績と今年の希望)があり、上に人数(目標とか現状の差分とか)のまとめがあります。あと、さらにこの右に毎月ごとの予算を埋めて完成となります。

このフォーマットがいいのかどうか、他の人はどうやってるのか全然わからないので、これを書いていて他の人のやり方や意見を聞きたい気持ちでいっぱいになりました。

戦略自由度について

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戦略自由度という言葉と意味は、昔一緒に働いていた人から教えてもらった概念を僕なりに改造したものです。

「「何人採用するの?」それが問題だ」の最後に少し書いたように、毎年、採用計画を作って、施策を選定する上で、以下の3つが鬼門になるなぁと感じています。

・確実性:果たして、その施策で見積もり通りに採用できるのか?
・拡張性:来年、急に採用人数が2倍とか3倍になった時に対応できるか?(たまにある)
・柔軟性:採用シーズンが終わる時期に、急にもう数人採用を増やしたいと言われても対応できるか?(よくある)

なので、それぞれに対して戦略自由度というものを定義して、なるべく自由度が高い施策を作ったり、選んだりするようにしています。

施策を選ぶ基準について

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だいたいはこの2つのフレームで優先順位つけて選定しています。あ、でも「この施策、僕もしくは採用メンバーがやりたいかどうか」が、一番大事な意思決定基準だったりします。

これ以降も各施策の目標とか行動指針とかあったりはしますが、タスクレベルで細かいので省略。

というわけで、僕なりの採用計画の作り方は以上になります。年によって、施策を付け加えたり、アイデア出したりしますが、基本的な考え方のフレームワークと意思決定基準は変わってないと思います。

で、新しい方法はどんなものなのか?

作ってる途中なので、うまくいくかもわからないし、そもそもまとまるかも分からないのですが、他の人に話してみたほうがアイデア出そう!と思い、話してみることにしました。

もしよかったら聞きに来てください!

以上です!なにかこのnoteで質問があったらmiyoshi-koichiアットkayac.comまで。



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