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1000字でまとめる『世界標準の経営理論』~ 0-1 経営理論とは何か?(序章①) ~

2019年12月に早稲田大学の入山教授が出版した『世界標準の経営理論』。出版早々に購入するも、面白そうな章だけつまみ食いした以降は、3年ほど本棚の肥やしとなっていた。しかし、2022年10月にマネジメントへの一歩へを踏み出す中で【経営】への関心が再び高まり、この機会に丁寧に読み直すことにした。

本noteは自身の咀嚼を主な目的として、各章の概要を各noteで "1000字程度" で整理すると共に、読む中で感じたことを記録する備忘録である。なお、今の自分にとって目に留まった章から順番に触れていく。

(導入説明 300字、各章概要 1000字、振り返り 500~1000字 構成である📣)


1.本文概要:経営理論とは何か? 

✄『世界標準の経営理論』該当ページ:P2~P16 ✄

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経営学において「理論とは何か?」については、学術的な意味で経営学者の間で定義は固まっていない。ただし、「理論の目的」については学者のコンセンサスはほぼ取れている。

■経営理論の目的
「経営・ビジネスのhow、when、whyに答えること」を目指すもの
・how  :「X→Y」のような因果関係のこと
・when:「その理論が通用する範囲」のこと
・why  :「なぜそうなのか」が説明されなければ理論ではない

世界の経営学は「一社だけ、一人だけに当てはまる法則」には関心がない。

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その上で、「なぜビジネスパーソンに、今こそ経営理論が必要か」については、『説得性』『汎用性』『不変性』の大きく3つが理由であると考える。

■理由1:Whyの「説明」「納得」がなければ人は動かないから
現実のビジネスは、色々な要素が絡み合い、複雑で不確実で正解がないかもしれないが、その中で「意思決定」をして前進しなければならない。そして、その際には経営理論が「思考の軸」となりうる。

経営理論の切り口があれば、複雑なビジネス課題を一つの角度から鋭く説明することができ、whyに答えることができる。納得・腹落ちすれば、人の「行動」を促すことができる。

■理由2:「理論ドリブンの思考」の方が、圧倒的に汎用性が高いから
M&A、競争戦略、人材評価、ガバナンスなどの実際のビジネスで生じる「現象」と、その事象を鋭利に切り取る思考の軸として「理論」がある。

「理論→現象」の思考軸で経営学を学ぶことこそ、はるかに効率的で、応用可能性も圧倒的に広がる。日々の現象ドリブンに加えて、理論ドリブンの思考軸も持てば、まさに双方向のベクトルによる「知の往復」が可能となる。

■理由3:経営理論の説明力は、時代を超えて不変だから
理論は古びない。理論は、組織と人間の行動・意思決定の本質を、根本原理から説明し、そこにwhyの思考の軸を与えるからである。ビジネス事象が時代とともに変わっても、それを行うのはいつも人間と組織である。

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経営学そのものは歴史の浅い学問であるが、ビジネス・経営とは人や (人から成る) 組織が行うものであることを背景に、世界標準の経営学では『経営学』『心理学』『社会学』を3つの「理論ディシプリン」としている。
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2.本章に対する振り返り

本章は序章に位置するが、その中で「経営理論とは何か?については、学術的な意味で定義が固まっていない」ということを明言した上で、「経営理論の目的」について確認する上で認識を合わせて進める構成である点が印象的であった。本点を踏まえると、具体的な各章を触れる上では『その理論の目的(how、when、why)は何か?』を考えながら進むのが良いかもしれない。

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また、理論を明確に押さえることによって『知の往復』が可能となるという観点も非常に重要な観点であると感じた。経験則的に判断しがちなことにも、「理論」の観点も添えることでより深い理由付けを行うことが出来れば、自分の判断により自信を持てると共に、各判断に紐付く新たな経験を自分の中で概念化し、ポータブルスキル化する手助けになると考える。

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その上で、自身としては「ストーリーとしての戦略理論」中で触れられている以下の一節も頭の片隅に思い浮かべながら、ここで語られている経営理論を『全ての真理』だと思い込むことはせずに、良い距離感を保ちながら理解を深めていきたいと思う次第である。

8割は理屈で説明がつかないにしても、ビジネスのもろもろのうち2割は、やはり何らかの理屈で動いている訳です。(中略) 何が理屈かをまるでわかっていない人には、「理屈じゃない」ものが本当のところ何なのかわかりません。(中略) 「理屈じゃないから、理屈が大切」なのです。

「ストーリーとしての競争戦略 (楠木 建 著)」 第1章 戦略は「ストーリー」より

【参考資料】


ここまでお読み頂きましてありがとうございました!💐
この記事は「自分のための学び」を公開している形ですが、一読頂いた方にとって、何かお役に立つ部分があったなら甚幸です!

「知恵はかい出さんとあかん、井戸から水を汲み上げる様に」を大事にしながら、日々のマネジメントに対する振り返りをツイートしています👇



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