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ものの買い方

先週のある日、夜シャワーを浴びたあと、新しいタオルを使って体を拭いたのだが、あまりにそれが気持ちよかったので、その気持ちよさを忘れないためにこれを書こうと思いついた。

以前使っていたタオルは、4ポンドの代物だった。プライマークの製品である。プライマークというのは、H&Mよりさらに安い服を売るチェーンで、たぶん、イギリスで一番安いタオルを買うのなら、ここに行くのが確実であろう。

早い話、タオルの用はなんとか足していたが、ちょっとほころんだり、糸くずが出たり、なんとなくストレスのたまる製品だった。しかし、それを2枚も購入していた私たちは、なんとなく、二ヶ月これを使い続けていた。

ある日、あまりに大きな糸くずのかたまりを発見した私たちは、勇気を出してタオルを買うことにした。1枚10ポンドである。2.5倍の値段のタオル。

それから何週間が経っているが、まだほころびを見つけていない。顔を拭いた後に、顔に糸くずがついていない。いまだに拭いた時の柔らかさにほんのちょっぴり気分が上がる。素晴らしい。

私は普段買い物をする際に、好きなものだけを買うように心がけてはいるが、時々好きな理由を勘違いしていることがある。

「値段のわりに、ものがいい、可愛い」

というあれである。「値段のわりに」は、忍び足でやってきて、勝手に文頭にくっついて何食わぬ顔をしている。そして、買い物の動機の全てを支配してしまう。

このタオルの話も、たかが千円二千円の話で、自分の心地よさを我慢してしまっていたのだ。

よくときめいたものだけを、という買い方の話を聞いたことがあるが、私の場合、ときめきでさえも「値段のわりに」にイリュージョンされていることがある。よって、ときめきが信用できない。

日用品の買い物をする時、まず財布に10万円入っていると思って商品を見てみる。それで買いたいものをピックアップする。それをし終わった後に、財布と相談するのである。明らかに買えなければ、後悔も何もない、買わないだけの話である。

正直な話、日用品レベルでは、買えないほど高いものはそんなにないことに気づく。これに従って買い物をしていくと、長く使え、買ってよかったと毎日思う製品に出会えているような気がするのである。

今の問題は、使う気のしなくなった4ポンドのバスタオルの使い道である。それも4枚。こういうのを本当のもったいない、というのである…。



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