ペン回しを通じて伝えたいこと
昔、とある企画で「ペン回しのプロとして伝えたいことはなんですか?」という質問をされて答えられなかったことがあります。その時は必死に考えても答えが出てきませんでした。
そこから数年、様々な経験を積んだ中で「伝えたいこと」がやっと言葉に表せるようになってきました。
今回はそんな「ペン回しを通じて伝えたいこと」をまとめてみました。
趣味を大切にする
私はプロとしてペン回しを見せる、または教える仕事をしています。ペン回しが人生において重要なポジションである「仕事」として活用されています。
しかし、私以外のペン回しを嗜んでいる人はほとんど「趣味」でやっています。
高校生の時(まだプロになる前)、学校でペン回しをしているとよくこんな言葉をかけられました。
「そんなことしてなんになるの?」「それやる意味あるの?」「人生で役にたつの?」
この言葉をかけてくる人は特に悪意もなく、単に疑問をもっているだけなのでしょうが、ペン回しが好きでたまらない私からしたらこんなに腹立たしいことはありません!
自分が好きなことを馬鹿にされているような気がしてすごく嫌な気分になりました...
趣味ってなんだろう?
そもそも趣味というのは「自分が好きでやっていること」「楽しむためにやっていること」のはずです。
だったらその趣味に対して、意味を求めるのはそもそも全くのお門違いなのではないか?
私が出した結論はこうでした。
例えば、サッカー部の人はサッカーが好きでサッカー部に入っています。野球部の人は野球が好きだから野球部に入っています。
それって人生に役立つからやってるんですか?
もちろんサッカーコーチをやっているよ。野球の監督をやっているよ。そんな人もいるでしょう。しかし9割の人にとってはそれが役立つシーンというのは非常に限られていると思います。
何が言いたいかというと、誰もそれが役立つかなんて考えてやってないんですよ。
みんな楽しいからやってるんです。
野球やサッカーやれば体力つくしチームワーク上がるよ!
なんて返してくる方もいますが、それは結果的に身に付くことであってそれが目的でやっている人はせめて中高生ではいないでしょう。
そんなこと言ったらペン回しやれば指先めちゃくちゃ器用になりますよ笑
サッカーや野球に比べてペン回しなどのマイナーな趣味はやたら意味を求められがちですが、本質は他の趣味となんら変わりはないと思います。
趣味というのは自分が楽しめればいいんです。
周りの人にとやかく言われる筋合いは全くありません!
(もちろん他人に迷惑をかけていたら別です)
なぜやるのか?と聞かれたら「楽しいから」と答えればいいんです。それが全てです。
自分が「楽しい!」と思うことに対して、周りの目を気にするのはやめにしましょう。
人生において意味のないことに対して時間を割ける、「楽しい!」と心の底から思えるということがあるのはとても幸せなことです。
そんな幸せを他人の目なんか気にして隠したり抑え込んだりするのはやめにしましょう!
年齢なんて関係ない!
私の父はプラモデルを作るのが趣味でした。
飛行機のプラモデルを手元を照らしながら細部までこだわって真剣な表情で作っていたのは印象に残っています。
そんな父も仕事が忙しくなってプラモデル製作から少しずつ離れていきましたが、代わりに別の趣味を見つけました。それがクラシック音楽の鑑賞でした。
それからは家に高そうなスピーカーがどんどん追加されてテレビの音響までもグレードアップしました笑
ちなみにはまったキッカケはクラシック音楽を題材とした漫画「のだめカンタービレ」。
ドラマが放送されて流行っていた時期に漫画も買うようになり、そこから一気にはまったような気がします。
新しい趣味を見つけるのに、年齢は関係ないと思います。きっかけもなんだっていいんです。
趣味があれば人生は確実に豊かになります。今からでも遅くはありません!
自分が熱中できる趣味を是非見つけて欲しいです。
若いうちから見つけられれば、それは将来きっと宝になるはずです。
しかし、毎日同じ生活をしていては見つかる趣味も見つかりません。
色々な情報をインプットし、新しい体験を積極的にするようにするのが大事です。
難しいことはしなくてもいいんです。友達にまだ経験していないイベントに誘われたら勇気を出して一歩踏み出してみる。昔の友達との飲み会でその人の趣味を聞いてみる。そんなことでも、もしかしたら新しい人生を見つけるキッカケになるかもしれません。
子供がいる親にむけて
ペン回しでもたまにある話です。
続けたくても親に咎められる、禁止されるということ。
親の気持ちとしては
「そんな意味の分からないものに熱中して変な子に見られないか心配」「勉強に集中して欲しい」「将来の役にたたない」
といったところでしょうか。
私には子供はまだいませんので憶測にすぎませんが、その気持ちが全く理解できないわけではありません。
しかしそれを理解したうえでも、子供から熱中していることを取り上げるのは親のエゴでしかないと思います。
自分の子供が熱中していることに対して、たとえそれが人生に意味を成さないことであっても、どんなに理解できないことであっても、非難したり否定したり、奪わないで欲しいです。
人生において意味のないものに熱中できるということはそれ自体に価値があり、幸せなことです。
ちなみに勉強に集中させるために趣味を取り上げるのは逆効果です。
たとえ取り上げられて勉強する姿勢にさせたとしても、頭の中からそれを完全に排除することはできません。楽しいことを「やりたい!」という意識が思考を邪魔して勉強しても実にならない場合がほとんどです。
脳の中で思考に割ける範囲は決まっているため、それを「やりたい!」という欲求に割かれた状態では勉強パフォーマンスが確実に落ちます。
やるのであれば、「○時までやったら勉強ね」というようにスイッチをしっかりさせるようなやり方をするのが重要です。
さいごに
私はペン回しに出会って文字通り人生が変わりました。
ペン回しが私の人生そのものになっています。
「一見無意味なものでも、追求すれば意味をなすものとなる」
ペン回し界の先人が残した言葉です。
私の周りにも、間接的にペン回しによって人生が変わった人もたくさんいます。
熱中できる趣味があるということは人生を豊かにするだけでなく、新しい友達ができたり、新たなコミュニティに関わるきっかけにもなります。最終的にはそれによって人生が充実したり、仕事に関わってきたりする場合もあります。
自分にとって最高に楽しい時間を見つけて欲しい。
それが私が伝えたいことです。
そしてもしそれがペン回しだったら... 私はとても幸せです。
私の活動を応援してるよ! これからも頑張って欲しい! そんなお気持ちがございましたら是非 "分かりやすい形" でサポートをお願い致します!