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サウナの達人と出会う

約20年ぶりとなるみかえり温泉。ここは確かにスタンプを押したことがある。

しかし、不思議だ。どんなところだったのか。全く記憶がない。

入湯料300円。払ってスタンプを押させてもらう。女湯の場所を教えてもらい、受付のある建物から一歩でると、ええっ?!

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地獄釜がある?!

全然記憶にないけど、もしやここで温泉たまご作れるのでは??

受付棟にもう一度入る。

300円で生卵が売っているではないか。

「温泉たまごつくれますか?!」

できますよ。6分で。受付のおじさんがたんたんと答えてくれる。長く窯に入れすぎると卵が硬くなるから、お風呂から出たあとが良いと教えてくれた。

さあ。温泉に入ろう。

教えられたところを進んでいくと建物があるが、ここで良いのだろうか?振り返れば、女子が1人こちらに向かってきていた。

「入口ってここですか??」

私が聞くと、「実は私は初めてで、私もわからないんです。」と彼女は答えた。

一緒に建物の扉をカラカラーっとあけてみる。

見えた見えた。のれんが。

あっ。ここですねー。サンダルを脱いで一緒に中に入った。

すると、あれ?

女湯が2つ・・・

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廊下を挟んで

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2つ・・

あー。内湯と露天風呂ですねぇ。

と話しながら、2人で無言で顔を見合わせる。

えっ?

内湯から露天風呂は廊下を渡る?!男湯となりのこの廊下を?!?

私達の間に妙な連帯感が生まれた瞬間だった。

ちょっと中確認しましょう!!

内湯を覗く。脱衣所があり内湯がある。

露天を覗く。脱衣所があり露天風呂がある。

えっ?一回服着て移動??・・

もしくは、全裸タオルで走って一瞬で移動??

究極ですねぇ。と笑いながらとりあえずは、内湯に入ることにした。

なんともレトロな感じの蛇口。ひねるタイプと押すタイプ。どこからもお湯がでる。

となりの女子の口から「あっつ。あつ!!」

という悲鳴がもれる。私の蛇口はそんなに熱くない気がするが・・・。いやっ!!だんだん!熱い!!

やばいほどに熱い!!!!

押す方の蛇口は!?

すがる気持ちで、銀の蛇口を押す。

水がでたー!!!(涙)

良かった。
洗面器に3分の1ひねる蛇口の熱湯。3分の2押す蛇口の水でちょうど良いくらい。

一緒に蛇口の謎を解き、更に深まる連帯感。

自然にどうしてこの温泉へ来たのかとお互いの話を始めた。

彼女は、ここの近くにあった温泉に通っていたそうだ。
でも、その温泉が閉鎖となり、1番近いのがこの温泉だから、大好きだった温泉と泉質が似ているのではないかと期待してここに来たそうだ。

いつもどこに行きますか?

そう聞かれて、よく行く温泉をいくつかあげたが、最近の私は温泉師匠とともに、湯巡りをしており、妙に詳しくなった泉質と機能温浴について得意げに語った。

話しながら内湯に入ろうとした時、嫌な予感がよぎった。

熱湯なのではないだろうか。

あんなにも蛇口のお湯が熱いのだ。源泉100度レベルに違いない。

恐る恐るお湯に足をつける。

ぬっ。

ぬるい?!?なんだこれは。

2人でおかしいぬるいと笑いながら入った。

彼女のおすすめの温泉は、サウナのある温泉だった。彼女はサウナが大好きだという。

サウナに入って、出たあとのビールが最高と話していた。

わーかーるー。

こちらもしばらく行ってないが、数種類のサウナがある温泉もあるのだ。

そんなサウナの達人である彼女が注目したのが、内湯内にあるむし湯だ。
どうだろう。といいながら、むし湯に達人が入っていく。

彼女は秒ででてきた。

達人も入れないほど、蒸しあがっていたらしい。
やはり源泉は熱いのだ。

なのになんで、こんなにぬるいんだろう。

その時だ。常連さんたちがどやどやと入って来る。
蛇口ひねらんと。水もお湯も出しながら入るんよと、浴槽近くにある蛇口をひねる。

なるほど。やっぱり常連さんは頼りになる。

私はそろそろ露天に行ってみよう。

サウナの達人と別れを告げ、一応軽めに服を着て露天風呂へ移動した。

誰もいない。

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なかなか素敵な感じではないか。

わくわくしながら足をつけた瞬間。

「あちっ!あっつつつつつつーー!!!!」

私の悲鳴が響く。

おそろしい熱さだった。絶対市営の熱湯よりも熱い。

そして、蘇ったのだ。

20年前の記憶が。

そうそうそうそうそう!!熱くて入れなかった!

せめてと思って、洗面器でお湯をくみ、たくさん体にかけた。

なんだか鉄の匂いがするような気がした。内湯とは泉質が違うと思う。

早々に服を着て、受付棟へ向かう。

さあ。気を取り直して!温泉たまごだー!

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窯にいれて、蓋をして6分。

ジュースを飲んでたまごができるのを待っておこう。

受付棟の中で、ジュースを飲んでいると、達人があがってきた。

「露天風呂にいると思って、話しながら入って行ったら誰もいなかった(笑)」

彼女は、本当に気さくでとっても感じの良い人だ。

ぜひまたご一緒したいものだ。

別府以外の温泉談義にも花をさかせ、あっという間に時間がたった。

おっと!6分過ぎてる。

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出来上がりー!!

手には持てないあっつあっつの卵を、透明パックにもどして抱えて帰る。

サウナの達人とは、また会いましょうー!!と駐車場で分かれた。

サウナの温泉も88箇所に入っている。

きっとまた会えるはずだ。

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