映画『PLAN75』を観て

記事を開いて下さってありがとうございます
俳優の三納みなみと申します。
表題の通り、映画『PLAN75』を観て
内容はもちろん、俳優さんの姿が素敵だったので感想を書き留めるようにnoteに記します。

あらすじ（公式サイトより引用）
夫と死別してひとりで慎ましく暮らす、角谷ミチ（倍賞千恵子）は78歳。ある日、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇される。住む場所をも失いそうになった彼女は＜プラン75＞の申請を検討し始める。一方、市役所の＜プラン７５＞の申請窓口で働くヒロム、死を選んだお年寄りに“その日”が来る直前までサポートするコールセンタースタッフの瑶子（河合優実）は、このシステムの存在に強い疑問を抱いていく。また、フィリピンから単身来日した介護職のマリア（ステファニー・アリアン）は幼い娘の手術費用を稼ぐため、より高給の＜プラン75＞関連施設に転職。利用者の遺品処理など、複雑な思いを抱えて作業に勤しむ日々を送る。

果たして、＜プラン75＞に翻弄される人々が最後に見出した答えとは―――。

（以上、公式サイトより引用）

以下、私の感想ですが、ネタバレもあります！

まずテーマがセンセーショナルですよね、、。
超高齢化社会って肌で感じる程身近な問題。

高齢の方が周りに、多いです。
スーパーいっても、近所を散歩しても高齢の方が目立ちます。
都内に住んでる時より感じます。

会社員である主人のお給料からも、社会保険料というものがドッサリ引かれて、
「これほとんど年金なんだよな、、」なんて感じたりしてしまいます。

また、誤解を恐れずに発言してしまいますと
高齢の方とは、少しコミュニケーションが取りづらい、と感じる経験もあります。
単純に世代の差なのかもしれませんが、
こちらの意見を聞き入れて頂けない、、という事がありました。
一時期、【老害】なんて言葉までありましたよね。。。

プラン75 は、75歳以上の方が、
自分で生死を選択できる、という国の制度です。
いわゆる安楽死です。
人道的な考えを一度外してみます。
誤解を恐れずに言います
「生死を選択しても、いいんじゃないかな」

と、直感的に感じました。
でもすぐ、考え改めました！

死んでもいい人なんて、この世にはいません！
これは、本当に思います！

何とも恐ろしいプラン。。。

このプランが世の中に受け入れられ、浸透しているところから物語は始まります。

若い世代はこのプランを仕事として
淡々と勧めています。
勧めているんです、高齢の方に。
契約すると

・自由に使える10万円が支給されます
・治療も火葬も無料です
・家族の許可はいりません
・住民票がなくても大丈夫

生きる意味を見失った方や、仕事を失った方
家族がいなくて孤独な方

ホームレスの方まで
炊き出しを提供され、そのまま契約書にサイン

実に日常的に進んでいきます。

まるで良いことを、しているかのように
国の未来のため　のように
契約していくんです！

すごいストーリーですよね。

でも、主人公のミチは
この制度に仄かな疑問を持ち続ける

流されそうになりながらも
最後は生きることを選択する。

この作品の凄いところは
テーマもさることながら
俳優さんたちの生き様が、、
生き様なんです、
芝居じゃなくて
その世界に本当に生きていて。

表現とか、してなくて
ただ生きてて。
感じてて。
それが、スクリーンを、通して
本当に見ている側に
伝わってくるんです。

激しく泣いたり、怒ったり
全くしてなくて。
声を荒らげたり
大きく絶望したり、してないんです。

でも、確実に変化してて
何かを常に感じていて
考えていて
生きてる姿が
見えるだけ。

凄い。
作品が完全に身体に、落し込まれてる。
刹那的に演じてない

その人（というかその俳優）が
日常どうやって、生きてて
何を感じているのか
全部、スクリーンを、通して見えてくる。

バレるんですね、薄っぺらに生きてる人は。
あぁ、生きてないなって
お芝居してるなーって
この差は、何なんでしょうね！

特に魅力的だったのは
河合優美さん。
出番はそんなに多くないのですが、
彼女が登場すると、グッと視線が持っていかれます。
すごく明確に生きてる。
素の彼女がどんな性格なのかはわからないのですが、
表情ひとつひとつに、人間味が溢れていて
虜になってしまいました。

私も
ちゃんと、日々生きてないと
じゃないと、
画面を通したときに生きてないのが、バレちゃうなって
怖くなりました。

あぁ、なんだか感想というより
散文になってしまいました。

この作品は
そんなに、大事件が起きなくて
淡々と進んでいくのですが（フランス映画っぽい）
だからこそ。振り返って
なんて凄い事やってる、作品なんだ
って、びっくりしました。

見てよかったです。

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長文最後までお読み頂きまして、ありがとうございました！

三納みなみ