見出し画像

この記事を日本語で読むだけで使える英語が身につく!かもしれない 【Vol.1】

いまZIZOでは外国出身者メンバー5名が働いています。50人ちょっとの会社に5人。国籍はフランス・台湾・ベルギー、職種はデザイナー、エンジニア、ディレクターとバラバラです。外資系でもない制作会社で約10%が外国出身というのは珍しいとおもってます(ちなみに写真は社内イベントで正装する男性メンバー。左から2,3番目がイケメンフレンチブラザーズ)。過去には、スペイン・シンガポール・ドイツの出身者もいました。ちなみに代表でいうと、僕は英検3級くらい(受けてないけど)、共同代表の仲島さんはスペイン語がペラペラだったりします。こんなバランスで、日本語だったり英語だったりフランス語だったりのバラバラな言語で、仕事は不思議とまわっています。

で、タイトルの「読むだけで使える英語を身につける」。ウソみたいなタイトルなんですが、完全に釣りというわけでもなく、まぁまぁありえる。すくなくとも、嘘じゃないとおもってます。実際、英検3級(推定)の僕でも、そこそこコミュニケーションとれてるので。


一言でいうと

Google翻訳に入れたとき、正しく英語に変換される「シンプルな文法の日本語」を身につける


これです。

この日本語を「かんたん日本語」と名付けます。「かんたん日本語」を機械翻訳した英語を「かんたん英語」と名付けます。

「なにそれ?会話できないと意味ないやん!」って思うかも知れないんですが、リモートワークがメインになり、チャット・グループウェアが発達してた、この1年、日本語のやりとりでもテキストでの"会話"が、かなり増えたのではないでしょうか?実際、ZIZOのディレクターが、フランス在住のエンジニアとSlack+Google翻訳だけでやりとりし、サイトやサービスを立ち上げたこともあります。ちなみにその後、来日したエンジニアは、あれだけ流暢にやりとりしていたディレクターが、ほとんど英会話ができないのにビックリしていました。

ということで、本題。ここから紹介する7つのルールを理解するだけで「かんたん日本語」を操ることができます。Google翻訳にいれて使える英語が自動生成されるので、ちょっと手間はかかるけど、Slack上では英語無双です。まずは1つ目のルールを紹介します。

【ルール1】とにかく文章を短く

まずは例文。仕事のメールなどでWebディレクターが使うやつです。

Before:ふつうの日本語
ドメインの件ですが、毎年1月31日が更新タイミングに設定されており、更新しないで放置すると、この後しばらくしたらドメインが解約され、世界中誰でもこのドメインを取得できるようになります。

 ↓添削

After:かんたん日本語
ドメインの件です。いま、毎年1月31日が更新タイミングに設定されています。もし、更新しないで放置すると、この後しばらくしたら、ドメインが解約されます。すると、世界中誰でもドメインを取得できるようになります。


「ふつうの日本語」のほうが、ゆらゆらしていて、なんとなく丁寧な雰囲気になっている気がします。ドメインが開放されてお前んとこのサイトがいつエロサイトになるかも知らんぞ、という警告なんですがね。

一方「かんたん日本語」のほうは、断言しているかんじ。ちょっとで機械的で不機嫌な印象。しかし、これは日本語ネイティブのみが受ける「印象」でしかありません。ためしに、それぞれをGoogle翻訳にかけてみましょう(2020年11月現在の翻訳)。

・「日本語」を英訳
Regarding the domain, January 31st is set as the renewal timing every year, and if you leave it without renewing, the domain will be canceled after a while and anyone in the world will be able to acquire this domain.
・「かんたん日本語」を英訳
It's about the domain. Now, January 31st is set as the update timing every year. If you leave it without updating, the domain will be canceled after a while. Then anyone in the world will be able to get this domain.


どうでしょうか?なんとなくですが「かんたん日本語」の英訳のほうが理解しやすくないですか?もちろん、いくつか不自然なところもありますが・・・。読点(、)を句点(。)にする。こんな簡単な作業で、翻訳精度が変わります。そんなに変わらんやんって思うかも知れないですが、まだ【ルール1】なので許してください。

この【ルール1】で、もう1つの重要なポイントは文章のつなぎ方です。文章を分けて羅列するだけだと、やはりわかりにくいのです。今回の例文では「いま」「もし」「すると」という、つなぎ言葉を入れました。

再掲載 After:かんたん日本語
ドメインの件です。いま、毎年1月31日が更新タイミングに設定されています。もし、更新しないで放置すると、この後しばらくしたら、ドメインが解約されます。すると、世界中誰でもドメインを取得できるようになります。

これにより、前後のセンテンスの意味が明確になります。そもそも、日本語ってセンテンスのつながりが不明瞭な言語なんですね。書き言葉でも話し言葉でも、文脈や雰囲気で理解しているんです。なので、ネイティブでないと理解できないつながりやニュアンスが結構あります。それをそのまま英語にすると、なんかよくわかんない文章になってしまいます。

話すときも同様、文章をわけるメソッドは使えます。例えば、自分がディレクターだとして、日本語ネイティブじゃないデザイナーさんに何かをお願いするときに、頭のなかで日本語で・・・

頭のなか
「デザイン修正なんですが、2つ方向性を考えてまして、先方に○○と言われたときは△△なんで□□で、●●と言われたときは▲▲になるので■■で、お願いします」

みたいなことを考えてるとします。もし、これを1文の長い英語にするとしたらかなり難しいです(すくなくとも僕には)。「Yeah. OK.」とか返事されたとしても、確実に何かコミュニケーションロスが発生すると考えていいでしょう。「よーわからんけどYes」みたいなのは世界中どこでもあるもんです。

そんな時、極端に以下くらいまで文章を分けると、わかりやすくなります。

例)わけてみた
・デザインの相談です
・修正について、いま2つの方向性がある
・クライアントの要望でどちらかに決めたい

・ケース1は○○とクライアントが望んだとき
・そのときは、□□なデザインにしてほしい
・なぜなら△△だから

・ケース2は●●とクライアントが望んだとき
・そのときは■■なデザインにしてほしい
・なぜなら▲▲だから

1つの文を9つに・・・。でも、これだと、身振りを交えながらの中学生文法だと話せますよね?無理?どう?僕は、それくらいなら話せます。あと「雰囲気・文脈」に頼らないセンテンスにすることで、日本語としても用件がクリアになった気がしませんか?これも「かんたん日本語」で考えることの1つの収穫です。

余談ですが、外国人メンバーが入ってるプロジェクトでも「かんたん日本語」でメッセージを送る時があります。ZIZOの外国出身メンバーの日本語レベルはまちまちですが、かなり理解しています。ていうか、僕からすると大尊敬に値するレベルで勉強・成長しています。ハッキリ言って、彼らは数ヶ国語をあやつるコスモポリタンです!って熱くなりすぎました・・・。「かんたん日本語」で書いて、Slackでメンションを飛ばしたとき、彼らはその日本語が「かんたん」であればそのまま理解できます。さらに細かい単語の意味は、Google翻訳で母国語に翻訳して理解しくれます(英語とは限らない)。そして、当たり前ですが「かんたん日本語」はおなじSlackグループの日本語ネイティブ達も理解できます。こうなると、Google翻訳さえも必要なし。「かんたん日本語」で、ほとんどのコミュニケーションの問題が解決すると考えています。どうです?すごいでしょ!

もしかしたら、これは人口比9:1という絶妙に日本語有利なZIZOの環境に限ったことかも知れないです。あと、ZIZOに英語のネイティブスピーカーはいません。なので、コミュニケーションのツールとして英語を使っているという社内事情もあるかもです。

ただ、それを差し置いても、英語そのものを再学習するより、1/100くらいの労力で使える英語を学習できるとおもいます。確実に近道だし実践的です。単語の意味も日本語わかってたらOKだしね。「かんたん日本語」を使うように気をつけること=日本語の新しい文法を脳にインストールすること、だと言えます。んで、それが通じると結構、気持ちいいです。

ってことで、次回は【ルール2】について書きたいと思います。長い文章でした。ごめんなさい。また。

追記:
「シンプル 日本語 ルール」とかで検索すると「災害時の在日外国人のための簡単な日本語」がメインの検索結果になってしまうので、今回あらためて、ZIZOで僕が実践しているノウハウを公開したいと思ったわけでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?