筒井康隆・ラジオ・饒舌

うちのメンバーが書いたnoteの記事が、賞にセレクトされたらしく、僕も朝の調子のいいときに1日30分、なにか書いてやろうと思って、2日前の月曜から書きはじめた。月曜は英語学習の記事のつづきを30分書いたところでセットしていたタイマーが鳴って打ち止め(未完成)。火曜は朝からお金まわりの交渉事になって気分が殺がれ断念。で、水曜日が今日です。

書くのは苦手なんだけど、読むのは好きで、年に100冊は読む。並行して5冊くらい読むんですがそのうちの1冊はトイレに置いてある。いまトイレでは、筒井康隆の新刊「ジャックポッド」を読んでいる。これがまぁダラダラと書いてるけど面白くてですね、その前のトイレ図書はおなじく筒井康隆の「創作の極意と掟」だったので、エッセイの筒井節みたいなものが、自分にも書けるんじゃないかと思ったりもするんですが、まぁ難しい。

筒井康隆、もしくはツツイスト(筒井ファン)の書く文章はいくつかの特徴を備えている。僕が意識してるのは以下、

1.一人称はひらがなの「おれ」

2. 「わははははははははは」などの謎の叫び声をいれる

3. 語尾に「だ、である」と「です、ます」が混在する。「である」断言しておいて「です」で茶化す。「なのだ!」と自慢しておいて、「なのであります」で卑下する。

このあたりを守ればある程度ですが再現できると思われます。「ジャックポッド」はエッセイのパロディみたいなもんで、さらにそこに、ラジオのパーソナリティーの様な饒舌体の文章で、妄想と現実、過去と現在が入り混じったことを書き散らす内容になっており、最初面食らうがハマると抜けられない。過去の短編でいう「昔はよかったなぁ」とかかな。

このラジオ的な饒舌体は、菊地成孔のラジオ番組「粋な夜電波」の前口上の影響なのではないかと思う。最終回の直前には御大みずからゲスト出演なさって、ラジオ局のアーカイブにもない古いジャズ・歌曲をリクエストなさっていた。てことで「ジャックポッド」は筒井さん本人の渋い声と、菊池さんの軽い声をかわるがわる脳内再生しながら読むというのがおすすめであります。筒井さんは、いい声。

25年前。高校〜大学で、筒井康隆の新潮文庫の赤い背表紙の文庫をほとんど読みきった。この前、本棚の「笑うな」を見たら、ごっつええ感じのシールが貼ってあったので、このあたりが僕のルーツなんだろう。筒井さんを読みはじめたかっけも、いま思い出した。高校の国語の作文の課題でなんか短い話を書いたら「君は筒井康隆好きだろう?」と言われたんだった。その国語の弘先生を尊敬してたので(テストの最後にボーナス問題としてミシェル・フーコーの文章を引用して「この意味を自由に解釈して書いてください」とかやってくる変な先生だった。”病とは排他的他者性である”とかなんとか...)、で、はりきって読んでみたところドハマリしました。そこからフロイト→河合隼雄→ユングと読み進め、筒井さんと同じ同志社大学文学部の心理学専攻に入ったわけで、ある意味、人生を変えたきっかけといえる。そこにダウンタウンのシールが貼ってあったあたりで、僕の人生のだいたいが決まってくる。だいたいのことは10代で決まる。

夢のことに興味を持ち出したのも筒井さんの「夢の木坂分岐点」「パプリカ」あとタイトルが思い出せないが、夢のなかで猫がラインダンスしながら"解の公式"の覚え方を歌う短編が好きだった。どれも饒舌体のシュールなダイアログが素晴らしい。

話は変わって、ラジオといえば、僕はいまのとこ「菊地成孔の粋な夜電波(アーカイブ)」「山下達郎のサンデー・ソングブック」「爆笑問題カーボーイ」「たまむすび(小田嶋さん・町山さん回)」を毎週聴いている。菊地成孔・山下達郎・太田光・町山智浩。タイプは違うがどれも絶妙な饒舌。

実は、おれは菊地成孔さんと1度だけ話したことがあって、京都のメトロってクラブに東京ザヴィヌルバッハってバンドでライブに来てた時なんですが、その数日前に、ちょっとお手伝いしてたバンドがBSかなんかのテレビ番組にでるというので、テレビ出たさにライブ収録にメンバーとして参加したんですね。そのとき対バンがSPANK HAPPY(菊地さんがやってた男女ユニット)だったりしたので、メトロの楽屋付近で演奏終わって休んでる菊池さんに「一昨日の新宿の収録で一緒でした、演奏すごい良かったです」って話たところ「え?なになに?どこが良かった?どこが良かったの?」と血走った目で饒舌に問い詰められ、この人やっぱちょっとぶっ飛んでるなーという思った、懐かしい思い出があります。返事できませんでした。2月に、町山さんとTwitterで揉めてるのは両方のファンとして本当に悲しいことであります。

さっき、朝、駅まで歩きながら爆笑問題カーボーイをradikoで聴いてて「今日は太田のしゃべり調子いいなー、いいぞいいぞ!」って思ったのですが、これはもしかしたら僕の調子がいいのかも知れず(この数日、酒を控えめにしている)、早速、ZIZOのメンバーに連絡し「受け取り側(おれ)の調子がいいのか、発信側(太田)の調子がいいのか判断してくれ」と、お願いした。こういうことをいきなりお願いできるのは、ありがたい。まぁむこうは社長に朝からSlackでメッセージされて迷惑かも知れないですが。

30分経ったので、てにおは・誤字だけ見返して、今日は公開します。わはははははっは。

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