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いつもと違う道

最近意識していることがある。少し遠回りになったとしても、なるべく通ったことのない道を行くようにしているのだ。

初めての街にわざわざ行かなくても、日常生活の中で新しい刺激が脳に入り新鮮な気持ちになれる。知らない道は思った以上に多い。

斜めの道や曲がりくねった道に入ると、行きたい方向に進めなくなることがよくある。知っている道に出てどこにいるのかわかったときには、目指していた方角とは90度ずれているなんてことがよくある。方角がわからなくなったということは認識できていて、道中は子どものときのようななんとも言えない不安な気持ちに少しなるのだが、それが妙に心地よい。狙ったとおりのところに出られたときよりも、思いもよらない道に出てしまうくらいすっかり迷ったときのほうが楽しい。方向音痴にも楽しみ方がある。
そういえば、痴呆がすすみ始めた祖母も、初体験が増えて楽しいと言っていた。つまりそういうことだ。楽しんだもん勝ちだ。では、また。

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