風俗店員物語vol2
前回の記事⬇︎※投げ銭制度付けました※記事自体は全て無料です。
こうして縁もゆかりもない風俗業界に飛び込むことが決定した。
挨拶
社長「とりあえず今日は従業員に挨拶して終わりや。早よ行くぞ。殺すぞボケ。」
雇われた2秒後に暴言を吐かれる従業員は俺くらいだろう。
ここで簡単に今後登場する人物を紹介しておく。
社長 見た目はヤクザ。名の通り社長。
松井(仮名)スキンヘッドの店長 見た目は優しいがスキンヘッドで台無し。恐らくだがこの店は偉くなるとスキンヘッドにしなければならないルールがある。30代
菊池(仮名)メガネのオールバック。このご時世にポマードを使用している。おわおわのおわ。30代
田中(仮名)小太りの男。昔格闘技をしておりすぐ人を殴る。30代
営業が終わり上記の3人に挨拶を済ます。
俺「よろしくお願いします!」
松井「うぃ。よろしく。」
菊池「あいよー。」
田中「喧嘩したくなったら言うでも言ってね。」
俺のやる気を一瞬で削ぎ落としなおかつ暴力を許容する環境なのだと一瞬で理解した。
挨拶も終わりその日の勤務は終わった。締め作業などが終わってからの挨拶だったので2時前だった。
すると社長から
社長「お前、今金あるんけ?」
俺「いや、ないです。あと今日泊まるところもないです。」
社長「わかった。日払いは1日3000円までや。給料は末締めの10日払い。とりあえず今日は店で寝ろ。汚したら殺す。」
殺人鬼という職業があればこいつが適任だなと強く思った。常に殺人衝動に駆られているか口癖になっているかのどちらかだ。しかし口に出してはいけない。空気を読むことが非常に重要だと平手打ちを喰らい理解している。
俺「ありがとうございます。」
社長「明日以降、基本俺は店におらんからな。俺に迷惑かけへんように仕事せえよ。ほなな。」
ここの店は個室タイプの風俗店、いわゆるファッションヘルスだったので問題なく眠りにつくことが出来た。
〜初日〜
ドンドンドン!!ドアがノックされる。
俺「はい。」
松井「おはよう。仕事しよっかー。」
時刻は午後15時だった。この店のオープンは午前10時からだったのでオープンから働かされなくてよかったと心底思った。
松井「今日は仕事教えていくねー。僕は2回までは同じこと聞いてくれていいけど3回目になるとキレるよー。死ぬ気で仕事覚えてねー。」
仕事覚えるよりキレられる方が早そうだな。そう思い初日の勤務が始まった。
仕事は大きく分けて3つあった。
①各部屋の清掃(ホール業務)
②客の対応(ホール業務)
③フロントと呼ばれるホールに指示を出す仕事(フロント業務)
松井「初めはホールからだねー。掃除が出来ない奴はカスだからきちんとやってねー。出来ないと射殺するよー。」
会話に暴言を付けないと死んでしまう病気にかかっているのか?と思うほどスタッフ間では罵詈雑言が飛び交う。
しかし驚くことに客と女の子には有り得ないほど丁寧なのだ。当たり前といば当たり前だが二重人格を疑うほど丁寧なので自分もいずれああなるのかと思うと鳥肌が立った。
高級な風俗店に行ったことがある人は分かると思うが②の客の対応が恐ろしいほど丁寧なのだ。
この店は不幸なことに高級店と呼ばれる部類だった。
この店の接客手順は
⑴予約があるかどうか
⑵予約がないなら女の子のパネルを出し女の子を決める
⑶客の飲み物を聞く
⑴と⑵に関してはどこもやっているはずたが⑶に関しては客が飲み物を選ぶという店は少ない。セルフサービスにしているかお茶を店側から提供する店がほとんどである。
この店のドリンクは18種類ある。そして作り方も事細かに決められている。
松井「じゃあまずはドリンク作ろうかー。とりあえず今オーダー入ってるドリンク作ってー。」
オーダーはトマトジュースだった。俺は後ろの冷蔵庫からトマトジュースを取り出しコップに注ぎ客に提供した。至って普通の行動である。
俺「提供終わりました。」
松井「おい、お前作り方読んだのか?」
正直に言うとトマトジュースなど読まずにいけるだろとタカをくくって提供した。
松井「トマトジュースはね、塩とタバスコを付けないといけないの。すぐに持って行って。初めはきちんと何事も学ぶ姿勢を持とうね。誰でも出来る仕事だからこそ、きちんとやらないといけないよ。」
俺はどこかで風俗店員はだらしない奴のやる仕事だと思っていたのだろう。店長は店長たる理由があるのだなと強く感じた。暴言を吐くだけのペッパー君ではないのだ。
ちゃんとやろう。初めから。みんなから認められるような接客と業務をしよう。
そう思い、初日の勤務は始まった。
次回 激闘!?〜清掃編〜
※投げ銭制度付けました※
ツイッターもやってます。
更新の通知は基本的にツイッターで行なっておりますので良ければフォローやリツイートよろしくお願いします。
いいねして頂けるだけでもとても嬉しいです。
ここから先は
¥ 100
この記事が参加している募集
サポートはしてくれたらめっちゃ嬉しいです笑 もしこいつ成り上がるやろな〜応援したろ思ったらお願いします😆