「日本で最も美しい村」静岡県川根本町と大井川の旅
川旅案内人です。
全国的に梅雨まっただ中。真夏日猛暑日が続きます。涼を求めてお出かけしたくなります。
そこで今回は静岡県の中央部、川根本町と町内を流れる大井川水系本流の大井川をめぐる旅をご紹介します。
大井川
大井川は、静岡県の中央部を南北に流れて駿河湾に注ぐ一級河川です。静岡県、長野県、山梨県の３県境の間ノ岳（標高3,189m）を水源として、源流部は本州で唯一の原生自然環境保全地域となっています。途中、川根本町で寸又川が合流します。
下流域周辺には、島田宿大井川川越遺跡や蓬莱橋などの貴重な史跡が存在します。
寸又川
寸又川は、川根本町を流れる、大井川支流です。寸又峡があり、大間ダムによるダム湖に夢の吊り橋が架かります。
川根本町
静岡県榛原郡川根本町は、静岡県のほぼ中央に位置します。「水と森の番人が創る癒しの里」をキャッチフレーズにしていて、町の約94％を森林が占めています。
大井川が南アルプスを源として町の中央をゆったりと流れています。大井川の源流部は本州で唯一の原生自然環境保全地域となっています。
川根本町は、2014年6月に登録された、３県10市町村からなる「南アルプスユネスコエコパーク」に、町全体が登録されています。（ちなみに、「ユネスコエコパーク」は日本国内で親しみをもってもらうためにつけられた通称で、海外では「BR:BiosphereReserves（生物圏保存地域）」と呼ばれています。）
ユネスコエコパーク（生物圏保存地域）は、生物多様性の保護を目的に、ユネスコ人間と生物圏（MAB）計画（1971年に開始した、自然及び天然資源の持続可能な利用と保護に関する科学的研究を行う政府間共同事業）の一環として1976年に開始されました。
また、大井川の代名詞ともいえるのが、大井川鉄道。島田市金谷から川根本町を抜けて静岡市井川地区の区間の大井川沿いを、SL や日本で唯一のアプト式鉄道が運行します。四季折々の彩りを楽しめる渓谷の山間には、日本三大銘茶の一つである川根茶の茶園風景が広がっています。
「日本で最も美しい村」連合
大井川が町内を流れる川根本町は、「日本で最も美しい村」連合に加盟しています。
世界農業遺産として認定された伝統農法である「静岡の茶草場（ちゃぐさば）農法」が作り出す銘茶川根茶の茶園が大井川沿いに広がります。高地に存する「天空の茶園」など、多様な茶畑の景観が広がります。
徳山地区の「徳山の盆踊」は、毎年８月 15 日に浅間神社の例祭にあわせて奉納されます。1987年12月に国の重要無形民俗文化財に登録されています。
にほんの里百選
大井川が町内を流れる川根本町は、にほんの里百選に選ばれています。
にほんの里百選とは、朝日新聞社と（公財）森林文化協会が主催で、人の営みが育んだすこやかで美しい里を全国から100カ所選んだものです。
川根本町は町の約94％を森林が占めています。国際機関FSC（ForestStewardship Council ー 森林管理協議会）が、2008年に「適正な森林管理」が行われていると認めて、約1466haを「FSC森林認証」を取得しました。
接岨峡温泉
接岨峡（せっそきょう）温泉は、川根本町にある大井川沿いの温泉です。大井川鐵道の秘境駅の中でもたいへん有名な奥大井湖上駅の近くにあります。泉質は炭酸水素塩泉です。日帰り温泉が楽しめる施設もあります。
寸又峡温泉
寸又峡温泉は、川根本町にある温泉です。大井川の支流寸又川から山間に入った温泉街です。寸又川にかかる吊り橋散策の拠点に最適です。泉質はアルカリ性単純硫黄泉で、肌の不要な角質を溶かすので、湯上がり後の肌はツルツルすべすべになります。「美女づくりの湯」としても親しまれています。
大井川・寸又川にかかる吊り橋
静岡県川根本町は、知る人ぞ知る、“吊橋の名所”です。全国的に有名な「夢の吊橋」をはじめとして、大井川とその支流には、数多くの吊橋が架けられています。
塩郷の吊橋
塩郷の吊橋は、正式名称を「久野脇橋」と言い、川根本町にある大井川に架かる吊り橋です。大井川に架かる吊り橋の中では最長です。時間によっては、大井川鐡道のＳＬが吊り橋の下ギリギリを通過する様子が眺められます。
新東名島田金谷インターチェンジに近く、アクセスしやすいこともあり、たいへん人気なポイントです。
大井川だけでなく、県道77号線・大井川鐡道、そして民家の上を歩くという珍しい体験もできます。
両国吊橋
両国吊橋は、川根本町にある大井川に架かる吊り橋です。大井川鐵道南アルプスあぷとライン川根両国駅の北側にあります。運が良いと、吊り橋の上から、大井川沿いを走るアプト式列車を眺めることができます。
夢の吊り橋
夢の吊り橋は、川根本町にある大井川支流寸又川に架かる吊り橋です。大間ダムによるダム湖に架かっています。
「チンダル現象」と呼ばれる自然の作用で、水が青色に見えます。
寸又峡温泉街から歩いて３０分ほど。大間川にかかる飛龍橋も含む周遊コースもあります。
まとめ
静岡県の中央を流れる大井川の旅。川沿いを大井川鐵道のSLやアプト式列車が走り、車窓からは銘茶川根茶の茶畑を臨むことができます。支流寸又川には寸又温泉街があり、吊り橋「夢の架け橋」への散策も楽しめます。新緑や紅葉と、季節を問わずに楽しめる、大井川と川根本町への旅、おすすめです。
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