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ロシア観光ビザを上海で個人申請してみたらマジで大変だった (前編・準備は楽しい)

これは3年前の話。いまでも参考になるのかわからないため、読み物として読んでいただければ幸いです。

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2017年の年末。年越しを日本で過ごそうと思ってチケットサイトをぽちぽちしていて、なにげなくアエロフロートのキャンペーンページをみたらロシア行きのフライトが激安で出ていた。日本に行くよりぜんぜん安いではないか。

そうだ モスクワ、行こう。

高額なビザ代行

ロシアは、日本パスポートでもビザなしで入れない国のひとつである。日本では代行業者に頼んで取得するのがお手軽らしい。費用も6000円くらいで収まるようだ。

Cトリップにも中国人旅行者向け代理店がたくさん出ているのでさっそくチャットしてみる。

か:你好。ビザ代行いくらですか?
代:ひとり800元(13,000円)です
か:けっこう高いですね。何日でできますか?
代:4~5日です。戸籍はどこの都市ですか?
か:我是日本人です
代:えっ日本人?ちょっと待って
  (5分後)
代:日本人はひとり2000元(32000円)です

高っけ!しかも「外国人は」ではなく「日本人は」というところが微妙に気になる。ふっかけているのではないか。
他の代理店も「外国人不可以」か、超高いかのどちらかだった。これではせっかくフライトが安い意味がない。おまけに家族も、クソ寒いときにクソ寒いところに行くとかバカなの?とまったく乗り気ではない。これは始まる前から終了フラグか。

しかし、モスクワ…
いちど行ってみたかったんです。理由はいろいろあるけれど、社会主義っぽくて、うすら寂しい街になぜか心を惹かれる(行ったことないけど)。

意味不明な理由でメソメソする自分に同情、というかウンザリした家族が渋々同意した。メソメソ作戦は有効のようだ。ただし費用は最低限でという条件付きである。

ということで、個人申請にチャレンジしてみることに。

電子申請は簡単

多くの方が申請方法をアップしてくれている(しかもとてもわかりやすい)ので、電子申請まではらくらくとクリアすることができた。みなさん本当にありがとうございます。

いかにも旧東側らしいルールであるが、フライトやホテルの予約を先に完了させておかないとビザの申請すらできないのがポイントである。特にフライトは激安だけあって即決のキャンセル変更一切不可であり、少し不安はあったけど、えいやーと買ってみた。

ロシア領事館にも行ける!

ウキウキと電子申請を進めていたのにはもうひとつわけがある。ロシア領事館だ。

外白渡橋のたもとに佇む白亜の館。1924年建立と、上海外灘老建築群の中でも初期の部類に属する。思い起こせば20年前、初めて来た上海で宿泊した浦江飯店の向かいがこの建物だった。門は固く冷たく閉ざされており、直立不動な警備員の刺すような視線が印象的だった。これまでも何度となく前を通ったけれども、門が空いているのはいちども見たことがなく、神秘的な存在感を放っている。

今回ついに、正々堂々と入館する理由ができたのである。老房子ファンにとってこれ以上のイベントがあろうか。ふふふ… あわよくば写真など撮ってやろうか、などと野望はふくらむ。

*

電子申請書をプリントアウトし、写真を貼りつけ、トントンと角をそろえてクリアファイルに入れた。あとは領事館に出すだけで完了!


と、思っていた。自分はまことに甘かったと言わざるをえない。

ロシア+中国という悪魔合体による手続き地獄を味わうのはここからだったのである。


つづく














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