桜井の魅力を発掘!カワタテックツアー ~吉備池廃寺~
皆さんこんにちは。
カワタテック採用担当です💐
「桜井の魅力を発掘!」と題打ちましたこの企画・・・
カワタテックの魅力はもちろんなんですが、カワタテックが位置する「奈良県桜井市」の魅力も是非知っていただきたい!!
ということで、今回はいつもとはちょっと違う角度からお話していきたいと思います。カワタテックの「中」ではなく「下」に迫っていきますよ~!
はじめに
さて、このタイトルをご覧になった皆さんは、お寺とカワタテックに一体なんの関係が??と思われたことでしょう。
というのも、カワタテックが位置する桜井市は、今でもたくさんの遺跡が残っていて、かつて多くの天皇の宮が築かれた場所でもあるんです🌸
中でもカワタテック周辺は、古くは「磐余(いわれ)」と呼ばれていました。
そこで今回は、桜井市立埋蔵文化財センターの丹羽さんにご協力いただきまして、カワタテックのすぐ側の「吉備池廃寺」についてご案内していきたいと思います!
「吉備池廃寺」とは
この「吉備池廃寺」とは、桜井市吉備にある寺院跡になります。
地図で見るとカワタテックのすぐ北側ですね📍
1996年から発掘調査がはじめられ、その結果、7世紀の巨大な寺院跡であることが明らかになりました。
さて、この発掘調査では、まず巨大な金堂の基壇が見つかりました。金堂とは、お寺の中心的な建物のことです。
見つかった基壇の大きさは、東西37m、南北25m、高さ2m以上。藤原京の官寺である本薬師寺に比べても1.7倍の面積です。
つまり、それだけ大きな金堂が建てられていたということ!
さらに、金堂跡の西方では、塔の基壇も発見されました。
その大きさは、一辺32m、高さ2.8m。こちらも当時の寺院の4~7倍と、かなり突出した大きさです。
奈良時代の東大寺七重塔よりも大きく、また、文武天皇の時代に建立された大官大寺に並び立つ規模であることから、この塔は九重塔であったと考えられています。高さは、推定なんと80~90m!
以上から、吉備池廃寺には、飛鳥時代としては並はずれた規模の金堂と塔が建っていたということがわかりました。さらに調査では、金堂や塔のみならず、お寺全体もきわめて大規模であったことがわかっています。
蘇我倉山田石川麻呂の山田寺や、阿倍氏の安倍寺といった豪族の氏寺はもちろん、のちの官寺である本薬師寺よりも、はるかに大きな規模の寺院だったのです。
「吉備池廃寺」=「百済大寺」・・・?
「百済大寺」とは、『日本書紀』と『大安寺伽藍縁起并流記資財帳』において、ともに舒明11年(639)の創立と記されている、舒明天皇発願による日本最初の勅願寺です。
つまり、わが国初の国立寺院ということですね!
しかしながらこの百済大寺、文献上では存在が確認されていたものの、その所在は定かになっていませんでした。
ところが、先述の調査結果により、なんと「吉備池廃寺」=「百済大寺」の可能性が指摘されることとなります。
それは、文献に見られる百済大寺の記述と吉備池廃寺の特徴が一致すること、そして九重塔やお寺の規模からも、吉備池廃寺は、単なる一豪族の氏寺ではなく、天皇家が関わった寺院だったのではないかと考えられるからです。
以上より、今ではこの「吉備池廃寺」が、これまで所在が確定しなかった幻の「百済大寺」として有力視されています。
「吉備池廃寺」とカワタテック
さて、カワタテックには、残念ながら塔はないのですが、現在全部で4つの工場があります。
その中でも、第4工場は2015年に、新たに増築された工場です。
カワタテックでは、この第4工場の新設にあたって、吉備池廃寺に関する発掘調査が行われることになりました。
発掘調査が行われたのは、赤色と青色の位置になります。
そしてこちらが、なんと出土した軒丸瓦と軒平瓦です!これらは、別の場所に移建された際に遺棄された瓦だと考えられるそうです。
この瓦、模様が付いているのがお分かりいただけるでしょうか。
実はこの模様、聖徳太子が関わった斑鳩寺や四天王寺の瓦と同范であることから、当時の吉備池廃寺の位置づけをうかがい知るヒントにもなるんです。
カワタテックの「下」にこんなものが何百年も眠っていたなんて、驚きですね・・・!
おわりに
吉備池廃寺は、これら一連の発掘調査成果をうけ、2002年3月に国の史跡に指定されました。
かなりざっくりとした説明になってしまいましたので、もっと詳しく知りたいという方は、桜井市立埋蔵文化財センターや参考サイトを訪れてみてくださいね。
ちなみに私も、この機会に、桜井市立埋蔵文化財センターの展示にお邪魔してきました!展示では、桜井市内から出土した資料を見ることができます。
土器や埴輪、ガラス玉、お面などなど見ごたえたっぷりで、人は何百年も前から、いろんな工夫をして、技術を磨いてものづくりをしてきたんだなとジ~ンとしてしまいました😳
皆さんも機会があれば、是非足を運んでみてください!
参考
奈良文化財研究所2003『吉備池廃寺発掘調査報告 ―百済大寺跡の調査―』
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