「三体」(文庫版)読了

お久しぶりです。実は1~2週間前には読了していたのですが、仕事が忙しく書き留める気力がなかったので今に至ります。いつも通り、感想とは言えない自分用の内容まとめです。

さて、今回読んだのは世界的名作SFの「三体」の1作目です。私は基本文庫派なので、日本に上陸した2019年から文庫化されることを心待ちにしておりました。読みたいなら大きいハードカバーでも買えよと言われてしまいそうですが、そこは許してほしいです。

つまり何が言いたいかというと、念願の一冊なわけです。待望の一冊は、中国の文化大革命の中で人の死を目の当たりにする展開からスタートしました。科学は、思想に勝つことができる。しかし、思想を変化させることはできない。だから、弾圧されてしまった。

時が進んだ未来では、結局のところ科学技術が発展していました。主人公は、ナノマテリアルの研究をしている学者です。研究の日々の中、名前を知っている研究者が突然に死を迎える不可解な現象が発生しました。当の主人公にも、視界にカウントダウンが見えるようになり、かなりの精神的苦痛を経験していきます。

ここでほかの研究者から進められるのが、ゲーム「三体」です。架空の世界と思われる三体世界に存在する3つの太陽の運動アルゴリズムを求めることで、気候変動を察知し生き残ることがゲームの目的。三体世界において、三体人類は脱水することで干からびて生き残るすべを持っているが、それが間に合わなかった場合は抵抗することもできずに死に至ります。

三体世界では、気候が安定している時期と脱水しないと生き残れない時期の2種類の時期があり、その予測がゲームの攻略のカギとなっていました。そのため、プレイヤーは人間をつかったコンピュータや、三対問題へのアプローチを考えるようになります。

ある時、ある程度のゲーム進捗があったプレイヤーがオフ会に集められました。そこで、「三体協会」なる団体の存在が明らかになり、そして三体世界が実在することも判明します。三体世界では、地球の科学技術の何段階も上の技術をもっており、遠く離れた人間の網膜に無意味なカウントダウンを見せることさえ容易であったのです。

中国(地球)では、かつて未知なる宇宙文明へのメッセージ発信および受信を試みられていました。今は計画が頓挫しているが、なんと当時三体世界との交信が実現できていたのであります。

三体協会の総帥からは三体世界へ、地球はもう自らの力では立ち直ることができません。そのため、別文明の介入が必要である旨を伝えていました。しかし、三体世界としては、地球文明のその恐ろしき成長速度を恐れていたのです。今地球文明の発展を遅らせなければ、三体世界への影響がでる。そこで、地球の優れた科学技術研究者に遥か高い文明レベルからの干渉を行い、精神的に研究できないように、生きられないようにしたのです。そして、地球としては遠い未来、しかし決して遠くない未来に地球へと攻めるため、三体世界は動き始めました。

地球は、三体世界からの思想を受けて、その科学技術の歩みを止めてしまうのでしょうか。否、相手は三体世界、文明のレベルは段違いであれど、実態をもった相手であることが明らかになりました。ここから、地球文明を守るための新たな壮絶な戦いが始まるのです。

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