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【日記】「ときめきの塊」みたいなお洋服

 
 パフスリーブで、ほんのりグリーンがかった淡いブルーで、お花のジャガードで、さらにさらに背中にリボンもついてるむちゃんこに可愛いお洋服を、えいやっと(それはもう清水飛び降り価格)買ってしまった。3日前に届いた。かわいい。まじでかわいい!
 それはそれはもう、胸がときめいて仕方がない洋服だった。こんなに猛烈に「かわいいいい!!!」と思ったの、ひさしぶりだ。どこに着ていく予定もないのに。生地が繊細で、汚したら一発アウトみたいなやつで、Tシャツとデニムばかり着ている最近の私には、かなりハードルの高い服なのだが、なんか、こんなにもときめくブラウスを「着ない」選択をしたら、今後ずっと、ときめく洋服を買う自分を許せなくなるような気がしてさ、買っちゃったよ。
 それは、ビームスのオンラインストアで見つけたセレクトアイテムだった。ひと目見た瞬間、「かっ、かわっ……」と放心状態になった。が、とてもじゃないが、簡単に買える金額ではない。いろいろ貯金しないといけないしなあ、とか、これ買うんだったらもっと他の、とかうじうじ一ヶ月くらい悩み続けていたら、なんとなんと、気がつけばビームスのサイトには、「ソールド・アウト」の文字が。いやあああ!
 いつもならこういうとき、「まあ、買わなくてよかったってことだよ」と、その選択の責任を神様になすりつけ、気持ちを納得させるのだが、今回ばかりは、「これでよかったんだよ」という言葉は、いつまでたっても胸の中に降りてこなかった。
 やっぱりほしい。めっちゃほしい!!!
 ほんで、未練がましくネットサーチを続けた結果、ビームスのセレクト先であるブランドの海外サイトを見つけ、運よく日本への国際便もあるということが判明し、結局ポチってしまったのだった。

 というわけで今、そのボリュームたっぷりの、ブルーのブラウスは、私の部屋の、ハンガーラックにかかっている。ふりむくとすぐそこに、ふわんとしたパフスリーブの丸みと、きらきらの糸で刺繍されたお花の模様が見える。はあ。幸せだ!
 あれを着てどこに行こうとか、あの服を綺麗に着るために運動しようとか、まだ一回も着て出かけていないのに、頭の中はときめく計画で埋め尽くされる。
 このごろ考えることがいっぱいあって、うまくいくのかなと不安なこともたくさんあって、体全体がそわそわしていたのだが、ふと振り返ったとき、そこに、「ときめきの塊」みたいなお洋服がででんと鎮座していると、なんというか、それだけで気持ちがほっと安らぐのだった。「この洋服を着て楽しそうにしている、未来の自分」が、私をむかえにきてくれた感じがする。





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