就活視点での四季報分析~シェアについて~


今日はトップシェア企業について

トップシェア企業って良いと思いますか?

戦略的には究極に良い

事業とはつまるところ売上でも利益でもなく、シェア争いだからだ。一度固定化されたシェアは26%を超えるとほぼひっくりかえされない。40%を超えたら競合他社にとっては絶望的だ。

だから、企業の究極の事業目標(目的ではない)はトップシェアを取ることだ
だから、トップシェアの企業は就職ランキングでも人気になる。

だが、就職先としてトップシェア企業が良いのかと言うとちょっと話が変ってくる。四季報をちょっと読める人ならすぐに気が付くと思うが、トップシェア企業は成長性が低い傾向にある。これは当然だ。なぜならシェアが高いということはそれ以上の成長は望めないという意味に言い換えることができるからだ。

これは現在この会社に所属している幹部にとっては良いことかもしれない。よほどのことがなければシェアをひっくり返されない、安定した事業構造ということは今の地位や立場は安定しているということだからだ

だが、これがこれから入社してくる新卒社員にとっても良いことかというと話が変ってくる。だって安定=成長がないということは新卒社員は会社の成長によりポジションが上がる可能性が基本的にはないということだからだ。あとはベテランの引退によるポストが空くのを待つしかない。若いうちのチャレンジと成果と昇進は望めないということになる。

もちろん安定は折り紙付きだ。なにせトップシェアの安定は強固だ(ただし絶対安定は40%以上)。

逆にシェアが低い会社というのは成長余地があるということだ。もちろん戦略がなく単にシェアが低いだけならダメだが、市場の隙間を狙い、勝てるポジションをとってシェアを拡大している会社は確実に存在している。株価が毎年うなぎ上りしている10バガーと言われる株銘柄が出るのが何よりの証拠だ

就職先としてトップシェアが良いかどうかは就職に何を求めるかによる

安定志向であればトップシェア企業が良い。特にまだ日本は女性の出産、子育ての負担が諸外国に比べ圧倒的に負担が重い。福利厚生がしっかりし、産休育休が充実した大企業を選ぶ選択は十分に合理的だと思う。

重要なのは自分のおかれている現状を踏まえてどのような人生を歩みたいのかという視点で選択することだと思う。とはいえ、ちょっと違ったなと思ったり考えが変ったら気軽に転職すればよいのだ。気軽にそこは考えて欲しい。しくじり社長の私が保証する

最後に投資先としてはどうか。就職の視点と同様である。成長がないということは原則として株価も上がらない。

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