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魔法の5文字
こんにちは、note編集部の小田桐です。
今日は、少し前にあった出来事を書いてみます。
その時は、チームメンバーが帽子刺繍で配色間違いをしてしまい、帽子の「ほごし」をしていました。
※「ほごし」というのは、刺繍をほどくという意味です。
糸を丁寧にほどいて、元の状態(刺繍がない状態)にすることです。
「ほごし」という作業は、裏方のお仕事です。
生産に直接関わらないし、利益が出るような作業ではありません。
ただ、仲間を助ける作業ではあります。
不具合があった場合にほごしをして、また新しい刺繍を入れます。
何とか無事にほごし終わり、営業さんに帽子を渡し、私は別の作業に移りました。
しばらくすると1人のオペレーターさんが、私のところへやってきました。
「小田桐さん、ありがとうございます」
私は、何のことかわからず、思わず「えっ?」と振り向きました。
「ほごし、ありがとうございました」
「いえいえ」
私が慌てて答えるとオペレーターさんは、ペコリとお辞儀をして自分の持ち場へと戻っていきました。
このオペレーターさんは、わざわざ私のところへお礼を言いに来てくれたのです。
私はとても嬉しい気持ちになりました。
オペレーターさんは自分の持つミシンがあり、時間で生産をしています。
なので、持ち場を離れることが難しいです。
持ち場を離れられないオペレーターさんが、わざわざお礼を言いに来てくれたという事がとても嬉しかったです。
しかも、「すみません」ではなく「ありがとう」と言ってくれた事が、私の心を暖かくしてくれました。
日本人は特に「ありがとう」の意味で「すみません」を使います。
しかし、「すみません」は謝る時の言葉でもあります。
つい、大人になると感謝の気持ちを「すみません」と表す瞬間が多くなっていきます。
これは多分、「すみません」が間違えがない言葉だからです。
失礼があってはいけない相手、上司との会話、営業先、様々な人とつきあう中で、謝罪しながら感謝を述べられる「すみません」はとても便利だからです。
でも、そこで「ありがとう」を使うことで、いつもより想いを相手に伝えることができます。
さらに、自分自身も負い目だけじゃなく、感謝の気持ちで溢れるようになります。「ありがとう」は心を軽くする魔法の5文字です。
私の子供たちは当たり前に「ありがとう」と言ってくれますが、仕事では「ありがとう」よりも「すみません」の方がよく聞こえる気がします。
仕事で同僚と接する時・家族と話す時に意識して「ありがとう」を使ってみてください。
たった一言で変わることがあるかもしれないと感じる出来事でした。
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