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小説の書き方講座⑤【イメージ化】読者に想像を促す文章


おっす!こんにちは!

千夜特急という旅小説を書いた川島です!


この講座では、僕が勝手に、小説についてのコツみたいなものを言語化していくことにしているよ。
どういう考え方なのかなって人は、まとめてあるからマガジンの小説講座をのぞいてみて!

あと、①から読んでみたいって人は、こちらからどうぞ!

【イメージ化】とは?


では、さっそく今日のテーマである【イメージ化】について話していこうと思う。

まず、イメージ化とは、

文字からその絵を想像する力。

とでも言っておこうかな。

小説を読んだことがある人はわかると思うんだけど、

綺麗な文章で頭にイメージがわきやすい小説と、

言ってることはわかるんだけど、なんか絵が浮かばない小説

どちらも読んだことがあると思う。

そして、げーじゅつというのは、すーこーなにんげんのみにゆるされているようで、えがうかばないしょうせつは、ぶんがくてきにはひょうかがたかいこともおおいきがする。

少なくとも、すーこーなぶんがくとやらは僕にはよくわからない。

ただ言いたいことがあるとすれば、

その文章表現ってイメージしづらくないか?(東大医学部頭悪くないかおじさん口調)

ということだ。

だって普段小説を読む大半の人たちが、そもそも文学的表現の文字の羅列を追いかけたいという人よりは、

自分の知らない世界に文字というツールを使って閉じ込めてくれる。
そこで間接的な世界体験ができる。

そこにこそ、小説や物語の意味ってあると思うんだ。

だからこそ、読み手のことを考えた場合、

どこまで行ってもイメージがしやすいかどうかが、重要になると思うんだ。



【イメージ化の技法】


さぁ、しかし、ここで出てくる問題とは、

イメージ化できる文章をただ読めば、イメージ化しやすい文章を書けるわけではない。

ということだ。

もちろんすべてが無駄なわけではないが、

直結しているかと言えばかなり怪しい。

外国語を勉強したことがある人ならわかるかもしれないが、

リスリングやリーディングができてきたからと言って、スピーキングとライティングが同じようには成長しない。


さぁ、では何をすればイメージ化しやすい文章。

読み手にイメージさせやすい文章を書くことができるかということになる。

そこで重要なのが、

小説講座④で説明した飛び石や③で話したコマワリの幅を

固定することになる。

この幅の固定というのが、最初はなかなか難しい。


読みやすい文章は、基本的にこの幅の固定がされている

まぁ、この説明文だけでは難しいだろうから、実際の文章を見てみよう。



 チャイナタウンの最寄り駅で、ブルーモスク行きのバスを探す。屋外には日差しと雨を遮るように屋根があり、完璧な天候対策が伺える。道路を挟んだ向かい側を見ると、インド系のレストランがあり、中国系以外にもインド系の人々が道を歩いていた。
 その多くは男性だが、時たまヒジャブをかぶる女性も目に入る。僕はバスの来る場所に着くと、その近くにある椅子に腰をかけた。するとヒジャブをかぶった女の子が走ってきて、僕の隣に静かに座った。
彼女はこちらを見ると照れくさそうに笑い、お母さんは向こうから遅れて歩いてくる。そして女の子の隣に腰をかけると、ほっとしたように一息吐いた。

千夜特急①マレーシア編 ブルーモスクでの告白より


チャイナタウンの最寄り駅で、ブルーモスク行きのバスを探す。屋外には日差しと雨を遮るように屋根があり、完璧な天候対策が伺える。道路を挟んだ向かい側を見ると、インド系のレストランがあり、中国系以外にもインド系の人々が道を歩いていた。

これは前半で話をした地の文。
3~4行ほどで、世界観を構築する。
と言っていたやつだね。

まずこれをイメージして次に進んでみてね。

忘れちゃった人は少し見てきた方がいいかもしれないね。


そして、


【コマ①】
僕はバスの来る場所に着くと、その近くにある椅子に腰をかけた。

自分が座ったシーン。この場合、上の地の文、チャイナタウンの駅の近くでバス停に座ったことになる。
ここで読者がイメージできる材料は、最初に書いた地の文がもとになっている。

つまり、ガヤガヤとした人が通る場所で、インド系の人、中華系の人、マレー系の人が歩いている景色を読者がもつ知識や経験から想像するようになってるはずだよね。



【コマ②】
するとヒジャブをかぶった女の子が走ってきて、僕の隣に静かに座った。


さぁ、自分が描いていた世界の中で、ヒジャブをかぶっているマレーシアの女の子が走ってきた。
このとき視点は街の景観から隣の女の子へと移動している。

この視界の移動幅は、首を横に向けた程度になる。


さぁ、その女の子で視界が固定されたまま、話は進むよ。


【コマ③】
彼女はこちらを見ると照れくさそうに笑い、

その女の子で視点を固定したときの反応を描いていて、
次の文章を見ると


コマ④
お母さんは向こうから遅れて歩いてくる。

ここでは視界ではなく、視点が変わる。
視界の中に映りこむといったようなものだ。

そしてお母さんが歩いてきている光景から文章は続き、


【コマ④】
そして女の子の隣に腰をかけると、ほっとしたように一息吐いた。


ここも視界は動いておらず、視点が女の子からお母さんへと移動している。


つまり書くためのイメージ化で重要なことは


視界の移動幅と視点の移動幅、視点の絞り込み幅、を大きくずらさない。ということ。


この視界が大きく飛びすぎたり、視点を急に絞り込みすぎてしまうと、普段の人間の行動と違うことから、読者が想像する際に違和感として認識されてしまう。


これができるためには、まず自分の脳内に世界が見えなければ難しい

頭で考えたことを文字にすると、

どうしても説明っぽくなり、以前にも言ったように文字で世界を描くことではなくなってしまう。

だから小説をうまく書けるようになるには、やっぱり自分の脳内に、世界をイメージ化して、それを文章化することが必須になるってことなんだよね。


もしこの文章を読んでふむふむと思ってもらえたら、

僕が書いた旅小説を読んでみてもいいかもね。全部で6巻あるんだけど、

現在1巻を無料公開中だからさ!

そして講座の内容を意識して読むと、見え方が変わることもあるだろうし。

なかなか小説の書き方を自分の小説で説明する人も少なそうだしね笑

無料の1巻はこちらから

宗教二世として生まれた僕が、世界を歩いたノンフィクション旅小説。

1巻読んで面白かったら、続きの全巻を読んでみてくれたらさらに嬉しい笑



次の小説講座は何にしようかな。

自分の脳内にイメージ化をおこす方法について書いてみようかな。

ではでは!しーゆーねくすとたいむ!


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