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サービス紹介⑦ 出願前調査にプラスα 誰がための出願なるや?

知的財産部門の果たすべき役割が変容を求められているという昨今ですが、まずは、出願を「精査」することで、コストセンターから、収益源として認知させるという、遠回しな方法に着眼してみるのはどうでしょうか。出願前調査に「少し」作業を加えるという話です。

川瀬知的財産情報サービスは、出願はビジネスのためにあると考えています。Parintek Innovationsの代表らと話をしていても、特に彼らと見解の相違はないので、英語圏では一般的な考え方のようではあります。

一方、「出願」はしているのに、コストセンターとして批判される「知的財産部」もあります。どこで何を変えればよいのか?その一つが、「方向性を持った特許出願方針を持つ」という姿勢にあると思われます。これは自社の事業に関係する特許でも重要ですが、特にライセンスを考慮するときに重要となる観点です

例えば、洗剤を製造している会社が、洗剤には使えない材料を開発したときに、出願するかどうか・・・。頭を悩ませるテーマです。検討するフレームワークは、①その出願は特許性があるか(新規性、進歩性を満たすか)、②登録して権利とすることで自社に役立つか、③登録して権利として他社に役立つか(ライセンスすることは検討できるか)という観点だとわかっていても、その先に進めないのが実態ではないでしょうか。

③について、「ライセンス候補はわからない」のだと決めてかかっている知的財産部の方も多いのではないでしょうか。実は、それは奇妙な話で、出願前調査の結果から、ライセンスの候補がありそうか、ということまで、検討することが可能です。

先行文献を調べているうちに、当該技術を実施している主体は権利者情報から一定の示唆を得られます。川瀬知的財産情報サービスは、Parintek Innovationsと共同し、こうした情報を出願前調査の報告に含めることも行っております。

用途にしても、先行文献を調べているうちに、思わぬ用途に出会うこともあります。それがメモにあるか、ないか、だけでも、後に特許の棚卸を行う際などに十分役に立つことでしょう。

知的財産は、特殊な財産です。少なくとも、自然権ではない。制度の上に作られた財産です。

使い方には、①自社の事業を守る、②他社をけん制する、③クロスライセンスなどで係争を予防する、あるいは、④積極的にライセンスを検討する、などが主な使い方です。

④のライセンスについては、様々なノウハウが必要です。上に挙げた出願の時点からライセンス候補を記録しておく、というのも、一つの方法です。ぜひ、ご参考になさってください。

私はR&D出身ではありませんので、想像になりますが、せっかく生まれた技術は、他社に使ってもらうことを通じて社会に貢献してもらう方が、開発した技術者としても喜ばしいのではないでしょうか。

2021年1月5日

川瀬健人


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