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銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE

2016年から活動しているセルパブSF雑誌『銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE』のnote版です。
明るく楽しく激しい、セルフパブリッシング・エンターテインメント・SFマガジン。気鋭の作家が集まって… もっと詳しく
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2020年10月の記事一覧

アンフォールドザワールド・アンリミテッド 2

2 放課後の放送室には、私、ほのか、ちかこ、イチゴ、フータがいた。ちかこは狭い長机の上にノートパソコンを置いて、隣で音楽CDを広げているイチゴを迷惑そうに見ている。 「五人もいるとこの部屋は狭いですね。流石に」 「いがいとまじめに放送部の活動やってるから、追い出すわけにもいかないもんねえー。あれ? ミッチくんは?」  鏡を見ていたほのかが顔をあげる。私は床にダンボール箱を置き、古いプリントやテキストを整理している。フータはそれを手伝ってくれている。 「なんかさー、どうもナニガ

アンフォールドザワールド・アンリミテッド 1

1 未来はまだ降ってない雨と同じで今ここに存在していないし、過去は流れていった下水のようにつまらないものだと思っていた。つまりはどちらも私にとって価値がないということ。だけどあの日以来少しだけ、私は過去に囚われている。魅力を失ってしまった私の最高傑作、それから死に対する恐怖。  校内放送では軽快な音楽が流れていた。テンポの速いロック風の曲調と、キーの高い女の子の声。曲の終わりに合わせ、彼はマイクのスイッチを入れる。 「今日のリクエストは、安西くるる『光学迷彩☆イヤホンジャッ

キャプテン・ラクトの宇宙船 第10話

  十 小惑星発見  ブリッジの壁面モニターいっぱいに、星空が広がっていた。  一見何の動きもなく、一枚の画像が映されたまま、まったく変化がないように見える。だが。 「ほら、ここですー」  イチコがある場所を指さした。一つだけ動いている星がある。小さな、かすかに映っている星だ。時間をおいて撮った画像を順ぐりに表示しているので、ぽん、ぽん、ぽんと少しずつ位置が動いていく。 「星図にない星です。概算ですが、軌道条件は探している小惑星と一致しています」 「さすが! お手柄!」  

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