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【要約】世界インフレの謎

2000年代後半以降、世界は低インフレ時代であった。
しかし、パンデミック以降世界的なインフレが起きている。その理由について解説がなされている。

■先進国での低インフレの要因
グローバル化
少子高齢化
イノベーションの頭打ちと生産性の伸びの停滞

■インフレの原因
まず、インフレの原因はロシアのウクライナ侵攻が原因ではない。侵攻開始の前からインフレは始まっていた!
真の理由はパンデミックによる人の行動変容だと言います。(ウイルス自体の影響ではない。)

行動変容が世界同時的に起き(同期)した結果、価格バランスが崩れた。

■ウイルスの影響
パンデミックが発生後、研究によると健康被害=経験被害とはならなかった。

人々は、自ら情報(恐怖)を仕入れ、自主的に行動を変容させた。

■インフレとは
インフレは人々の【予想】が引き起こす。

金本位制では金の供給量で持って物価をコントロールしていたが、それがなくなった現在では、インフレ目標率を掲げて、人々の予想をコントロールしようとしている。

■変化
消費
サービス消費からモノ消費へのシフトが世界で同期的に起こった。
サービス消費は国境を跨がないが、(例・理容店)、モノ消費は国境を跨ぐ。
→モノの価格上昇

労働
人は職場に戻らなかった(シニア層早期退職など)
→労働供給低下

企業
サプライチェーン断絶
→生産能力低下

需給のギャップ
→世界インフレが発生した。

■金利
金利操作での物価一定化は、需要増加に対しては効果があるが、供給不足に対して対応できない。
今やっている利上げは需要を押し下げ、結果として物価安定を目論んでいる。
そのため経済緊縮は必須である。

■日本
日本は、慢性デフレと、急性インフレという2つの問題を抱える。
図らずもウイルスによって日本人のデフレマインドが変わりつつある。企業が賃上げをしてインフレ循環に入っていけるかが明暗をわける。
そのためには労働需要が逼迫することが必要。

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