🇦🇪ドバイとかみ合わない私①

ガルウィングタクシーにぼったく？られる。

7年ぶりのドバイ。空港に降り立つと、高い天井、赤いじゅうたん、ビカビカ光るエレベーターがお出迎え。

久しぶりと言っても、空港を出るのは初めてだった。初めての中東にワクワクしていた。成田空港を出る前に5000円分だけ変えていたドバイAED札を握りしめ、スムーズに空港をでる。ここら辺はもう慣れたものだ。

5月といえどドバイの気温は37度ある。スーツケースを引いて電車やバスを駆使するのは現実的じゃない。汗をだらだら流しながらおしゃれなホテルのロビーに到着するイメージを振り払い、素直にタクシー乗り場へと向かう。

空港を出て、一瞬むっとした空気に包まれる。排気ガスと湿度をたっぷり含んだ横断歩道を渡り、待っているタクシーに順番に案内される。タクシーはガルウィングだった。

「おお。タクシーがガルウィングとは想定していなかった・・・。」黒いスーツに身を包んだ男性がキャリーケースを運んでくれる。外国で、1人でタクシーに乗るのはこれで初めてだ。日中だし、大丈夫だろう。また、気候を考えるとやむを得ないこともあり、おずおずとガルウィングタクシーに乗り込んだ。行先を伝え、念のため全然別の方向に連れていかれないかをグーグルマップの位置情報で確認する。太い道路に車が何車線も通っている。すぐにビル群が見えてきた。しばらくして、ようやくブルジュ・ハリファを見つける。ビル群に囲まれていることと、遠近法で、タクシーから見る限りでは圧倒的な高さを誇っているようには、この時はまだ見えなかった。

それにしても車社会だ。電車やバスを乗り継ぐ旅行が大得意な私だが、今回ばかりはタクシーを使って本当に良かったと思った。道が広すぎる。道路は歩行者のために作られていない。そして、暑い。これは確かに車社会のアメリカのような道路事情になるのもうなずける。

地図と運転手を警戒してちらちら見比べながら、早朝にホテルへと到着した。あまりにスムーズだったので、さすが私！と思った。荷物をピックアぷして、ホテルに着くまでの時間が、経験を重ねるにつれて短くなっている。

ガルウィングのドアが開き、記念にタクシーを写真に収める。運転手が微笑む。早く着いたから午前中は有効に使えるぞ。さっさと支払いを済ませ、荷物を預けて街に出るぞ。ワクワクしてきた。

財布を開き、カード払いができるかを聞く。すると、運転手が首を振るではないか。なんと現金のみと言われてしまった。慌てて現金を数える。130AEDの支払いに対して、110AEDしか持っていなかった。運転手の顔が曇る。まずい！予備の財布も総動員して、20ユーロを発見。おそるおそる差し出す。運転手は110AEDと20ユーロを全部持って行った。あれ？お釣りは・・・？という顔をすると、仕方なく20AEDが返された。いや、ユーロの価値的におかしいでしょ・・・。とにかく、これ以上何か言われる前に開放されて本当に良かった。本気で現金が足りなかったら通報されていた可能性もある。ユーロ、本当に財布にひっそり入ってくれて助かった。

それにしても、「初日にぼったくられた・・・」と思った。私が悪いのだが。完全に出鼻をくじかれた状態でよろよろとホテルのロビーに向かう。最悪だ。あとから思うに、現地のお金で用意できなかった分と、両替手数料のことを考えると仕方ないのかもしれなかった。また、乗り込む前に最初からカードが使えるかを確認しなくてはいけなかったのだ。ドバイは割と「現金社会」なのである。ドバイだし、普通にカードが使えるでしょ、との思い込みは通用しないのである。あの20ユーロは今回の旅行の後半に行くモナコでお土産を買おうと取っておいたユーロなのに・・・。

★ＡＴＭでキャッシングができない
ほぼすっからかんになった状態でおしゃれでいい匂いのするホテルのロビーに到着した。荷物を預け、ATMを探す。グーグルによるとATMはホテルの近くにある。なかなか見つからない。ホテルの入り口を出たり入ったりしてしばらく散策をすると、ロビーの目立たないところにひっそりと置いてあった。キャッシングのため、カードを刺して何度もトライしても、引き出せない。おかしいな。予備のクレジットカードでも試す。こっちでもだめ。

「もしかして、クレジットカードが使えない国なのかな・・・？」

と思ってしまうほどの衝撃を受けた。まさかね・・・。「え、もしかしてこのホテルからずっと出られない？笑」という考えが頭をよぎった。とにかく水と食料を確保するため、ドバイモールまではいかねばいけないのに。「さっきのタクシー代金がカードで払えさえすれば・・・モールまでは行けたかもしれないのに・・・」ずっと頭の中がさっきのタクシーぼったくり事件のことでぐるぐるしている。

★配車アプリ「カリーム」登録できず
とにかく、ドバイモールを目指そう。次に試したのは「カリーム」というタクシー配車アプリだ。中東のウーバーみたいなもので、モロッコや中東ではこっちが主流らしい。利用する際にクレジットカードを登録して「チャージ」しておくことができる。早速登録作業に取り掛かった。しかし、結果はＡＴＭの時と同じ。エラーが発生してしまった。「登録できない！！！」（後からわかったが、登録せずに配車してもらえば大抵のタクシーはカードが使えるので問題ない。）

これは本当にホテルから出られないのか。涼しいホテルのロビーなはずなのに、嫌な汗がじっとりと出てきた。焦る焦る。ロビーの人に、ドバイモールへの行き方を聞いてみた。タクシーじゃないとダメと言われたら終わりだ。すると、シャトルがあるらしい。しばらくロビーでじっとしていた。どうするか。朝7時だ。モールを確認してみるとドバイモールは10時オープンらしかった。他に時間を有効に活用できないか。せっかくここまで早く着いたが、現金がなくては、モールにいったん行くしかない。電車のチケットも買えないからだ。もう一度改めて別のホテルマンに尋ねる。「無料のシャトルが9：45に出る」というので、やはり2時間ほどロビーで待つことにした。小さなメモをくれた。そこにはホテルから出る往復の無料シャトルの時間が書いてあった。「最悪無料で往復する生活をするしかない」。

さて、どうなるドバイ生活。続く。