マーベル作品にハマっていくさま(1)

 息子が特定の映画を、自分から「どうしても観たい」と主張するのは珍しい。友達と観に行けたら良いのだろうけど、田舎で近くに映画館がないため、車で山を越えなくてはいけない。ざっと東、北、西、と1時間~2時間車を走らせたら映画館はあるのだが、とにかく市内にはない。いちいち車で遠くに出ないといけないことは、とても残念である。そんなわけで、家族でまた観に行った。

 「アベンジャーズ インフィニティウォー」の評判を読んでいると、多くの人が強いショックを受けている。面白かったと書く人も、悲しかったと書く人も、一様に強いショックだ。こういうタイプの映画は元々はとても苦手なので、自慢じゃないがネタバレを見ることを私はいとわない。

 確かにこれは相当落ち込みそうだなーと憂鬱になった。映画館のスタッフの人も、「『アベンジャーズ インフィニティウォー』を観終わって出てくる人たちが揃いも揃って打ちひしがれた様子だ」と書いていたが、私ももれなく打ちひしがれて出てきた。(以下、ネタバレだらけ!! ネタバレいやな人は読まないでください)

 私がこの誘惑を断れなかったのは「ガーディアンズオブギャラクシー」1と2を観たことで激しく心を揺さぶられたからだ。マーベル作品のヒーローたちの一員ということで「アベンジャーズ インフィニティウォー」にも出ることになったという。


 で、評判などを読んで知っていたくせに、どうしてこうも打ちひしがれているのか。
 冒頭から残酷な仕打ちがほぼ終わりまで続く。そもそもこういう映像が苦手だと書いた通り、荒涼とか殺伐とか絶望とかいったような景色ばかりが続く。そして多くのヒーローたちがサラサラ~ってなっていく。それでもう打ちひしがれるには充分だ。

 消耗しきって映画館を出た頃に「あれはもうあれで終わり?」とかいう会話をした後「ひどくない?」と思わず口にした自分のセリフがあまりにも軽い気がして、そんな風にしか表現できない自分が情けなくなって笑ってしまった。

 「ひどくない?」

 ……そりゃそうだ。

 真っ当過ぎて夫も息子も脱力してうひゃひゃと笑ってしまっている。

 ひどいのだ。ひどくて残酷であっけない。「あっけない」ことで余計に気持ちへのダメージが強い。
 その後、どうしても納得がいかず、映画を思い出しながらパンフレットを読みふけった。気になったことが色々と出てきた。まずは、パンフレットの中の説明。インフィニティストーンの役割。元々強すぎるくらいのサノスが、6つの力を手に入れ、合わせると、とんでもない力となったのは映画の中でわかった。でもその一つ一つのパワーってどんなだっけ。なんだっけ。と読み返してみると、一つだけ「不明」とある。オレンジ色の石で「ソウル(魂)」という名前だけど、不明のパワー。なんだそれ。他のストーンに関しては書いてあるのに。そのパワーが「不明」という表記は何だかオソロシイ。恐ろしいけど希望にもなる。だって何かが隠されているということだろうから。
 

 他に気になることがある。サノスが指パッチンした時なのか、よくわからない世界で、幼いガモーラと話すシーンだ。あの意味ありげなシーンは何なのだ。すごく意味ありげではあり、心に強く残っている。あれが次回、明かされることを願う。意味ありげなくせに何でもないとしたら、すごく気持ち悪いってものだ。
 そしてあのサラサラ。あっけなさ過ぎて絶句だ。観ている私はハニワみたいな顔になっていたことだろう。

 唯一、スパイダーマンだけ、気持ち悪がってアイアンマンにすがりつくが、あとは胸に迫る間もなく、「えっ。あれっ?この人も? こんなに次々と?? ヒーローなのにい??」という感じなのだ。いくら無作為に半分とか言われても。こんなにあっけないのん? もう大いに不満なのだ。もっとヨンドゥの時のように、一人ひとり、しっかり悲しませてくれよー。そんな時間ないのはわかるけどさー、でも悲しむ間がないと実感もわかないではないかー。
 さらに、自分を脅かす存在たちが残っても良いからとにかく無作為に半分、ということもよくわからない。いくらサノスが最強とはいえ、サノスの今後のためには、先に彼らも倒しておくことが、サノスにとってより平穏なはず。シュリという、かなり高い知能を持ったと思われる女の子も残っている。と思う。多分。
 他に、今回のアベンジャーズの中で出演しきれていないらしいヒーローたちはいずこへ?
 続きのためにはもちろんそうしないとストーリーが成り立たないのだが、「絶望的」という気持ちに対し、こういった事実は一石を投じている。そうだ、私はこの映画を観て「絶望的な気持ちになった」ことに一石を投じたいのだ。いや、一石をこうやっていくつも投じているので、一石ではないのだけど。幾つも希望を見つけたいのだ! 自分の絶望的な気持ちを救ってあげたいではないか。

 あと夫と話して気になったことがもう一つ。ドクターストレンジが未来を予測して見ていた時、アベンジャーズが勝つ方法は「1400万以上通りの中のたった1つ」と言っていて、その方法を知っていたはずだ。そうであるならば、今のやり方が最終的にサノスを倒す方法につながるのではないだろうか!フガフガ。確かに彼のストーンを渡す時のタイミング、渡す時の彼のテンションが妙なので印象に残っているのだが、彼は何かを見越した上で、あのタイミングでストーンを渡したのかもしれない!! フガフガ!!

 残酷なあっけない終わりに、絶望的な気持ちになり疲れ切って消耗したけれど、続きがあるからにはもう少し希望を持ちたい。このシリーズの画面に映る風景は苦手だけど、たくさんの「何故」をスッキリ、ある程度明らかにするために、私は続きを観たいと思う。再来年の「ガーディアンズオブギャラクシー」公開前(※これを書いたのは2018年4月のことです)に、来年の「アベンジャーズ」続編がある。その前にマーベルシリーズが幾つかある。タイミング的にも面白い。
 そういったこと全部が制作者側の思うつぼなのだろうけど。

#アベンジャーズ  インフィニティーウォー #映画 #MCU

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。