見出し画像

ビートルズの曲との縁について書こうと思ったのに結局「イエスタデイ」のサントラについて書いてご機嫌に

 幼少期、ニュージャージーに住んだ頃、父は憑りつかれたようにレコードを次々と買っていて。その中の何枚かがビートルズのアルバムだった。私が生まれる前には解散していたけど、あまりによく聴くから、当時は現役だと思っていた。
 他のレコードは、ジャンルで言えばポップスやロック、ディスコミュージックをたくさん聴いてた。外に出かけると車の中でラジオをかけ、休みの日には父が家でレコードをかける。
 ヴァイオリンを教えていた母が聴くクラシックより、もしかしたら私はそちらの影響の方が強かったのかもしれない。


 兄が大学生の頃、ビートルズにハマった。兄の部屋には、女性アイドルたちのポスターが何枚も貼られていたはずなのだけど、いつの間にかビートルズのポスターが紛れていた。そのうち女性アイドルの物は一枚一枚減っていき、ビートルズのポスターが増えていき、最終的にビートルズのポスターだけに。曲を母や私に聴かせて、どの曲が誰の作曲だの、どう違うかだの、色々と解説していた。私は聞き流していたけど。そのうちビートルズのピアノ楽譜を買ってきて、延々とピアノで弾きだした。
 兄のビートルズ愛が強過ぎて、私はちょっと引いてしまっていた。えーそそそんなにぃ??って。

 だからなのか少しビートルズから離れていた時期が長い。

 1990年代後半、ニュージャージー滞在中にも結局買ってしまったけど、2000年にベストアルバムが出て、それを買ってじっくり聴いたのが久しぶり。懐かしい。やっぱりカッコいいな。あの時代にこのサウンド、すごいよな。いまだ聴いて「良い」って思えるのもすごいよな。改めて好きな曲たちができた。

 そして今回の映画「イエスタデイ」でまた聴いている。
 ヒメーシュ・パテルの声で。映画のサントラで。
 奥田民生もそうなんだけど、私は好きなミュージシャンの私生活とか発言とか割とどうでも良い。その人が幸せであれば嬉しい。と思う。色々追いたいと思わないのだ。

 で、何が良いかと言うと、歌っている姿。
 歌っている表情、立ち姿、ギターの弾きっぷり。色々意味づけする人もいるだろうけど、私は単純に歌う姿そのものが良いなあと思う。あまり入り込み過ぎないで、でも自分の歌声を確認している表情が好き。ギターに時々没頭する姿が好き。ちょっと気難しいくらいの顔をして、色々他の邪念がないように見える人が好き。(あくまでも憶測で想像だから、「見える」で。)
 ヒメーシュ・パテルは、まあ俳優で役に入っているので、当たり前と言えば当たり前なのだけど。

 ビートルズの曲に関しては、「I Feel Fine」が一番好きで。それから「Real Love」「Lady Madonna」「Magical Mystery Tour」「Penny Lane」。
 映画「イエスタデイ」では、どれも流れない。残念だけど、でも歌ってくれたらどんな感じになったのかなと想像するのもまた楽しい。
 それに映画を観ていて、前より「I Saw Her Standing There」が好きになった。この曲、改めて何度かビートルズのも聴いてみたりしたけど、これは映画の方が好きだ。

 多分ヒメーシュ・パテルの声と歌っている姿が好きだからだ。歌声がまっすぐで、それでいて心がある。さらには華がある。本当に歌が上手いと思う。

 前も書いた「Help!」も良かったし、「I Want You Hold Your Hand」など、三人で本当に楽しそうにレコーディングしていた風景も大好き。

 そして最後の「Ob-La-Di, Ob-La-Da」のシーン。子供たち(そりゃ設定だけどさ)に向けて、歌っている姿が「大人」で、良い。……良い!

 ああ、あと「ロケットマン」の時も思ったけど、俳優がミュージシャンの役で実際に歌う時、その歌詞がより聞こえてくるのは面白い現象だと思う。あれ?こんな歌詞だっけ? 車の中でも家の中でもふと心奪われる。

 そして実際に映像で見えなくても、歌声だけで映画の様子が目に浮かぶから良い気分になる。
 ここしばらく、家で一人でいる時、車の中にいる時、ヒメーシュ・パテルの歌声さえあれば良い日々。

 もうなんか何でもない内容だけど、今の私は、とにかく「イエスタデイ」のサントラでご機嫌なのだ。

#エッセイ #ビートルズ #イエスタデイ #サントラ #ヒメーシュ・パテル #大きな独り言

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。