2~3歳頃の可愛い息子と、寝かしつけに苦労していた自分に笑う

 15年ほど前の、息子が2~3歳頃の、自分の日記を見つけ。
 自分の心の動きと息子の可愛さを実感するもので、読みふけってしまった。

 余計なところや言葉を修正しつつ、載せてみる。

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 息子を寝つかせる時に、せなけいこさんの『ねないこだれだ』を読んで聞かせたのを思い出して話した。でも面白かったらしく、質問攻めにあってしまった。どうやら息子にとっては、寝かしつけに効果はない。

 最後の方の、「おばけの世界に飛んでいけ」は特に気になるらしい。
 「おばけの世界へ飛んでいくとどうなるの?」
 必要以上に怖がらせてもいけない、でもおばけって怖いもんだし、と迷い、「なかなか戻ってこられないかもしれないよ」とあいまいな返事になった。
 すると「戻ってこられなかったら、母さんはどうするの?」と息子は聞いてくる。

 ななんと。私の心配をしてくれるのかい? 
 思わぬ展開に、
 「毎日探して、毎日泣いて暮らすよ」と言った。
 「母さんいないなんて寂しい」
 息子は一瞬泣き声になったけど、すぐにまた違うことを考え始めたようで、話がアッサリと別の方にそれてしまい、不覚にも私の涙が出てしまった。
 そんなの母さんが寂しいよ。本当に息子が突然いなくなったら、なんて、そう簡単に起こることでなくても、やたらに寂しく悲しくなった。

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 そのちょっと後の日記
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 息子は、プーさんのキャラクターに出てくる「ピグレット」のぬいぐるみが大好き。ピグレットは、全身ピンクのコブタちゃんなのだが、鼻は小さく、耳が長くてウサギみたい。今は少し落ち着いているけど、一時、眠るときは必ず一緒だった。 
 外出の際にも時々、旅行の時には9割方、ピグレットを選んで連れて行く。
 時には乱暴に扱ったり、「戦いごっこ」などと言ってぬいぐるみ同士戦わせたりする。しかし大抵は「ピグ」と呼んで可愛がる。タオルをかけてトントン寝かしつける。
 最近は、何故か少し恥ずかしいらしく、「自分がピグを連れて行きたいのではなく、ピグが寂しがるから旅行に連れて行ってあげる」のだそうだ。

 その日も、なかなか寝てくれないので、ピグを使って声色を変え、「遊んで!」と言ってみた。すると「えー駄目なんだよ。寝る前は遊ばないの」と、私がいつも言っていることを得意顔で言っている。
 「何で遊んじゃ駄目なの?」と聞くと、「寝る前だから静かにしとかないとオバケさん来るよ」と言う。
 どうやら絵本の影響も受けている!
 「オバケさん怖い~」とノリノリで言っていると、「大丈夫だよ、目をつぶるの……母さん、ピグは目をつぶれないからオバケさんに連れて行かれちゃう?」と聞いてきた。

 せっかくピグの役をしていたのに、一気に「母親」に引き戻された私は不意をつかれ、「えっ……ぬいぐるみだから大丈夫だよ」と言ってしまった。

 発想が貧弱な私

 息子はそのまま「ピグは、ぬいぐるみだから大丈夫なんだって」と言って聞かせている。ぬいぐるみに、オマエはぬいぐるみだと教える息子。

 なにこの会話。


 私のせい?? 

 「じゃあ〇〇君(息子)は? 連れて行かれないの?」とまたピグの声色で聞いてみると、「目をつぶっていると大丈夫」と目をつぶってくれた。なかなか寝ようとしない息子が!

 ぬふ。思うつぼだ。しかも可愛いでやんの。

 心の中でウッシッシと笑っていたが、これも数分で終わって喋り始めてしまった。
 

 うまくいかない。息子の、どんなに疲れ果てていても「寝る前でも決して喋りが衰えることはない」習性はどうにかならないものか。

 でも息子は大きくなったら、独り立ちをする。そして、そうなったところで、息子は寂しがったりしないだろう。
 子供の成長なんて早いって言うから、今をよく味わって楽しまなくちゃ。
 「あ〜しんど!」と思っていた赤ちゃん時代がいかに早く過ぎるか、毎日、実感している。
 体が大変なのは今だけだろう。甘えてこられるのも今だけなんだろう。まとわりつかれてうっとうしいとすら感じる時期は、あっという間に過ぎていく。

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 なんて書いているけど、いやいやあっという間なんて、2歳や3歳の時期どころじゃないからね。
 もうすぐ本当に独り立ちしちゃうから。

 でも当時の苦労がしのばれて、一生懸命だった自分と可愛い息子を微笑ましく思った。



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読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。