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マスクの下の、だらしない私

 皆さま。暑い毎日、マスク生活はいかがでしょうか。

 こんなにも暑い中、外を出歩かないといけない都市に住む方々は大変だろう。都市であっても、人がそう多くない場所はマスクしなくても良いんじゃないの? と熱中症やムレを心配してテレビを観る。

 私はここ一週間近く、更年期症状の倦怠感と頭痛が辛くて、読むのもギリギリ。元気のある時に読んだりコメント入れたりするくらいで。やっと少しずつ書けるようになってきている。熟成下書きがいくつかあるけど、何となくまだそれを載せる気分にならない。

 今日はどうしても病院に行かなくちゃいけなかったので、フラフラしながら行ってきた。
 この辺りは田舎で、とにかく車移動。マスクは現地に着いてからで充分。だけど、そんな私でもマスク生活に慣れてきたのか、手も当てず大変おおらかに、あくびしている自分に気が付いた。

 「コロナ後の世界について」って、多分、人間関係を始めとした社会的な問題とか経済的な問題とかについて議論はなされ始めているだろう。でもさ。

 マスクはどうよ。

 コロナ後のマスク問題。

 ホラ。今朝の私みたいに、手も当てずに口も鼻の穴も全開にして大あくびしている人はいないだろうか。
 無意識に独り言みたいに「豆腐とお揚げ……豆腐とお揚げ……」とか忘れないようにスーパーで、口をパクパクしながら歩く。
 いやなんなら、ちっちゃい独り言くらいなら言っている。「えええ(こんな高いのしかないの?)」とか「えええ(売り切れてるじゃないのよ)」とか「えええ(今日は定休日なの?)」とか。
 鼻の下を伸ばしてみたり、ちょっとシャクレてみせたりもする。いやマスクがズレたり擦れたりしてしまうもので。時々手を使わずにマスクを動かすのよ。そして気づけばその表情で止まったままになっている時があるのよ。

 これが日常になりつつあって、ちょっと心配だ。


 5年ほど前。親不知を同時4本抜きで2時間の手術をしたことがあった。
 最初は顔の腫れ具合に笑う余裕があった。母も写真を見て「私が産んだ子とは思えない」と返事してきたので、ますます笑った。だけど、段々笑えないほどに顔は膨れ上がり、鏡を見ても別人がいるので、ほんのちょっぴり枕を濡らしたものだった。

 退院しても頬の不自然なふくらみはまだ残っており、ふくらみが落ち着いてくるにしたがい、次に頬は青紫色になっていった。

 青紫が落ち着いてくると、黄色も混じってきて茄子の漬物みたいな色になっていく。
 家にいる間は良いけど、外に出る時はマスクをした。

 あまりにマスクが習慣づいた私は、次の歯科検診時、椅子を倒された時に歯医者さんに言われた。

 「あのー……マスク取って下さい」

 あっ。おほほ! そうでしたわね!



 あの時以来の、マスク生活だ。
 マスクが当たり前になってしまったあの頃。習慣てすごい。

 例年の私は夏終わり、つまり今の時期から秋真っただ中になるまで、アレルギーが出るのだけど、よほどじゃないとマスクをしない。よほどの時は、薬をのんでおさまる程度だし。
 ああそうだ。あとは夏以外は寝る時にガーゼマスクをする話はいつか書いた。

 今、こうやってマスク生活に慣れ過ぎた私は、マスクを着けているのを良いことに、口を開けたり閉めたり好き放題してしまう。ついでだから書くけど、この文読み返してニヤニヤしても、マスクしていたら誰にも気づかれない。
 マスクつけなくなって良くなった最初の頃は、大あくびをしないか。口をパクパクしないか。ニヤニヤしないか。独り言を言わないか。シャクレないか。

 私は「コロナ後の、いたって個人的なマスク問題」についても、おおいに思いを巡らせ、自分を心配している。


#エッセイ #マスク #大あくび #独り言 #シャクレ #個人的

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。