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大切にしたい思い、過去のこと、最近のこと

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親子関係や友達とのことじゃなくても、自分の中で大切にして残しておきたい思いがあります
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2019年12月の記事一覧

「違う」の意味を知っているのは、大切なことなんだ

 小学生時代、いじめられ、でもいじめる側に回らされたりするのもイヤで、一人でいるのを選んでいた。そんな私にとって、中高一貫校の女子校は、毎日が楽しくて仕方ない場所。  女子校って、通ったことのない人たちにどのように想像されているのかわからないけれど、強烈なマウンティングがなくて、グループの境界線も薄くて、お互いに干渉し合わなくて。生ぬるいのかな。でも平和でとても快適。  他の大学への受験をしなければ、ほぼそのままその大学に上がる。    ところが大学に入ってみると、友人たち

幾つになっても、ずっと私は先生の生徒

 その日、運転しながら、ひどく傷ついた心で、泣いても泣いても涙が溢れ出てきていた。  何故こんなに腹立しさがおさまらないのか。こういう時、ホルモンのせいとか言ってほしくないんだよなあ。きっとそうなんじゃないかって自分では思っているけど。  家に着いてもまだ玄関先で涙が流れて仕方ない。  ポストを開けると大きな袋が入っていて、印刷の文字ではない宛名書き。「誰からだろう」と、涙でかすんで揺れる景色の中から、差出人の文字を見る。  中高生の時、お世話になった先生からだった。  

毎朝すれ違い、挨拶を交わした彼は

 父は79歳にして、週に数回、いまだに会社勤めをしている。  その父が10年ほど前。毎日決まった時間に決まった場所を歩いていた頃。  駅に向かう道。いつの頃からか、すれ違う、父と同じくらいの年頃の男性がいたそうだ。  両親の住んでいる場所は、ただの住宅街なので、通勤時間に駅から向かって歩いてくる人は珍しい。  毎朝のように会うから、お互い、何となく会釈を交わすようになり、段々その方は、父に向って笑顔を向けるようになった。時には車道を挟んであちら側の歩道から。時には信号を