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先輩の言葉から考える、お客様に寄り添うということ

先輩の整体師がよくこう言っている。

「あ、骨盤歪んでる!また足組んだでしょ!だめですよ!!!」

ぼくはこの言葉に違和感を感じている。なぜ違和感を感じているのかを整理したい。

足を組むのは悪いこと?

骨盤がゆがむという点では確かに悪いことだと思う。それはお客様も理解していると思う。

ではなぜ足を組んでしまうのか。

ぼくは前職(ITエンジニア)の頃はよく足を組んでいた。

特にプログラムを書くときとかトラブルシューティングするときとか、頭をフルに使って集中するときによく組んでいた。

今考えてみると足を組んでデスクの天板の裏に膝を当てることで体を安定させていたように思う。そうすることで姿勢の制御に使う脳のエネルギーすら節約して頭をフル回転させていたように思う。

そういう文脈でいうと足を組むことは悪いこととは言い切れない。

お客様が足を組む理由に思いを馳せているか?

そういうお客様の事情を聞き出すこともせずに「足を組んじゃダメ!」とだけ言うのは、お客様のことを真剣に考えていないように思う。

冒頭の先輩にこの意見を伝えたら「整体師なんだから骨盤にとって良いかどうかだけ考えればいい」という意見が返ってくるかもしれない。

それはそれで一つの整体師像だ。

でもぼくの整体師像はもっとお客様に寄り添ったものだ。生活習慣、仕事内容、その人の性格、心理。そういうところまで踏み込んで身体を改善したいと思ってる。

じゃあぼくならなんて言う?

先輩の発言をとやかく言うなら自分はどう言えばいいと思ってるのか。

例えばこういうのはどうだろう。

・足を組むことでメリットがあるんですね。ではじゃんじゃん足を組みましょう。その代わりに交互に足を組むようにしてみましょう。
・足を組んだ回数をカウントしましょう。足組みに意識が向けば不必要な足組みを減らせるかもしれません。
・足を組まないと本当に集中できないか実験してみましょう。ガムを噛むことでも集中力が上がるそうですよ。
・骨盤がゆがむのは良しとしましょう。私が毎回直しますから。その代わり定期的にメンテナンスに来てください。

回数をカウントするというのはぼくのお気に入り。無意識に足を組んでしまう人に対して足を組むなと言っても改善できない。無意識にやってるんだから。
まずは足を組んだことを気づくことからスタートすべき。気づくためにカウントするという課題を課す。気づけば変えられる可能性が高くなる。

まとめ

ある一つの文脈だけダメとか良いとか決めつけて言うのは好きじゃない。

今回の場合で言うと骨盤が歪むから足組んじゃダメ!みたいな。

お客様の置かれる状況はそんなに単純じゃないと思う。状況に合わせた施術やアドバイスができる整体師になれるようにがんばる。

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