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物件の契約と内装の相見積もり(開業5ヶ月前)

こんにちは、瓦.Tokyoの西田です。
事業計画がまとまり、採算性を確認した上で、物件の契約が自分の中でGOであれば、不動産屋と交渉に入ります。


造作に関する交渉

まず、居抜きの場合は造作の範囲を確認、「要る」or「要らない」を整理し、造作譲渡費用の交渉をしましょう。
ちなみに私の場合、1号店の茅場町本店オープン時に残した資産は、コールドテーブル1台と、製氷機1台、家庭用エアコンくらいで、あとは全て処分し、中の造作も全て解体していますので、殆ど居抜きのメリットを享受していません。
ボロボロの厨房機器も多く、相場的には、今でも造作譲渡費用は30-50万円くらいが妥当だと思っていますが、先方はここに関しては譲らなかったので、当初提示の100万円台の提示額のまま、契約をしました。
造作の費用に交渉の余地が無かったのは、他にも申し込みがあり、値引きを受け入れる理由が無いからと言われました。(それが本当かどうかは知る由もないですが)
造作は、物件の"現借主"に入るお金、家賃は物件の"大家さん(貸主)"に入るお金ですから、この辺りの登場人物の力学と、誰にどんなお金が入るのか?を理解する事も、交渉を上手くまとめる上で必要な事です。

複数の申し込みがありそうな場合

複数の申し込みがある中で、私が契約出来た理由は、以下の2点だったと考えています。
1つ目は、物件募集時の家賃より、1万円上乗せで契約する旨、申し入れた事。
幾つか物件を見る中で、『ここだ!』という直感が働いたのですが、どうしても契約をしたかったので、他の申込者よりもビルオーナーにとって有利な条件を提示しました。
もう1つは、連帯保証人を父親に依頼し、貸倒のリスクが少ない契約者である事をアピールしたこと。
日本政策金融公庫の融資は、無担保、無保証人の制度がありますが、物件の契約にあたっては、保証人を求められる場合も多いと思いますので、あらかじめ依頼予定の人には、開業の意思と、保証人になって欲しい旨、誠意を持って話しておく事が重要です。

連帯保証人について

くれぐれも、物件契約の段階になってから、バタバタと動き始めるのは避けたい所です。そういった段取りすら出来ない経営者の保証人には、誰もなりたがらないと思います。
•事業計画について。どのくらいの売上目標に対して、家賃がどの程度占めるのか。(セオリー的には売上高の10%以内)
•最低限、家賃を払い続けられる売上水準は(損益分岐点は?)
•自己資金がいくらあって、どのくらい借入する予定か。
•保証金をいくら預けるのか。
上記のような重要事項についてしっかり説明し、事業がうまく行かなかった時に、万が一連帯保証人に負債の一部を肩代わりしてもらう状況になったとして、どの程度が想定される負債額か、再就職後の給与からどの程度の期間でそれを返済出来るか、などについては説明が必要でしょう。

内装費用の相見積もり取得

不動産の条件が折り合い、契約が出来そうであれば、内装費用の相見積もりを取得します。

居抜きで物件を取得したとしても、そのままの状態でオープンする事は殆ど無いと思います。お店のコンセプトを内装にも反映させるべきだと思いますし、オープン前後で違う店になった事を、近隣のお客さんにアピールする事も重要です。内装が綺麗だと、お客さんウケも良いですし、綺麗な状態を維持しようというモチベーションに繋がります。

まずは、物件の契約までにお世話になった内装業者さんに、改めて概算の見積依頼をします。そして、並行して幾つかの業者に同様に見積依頼をします。その複数の見積を横に並べてみて、価格や提案内容を総合的に判断し、どの業者に工事を依頼するか決める訳ですが、ここに関しては経験が無いと、どの業者が良い業者か、正直見当もつきません、、

まず業者の募り方ですが、私は以下のようなウェブの内装業者紹介サービスを活用しました。
《飲食店.com》http://www.inshokuten.com/design/

ここにエントリーしたところ、10数社から返信があり、その中でも返信テンプレートのコピペのようなメッセージではなく、私の案件への具体的な配慮があり、思いを汲み取ってくれそうな業者さんを、2,3社ピックアップして、下見をしてもらい、見積依頼をしています。
結果としては、提案内容が一番充実していた業者さんが、一番見積が高く、一番安かった業者さんは、任せて大丈夫かな、、?という印象を持ちました。
ざっくり、10坪の内装工事だけで、一番安くて250万円、一番高くて500万円。そんな中、私は300万円台の見積を出してくれた業者さんに決めました。決め手については、以下のnoteにて。

一方この時点で、オープンの約5ヶ月前。並行して職場の上司には定期的に相談をしていましたが、物件を契約するという事は、会社員を辞めるということなので、改めて物件を契約しようとしている旨を報告しています。
この時点というのは、2016年5月。会社を辞めるタイミングとしては、2016年度の上期末(9月末)が区切りが良いかなと思い、上司ともその前提で今後の話を進めたと思います。
つまり、普通に物件を契約すると、2016年5-9月は空家賃が発生する訳ですが、不動産の仲介屋さんにも相談し、契約時期の後ろ倒し+フリーレントの交渉も行いました。
こうした交渉を経て、無事物件の契約に至り、鍵を受け取ったら、次は融資の手続きと、内装工事!
内装工事については、3社の相見積もりを取って決めたのですが、その辺りのお話は次回しようと思います。

瓦.Tokyo 西田聡