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もし自宅待機の新卒一年目が『もしドラ』を読んだら

こんにちは。
読書をしたらアウトプットをすることを強制するために、読み始める前にnoteを作成し、読み終わったら追記する形を試してみようと思います。

今回読んだ本はこちら ↓『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(以下『もしドラ』)

以下、目的は「自分のアウトプットのため」ですが
・ この本に興味がある
・ 読もうか迷ってる
・ もう既に読んでいて感想を比べたい
・ 内容を思い出したい
といった方々に少しでも役立つよう、読みやすさにも気を遣っていこうと思います。

なお今回の本は小説形式のため、ネタバレを避ける形で書こうと思います。
が、気になる方は注意してください。

手に取ったきっかけ

P・F・ドラッカー(著)『マネジメント』が新卒入社研修課題図書のうちの一冊で、『もしドラ』を先に読めば理解がしやすいだろうと思たこと、そして一度話題になった作品なので読む気になったというのがざっくりしたきっかけです。

そもそもドラッカーの『マネジメント』を読もうにも、新卒一年目にとってマネジメントの実践はだいぶ先で、全く読書習慣が無かった自分の拙いインプットでは理解が浅くなってしまうだろうと考えていました。

そして良書と呼ばれるビジネス書は抽象度が高く、実践経験の少ない僕にとって具体に落とし込むのが難しいと感じています。
実際、過去に読んだビジネス書や自己啓発本に対してある程度の感銘を受けた一方で、日常生活で思い当たる実践の場や卑近な例は少なく、どうにも腹落ちしきらない感覚を覚えていました。

裏を返せば、いま実際に困っていることに解を与えてくれるような本は読みたいと思うし、具体例も身近だから腹落ちして吸収できるだろうと思います。
なので、、今の自分にとっては『マネジメント』を読むモチベーションが正直高くないのが現状です。笑

でも課題図書なのでいつかは読まないとなあ…

ということなので、『もしドラ』は高校野球チームのマネジメントを題材としているため、事業会社で働いた経験のない自分でも理解しやすい例が出ているだろうと考え、ドラッカーの『マネジメント』を読むきっかけになると期待して読むことを決めました。

目的

・ マネジメントの原則を概観する
・ マネジメントの原則をどういった場面に当てはめるかを知る
・ マネジメントの効果を身近な例で知る
・ ドラッカー著『マネジメント』を読む気になる

書評・感想(以降04.07追記)

『もしドラ』は、女子高生の川島みなみが高校二年生の夏、公立の中堅進学校の野球部にマネージャーとして入部するところから物語が始まります。

そして川島みなみは万年予選敗退の野球部を甲子園に”連れていく”!という目標を掲げ、ドラッカーの『マネジメント』の原則を駆使しながら、様々な課題を解決していきます。


まず小説としては王道少年漫画の如く、寧ろそれ以上に話がトントンとうまい方向へ進んでいきます。
都合の良い物語が苦手で「そんなうまくいくわけないやろー」と思いながら読む方にとっては少々味気の無い物語と感じるかもしれません。

しかし僕個人としては、楽しく読むことができました。
楽しむことができた理由としては
・人間臭い登場人物がちゃんといる(葛藤、臆病、思いやり等)
・過去の出来事と現在の行動の整合性が取れている(伏線張られてる)
・ベタな展開が好きでちゃんと感動できた
あたりだと感じています。

一方、気になるところとしては
・展開がご都合主義感が強い
くらいでしょうか。

ドラッカーの『マネジメント』を読者に理解させることと、物語としての進行を天秤にかけた結果であろうと思えば、よくまとまっていると思います。

またドラッカーが記したマネジメントの原則を学びたい!というモチベーションで読む場合にも、平易な文章と身近な例を取り上げていることから読み進めやすいと思います。

基本的な構成としては、『マネジメント』にはこういう原則があり、野球部の種々の問題に対して施策を策定し実行していくと、狙った効果が表れるという流れになります。

本当にマネジメントの原則だけを学びたいという方は、『マネジメント』を引用している部分とその前後を読めば、シンプルな構成のためにおおよそ学ぶことはできると思います。
ただ本当にそういうモチベーションで読まれる方には、初めからドラッカーの『マネジメント』を読むほうがいいんだと思います。笑

実務経験が無い僕にとっては、抽象的な言葉で書かれたマネジメントの原則をどうやって組織(野球部)に当てはめていくか、という構成は理解を助けてくれました。

(もちろんドラッカーの『マネジメント』も、実例を挙げて理解を助ける構成になっているだろうと思います。今度読んだときのnoteには、それらがわかりやすいかどうかについても書いていこうと思います。)

---(例)
物語の内容に少し触れることになりますが、例えばみなみ達は『マネジメント』の中の

あらゆる組織において、(中略)「われわれの事業は何か。何であるべきか」を定義することが不可欠である。(二二頁)

という記述に触れ、「野球部は野球をするための組織である」と定義しようとしました。しかし一方で、『マネジメント』には

しかし実際には「われわれの事業は何か」との問いは、ほとんどの場合答えることが難しい問題である。わかりきった答えが正しいことはほとんどない。(二三頁)

とあり、みなみ達が考えた「野球をすること」はきっと「わかりきった答え」だと頭を抱えることになります。そして

顧客を満足させることこそ、企業の使命であり目的である。したがって、「われわれの事業は何か」との問いは、企業を外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる。(二三頁)

という言葉からまずは「顧客を定義する」ことから始めました。

最終的に顧客は「親や先生、学校、高野連、ファン」そして「野球部員」であり、これらすべての人は「感動」を求めていることを見出し、「野球部は顧客に感動を与えるための組織である」と定義することに成功しています。

以降の施策はすべてこの定義に基づいて決定されていく、いわば羅針盤のように機能していきます。

そして野球部におけるマーケティングやイノベーション、日々の練習メニューや組織作りまで、この定義からスタートして決めていく……。

---
こうしたプロセスは頭で理解していても、身近な刺さりそうな例が思い浮かばなかったり、なかなか施策に落としたりできないので、初学者である僕にとってはやはり読むべき本だったと感じました。

そしてこの本を読み、『マネジメント』に書かれている原則というものが何も企業に当てはまることだけでなく、子育てやバイトなどでも生かすことができるものだと何となく理解できました。

さらに本来と意図ではありませんが、『もしドラ』を読むことがドラッカーの『マネジメント』を読むうえでどの程度助力になるのかということが気になっています。

よってこの本を読む目的であった
・ マネジメントの原則を概観する
・ マネジメントの原則をどういった場面に当てはめるかを知る
・ マネジメントの効果を身近な例で知る
・ ドラッカー著『マネジメント』を読む気になる
はおおよそ達成できたと考えています。

特に印象に残ったマネジメントの原則(本書の要約的な)

この節では物語の内容に触れず、作中で触れた『マネジメント』の内容のうち、特に印象に残ったものをピックアップしています。

(第一の目的は自分のための備忘録です。)

▼ マネージャーとしての根本的な資質は真摯さである
・何が正しいかだけを考え、誰が正しいかを考えない
・真摯さよりも知的な能力を評価したりはしない
・愛想のよさ、助けになる、人付き合いがよいこととは根本的に異なる

▼ 組織において「われわれの事業は何か。何であるべきか」という定義が重要
・共通のものの見方、方向づけ
・いわゆる企業のビジョン?
・顧客が組織に求めている現実・満足・価値、欲求は何か?から考える

▼ 企業の機能はマーケティングとイノベーション
・真のマーケティングは顧客からスタートする
・イノベーションの指針は、より新しく、より違ったもの
・イノベーションの第一歩は組織の定義にそぐわなくなったものを捨てること

▼ 働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない
そのためには
・ 生産的な仕事
・ フィードバック情報
・ 継続学習
が必要

生産的な仕事とするためには
① 分析(仕事の作業と手順と道具を知る)
② 総合(作業を集めプロセスとして編成)
③ 管理(プロセスに方向、質と量、基準と例外の管理手段を組み込む) 
④ 道具(効率化や生産性の管理に技術を積極的に活用する)
(メモ)これ新入社員のうちのフラットな視点で始められたら良さそう?できるようになった作業をマニュアル化して管理する手段を構築しておく

▼ 成果とは百発百中ではない。百発百中は曲芸である。
・優れている者ほど間違いを犯しながら新しいことを試みる

▼ トップマネジメントとは
・メンバーは担当分野の最終決定権を持つ
・担当分野以外の意思決定は絶対に行わず、忠実にメンバーに回す
・仲良くも尊敬しあう必要もない、ただし攻撃し合ってはならない

▼ 人事に関わる意思決定こそ最大の管理手段である
・組織の人間の関心や目的を努力ではなく成果に向けさせる
・職人的な議場それ自体が目的であるかのごとき錯覚を生んではならない
・マネジメントが本当に欲し、重視し、報いようとしているものに評価をあ与える

まとめ

まず第一に、小説として普通に楽しんで読めました
(ただ個人的には祐之助の話をもっと回収してほしかった笑)

そしてマネジメントというものが、新卒一年目にとって遠いものだと思い込んでいましたが、すぐにでも実践できるものだと分かりました。

それ以上に、たとえ組織におけるマネジメントの実践が僕にとって先の話だとしても、自分を取り巻く環境がどういう原則で動いているのかくべきなのか、動くべきなのかを知って観察することで将来の成長率に大きな影響を与えるだろうと感じました。

なので今度はドラッカーの『マネジメント』をちゃんと読んでnoteにまとめたいと思います。

最後まで読んで下さりありがとうございました!


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