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おかずの半分こ

夫はすぐお腹がすいてたくさん食べるほうで、なかなか満腹はしないらしい。
朝ごはんが11時でも昼ごはんも普段どおり食べる。
いつだったか、昼に起きてきて、朝ごはんと昼ごはんと2食分並んでるのを、
うれしそうに両方食べたこともあった。
私はすぐお腹いっぱいになって、なかなかお腹が空かないほう。
結婚前、一度だけ、クリスマスディナーというものに行ったら、
私はメイン料理にたどり着く前に前菜やスープなどで満腹し、
夫は2人分のメイン料理を完食し「さすがにおなかいっぱい」になった、
というくらいの胃袋の差がある。

2人のおかずが1皿に盛り付けてあるとき、
偶数なら同数ずつ、
数えにくいものはお皿にセンターラインを仮想、
という感じで分けている。

真ん中に一つ残るときがある。
夫は(たくさん食べたい。相手にあげるのが優しさ)と思って残し、
私は(もうおなかいっぱい。苦しい。いらない)と思って残し、
「お父さんの」「お母さんの」と譲りあいになる。

「食べもののうらみはおそろしいっていうからね。血を見るよね」
「うらまないよ。食べてくれた方がうれしいんだけど」
どこまでも平行線。

私が皿を回したりして、仮想の線の向こうになるようにすると、
「むむ。なにしてんの」と言いながら夫が食べる。
10年以上たち、このごろ譲り合いだか押し付け合いだかわからない時間が
若干短くなってきたかもしれない。
皿を分ければいい。でも洗い物はひとつでも少なくしたい。
こどものは小さい時からの習慣で分けてるけど。