昭和ってどんな時代?と聞かれて
この文章を下書きに入れてちょこちょこ書き直している半年間に、
テレビで、昭和と令和が比較されてる番組をいくつか見て、
昭和ってもう昔なんだなあと感じた。
2年程前に、こどもに「昭和ってどんな時代だった?」と聞かれたとき、
時代!昭和はもう時代なのか!私と夫はまずそこにガーンとなった。
そうか、じゃあサザエさんは時代劇みたいなものなのか。
私たちにとっての明治大正時代くらいの感覚なのかな。
それからこどもの質問に答えるべく考えたのだけど、昭和は長い。
私や夫が自分の記憶として知っているのは最後の10年くらいで、
祖父母が生まれた頃から昭和だし、戦前と戦後でも違うし、
プロジェクトXに出るような高度経済成長期は生まれる前に終わっている。
祖父母は、戦争で物がなかった食べ物がなかった、
小学校しか行けなかったと言っていた(尋常小学校?今で言う中卒?)
ゑ、ゐ、など旧かなや、學、のような旧字体を書いていた。
両親は戦後生まれで、父が7歳上、よくこんな会話をしていた。
母「母ちゃんの子どもの頃のおやつはチョコだった」
父「チョコなんてそんな高級なもの!たまにパン買ってもらったくらいだよ」
父の実家は農家なので柿とか芋とか、山でアケビを取ったりしてたらしい。
父「パンだって4人きょうだいで一つだに」
母「私は一人っ子だでチョコも一人で一個だよ」
父「一個のパンを姉貴が包丁でこういうふうに四つに切ってくれるだけどやぁ」
母「ああ、お姉さんがかね?」
父「どれが大きいだ小さいだでケンカになって大変だっただよ」
おやつだけではなく履き物も
父「わしが子どもの頃は下駄だよ」
母「それ、遊ぶときだら?学校は靴だら?」
父「学校も下駄だよぅ。靴なんか買ってもらえやへんだもん」
母「ええ〜!体育とかどうするだん?」
2人とも普段着に着物を着てたことがあったらしい。
私が覚えている昭和の最後の10年を思い出してみる。
私「レコードやカセットテープだったのが、CDが出始めたよね」
夫「うん。テレビは録画できないんだ。放送時間に見るしかないんだ」
こども「は?」
私「デジタル番組表なんてないから新聞のテレビ欄を見てね・・・」
こども「え?新聞?」
夫「うち新聞取ってないから分からんか。新聞の一番後ろに番組表がね」
私「そうそう。テレビ一台につき一個しか見れないからケンカになって」
夫「誰が見たいの見るかってね」
私「録画じゃないからコマーシャルとばせないの。その間にトイレに行く」
こども「なんだよそれ」
私「昭和最後のころビデオが出たよね」
夫「ビデオもまだVHSかベータかって言ってたよね」
私「頭に戻したいとき巻き戻しに時間かかってね」
こども「ん?」
夫「頭出しピッとかできないんだよ」
こども「え??」
私「そう。ウイーンてね」
夫「ウイーンて巻き戻すんだよね。テープだからね」
私「携帯もなかったし、家にパソコンもなかったから」
夫「知りたいことは辞書や広辞苑ひくか、本で調べるか、親とかに聞くんだ」
私「それでわからなかったら、分からんねえ、で終わりだった」
こども「やだ」
私「本も検索できないから、本屋行かないと何の本があるか分からないんだよ」
こども「・・・」
夫「何軒も本屋回って探したりしてね」
こども「車はあったの?」
私「車はあったけど、窓はレバーをクルクルして開けてた」
こども「ん?」
夫「昔の車、シートベルト無かったしな。エアコンも」
こども「それやばいだろ」
いろいろ聞いて、こどもの感想は「すっごく不便な時代だね。よく生きてたね」
夫「うっっ。お、おう、生きてるぞ。ははは」
私「それがふつうだったんだよ。それしか知らないから平気だったの」
平気だったけど、今のほうがいい。
コンピュータとインターネットのある世界は楽しい。
ドラえもんの未来が見たい。