民主主義とは何か、もう一度考え直してみるべき理由

特にリベラルや左翼と呼ばれている人に読んでいただきたい内容となっております。もっというと、ネトウヨや、閣議決定を連発する自民党に辟易させられている方に。安倍晋三の国葬をよく思っていなかった方に。陰謀論者を馬鹿にしている方に。

民主主義の仕組みは以下を参照すると分かりやすいです。クリックすると公式サイトのリンクへ飛びます。

衆議院

参議院

国会議員は国民によって選挙で選ばれているのは周知の通りです。しかしそれ以外にも、団体や圧力団体、宗教団体などが政治家の選挙をバックアップしているのも事実です。農協や医師会なども政治家に対して影響力があります。

このような、企業や団体による政治への影響力はあったほうがいいと思いますか?それとも、無い方がいいと思いますか?人それぞれ考え方は違うと思うのですが、もしも世の中や政治の動きに関して利害関係を的確に考えた上で、政治家に指導や口出しをする企業や団体が無くなればどうなるでしょう?

一般の国民は金利や為替の動きを知っている人は少ないと思います。具体的にどういう政策を取れば世の中が良くなるのか、よくわからないままに投票していませんか?確かに企業などが政治家に金を出したり口出しするのはよくないことかもしれません。自分の業界に有利になるように政治を動かすのですから、一見、利己的な行為に思えます。しかしそれが結果的に、国全体に利益をもたらし、国民にも利益があるとすればどうでしょう?

私が指摘したいのは衆愚政治についてです。あなたはワクチンを打ちましたか?野放図にPCR検査を受けて周りの人を辟易させていませんか?ちなみに私はワクチンも打ちませんしPCR検査もしないのですが、この理由は別の記事で述べています。

コロナを恐れている人はきっとこう思ったはずです。この人はワクチン陰謀論者じゃないだろうか?、と。まさに私が言いたいことはそれです。ワクチン陰謀論者たちはワクチンを恐れています。コロナは完全に嘘で、ワクチンは人口削減のために悪の組織が作り出したものであると信じています。エリザベス女王や世界の悪者たちがダボス会議で悪巧みしていると信じています。Qアノンという組織がそれに対抗する手段であり、トランプ大統領は正義の側にいる、と。
もっとすごい人になると、爬虫類型の化物が人類になりすましている、などと変な情報を流すYouTubeの有料配信にお金を払っています。

こんなきちがいじみた情報に振り回される人がいるのはなぜでしょう?

1つには格差社会が拡大しているということです。世の中全体は貧しくなって中間所得者層は薄くなっているのとは裏腹に、所得が増えて億万長者になる人も増えているのです。その結果、世の中に対して不満や疑念を抱く人が増えるのは当たり前のことです。どうして世の中はよくならないんだろう?どうして自分たちばかりが冷や飯を食わされるんだろう、と。何かわかりやすい説明を求めてしまうのです。

もう1つは、格差の拡大に伴う情報の格差です。陰謀論者の中には普通に学校で教育を受けていたら身につくような常識が身についていない人がいます。同じ義務教育を受けてきたはずなのに生じてしまうこの違いは、家庭の教育です。学校では単にテストでいい点を取るために勉強し、物事の基本的な、基礎の部分を考える癖が身につきません。だからいくら勉強しても簡単に騙される。このため、教育熱心な家庭とそうでない家庭に格差ができます。格差は論理的思考力さえ奪ってしまうのです。

他にも、インターネットの情報格差があります。格差?いや、遮断と言ったほうがいいかも。情報の海に溺れることで逆に、他の情報に触れる機会を失ってしまうことってありませんか。おすすめ情報ばかりをみていると自分の趣味嗜好に偏ってしまって逆に広い世界を見れなくなります。また、インターネットで情報を得るコストやハードルの低さも影響します。毎日決まったメディアばかり見るようになってしまうと他の選択肢を探すのさえおっくうになってしまいます。こうして右翼なら右翼、左翼なら左翼の情報網の中に組み込まれて子まうのです。

世の中に情報を流す側の人もこれを戦略として利用しているかもしれません。インターネットは便利かもしれませんが、宣伝や印象操作、洗脳に使う上でも便利なツールです。インターネットで悪いことを企んでいる人が偏った意見で世間を洗脳して特定の政党や政治家のイメージを悪くさせたりも可能ですし、世論を操作することだって可能なはずです。ワクチン陰謀論もおそらくその類のものでしょう。「こんなに頭のおかしい人たちがいるよ!」と世の中に宣伝することで、ワクチンに対して異をとなえづらくするのです。外野の人たちは自分たちこそは洗脳されていないし馬鹿でもない、と安心するでしょう。

これが情報化社会の罠です。情報に溢れていて簡単に情報が得られそうでいて、実は難しかったり罠が潜んでいたりする。情報化社会とは実のところ、広告会社による巧妙な情報統制なのです。

そんな中で健全な民主主義は育つでしょうか?

おそらく不可能なはずです。例え世の中が悪くなっても、ワクチン陰謀論者のような騙された大多数が信じて、とんでもない政治家に投票してしまったりするのです。これが衆愚政治というものです。悪質な宣伝や印象操作に対して全く耐性がない。マスメディアが発達した現代ならではの民主主義に対する新しい脅威です。

そこでセーフティーネットとなっていると考えられるのが、先程述べた、農協や医師会、大企業、経済界、その他の圧力団体です。経済に詳しい人ほど政治家に経済のアドバイスをした方がいいでしょうし、農業に詳しい人ほど農業の政策に関しては政治家に口出しした方がいいでしょう。

このような、下手をすれば癒着や汚職とも取られがちな、企業と政治の結びつきの重要性を、もっと理解した方がいいのではないでしょうか?企業の利益が国の利益にもなるとしたらの話ですが。。。

危険視するべきは投資家や企業の買収、吸収、合併です。もしも株の保有率によって世界中の企業の株主がたった1人になってしまったら?もしも世の中の全てのモノやサービスをたった一つの大企業が流通させるようになってしまったら?起こりそうにもないことですが、微々たる脅威はすぐそこに迫っています。大企業が次々と他社を買収する流れは来ていますし、たった1人の投資家が一国の財政をも狂わせてどん底に突き落とすような事例も、東南アジアでは起きています。終身雇用の廃止、年功序列の廃止、規制緩和、派遣労働などなど、お金が全ての世の中は、国の政治によって利害を被る日本企業によってではなく、このような海外投資家や海外のグローバル企業によって引き起こされています。

右翼の人たちは武器を使う戦争ばかりを恐れていますが、実際、このような経済戦争こそ今、リアルタイムで進行中の戦争なのです。日本が経済大国であり続けられるように祈り、行動していくしか生き残る道はありません。

その考えの上で、自民党の新しい憲法草案を見ていくと、少しはなるほど、と思える箇所もあるのではないかと思います。「自民党がこれから日本を戦争できる国にしてしまうんだ」と思っていては本当のことは見えないかもしれません。リアルタイムで進行中の経済戦争に目を向けて、日本がどうしていくかの道筋を示したのが今の憲法草案かもしれません。

金がないのは首がないのと同じや!という世界情勢を踏まえるなら、崇高な理想よりもまずは経済力なのです。実際、世界のほとんどの苦渋をなめている国は経済力がないためにその状況に陥っています。

もちろん、理想も大事です。確かに、日本国憲法は素晴らしい憲法でした。しかし、その平和憲法がありながら、日本は朝鮮戦争、ベトナム戦争などの軍需景気によって経済成長してきたことも事実です。アメリカという同盟国の言いなりになって、アメリカが起こしてきた数々の悪どい戦争に加担してきたことも事実です。そう考えるなら、日本国憲法には穴があると言わざるを得ません。アメリカの監督と保護の元にアメリカの戦争の悪行を後ろから手伝うという大きな、大きな穴が。。。

本当に日本が自立して、世界の国々と協調しながらやっていくには、アメリカの保護下にあってはいけません。アメリカの戦争を手伝うことを前提とした平和主義など紙屑同然。

世界は貿易を通じて、人やもの、情報を通じて繋がっています。ある国と別な国が戦争すれば貿易ができなくなって人が生活するのも難しくなります。貿易などで儲けている会社は戦争には反対するでしょう。そのように考えていくと、武力による戦争は、世界中でモノや人やサービスを動かすことで抑止する効果も期待できます。

アメリカという国がこのように考えて世界を動かしてこなかったのは不思議なことです。ベトナム戦争やアフガニスタン侵攻など、意味のない戦争を繰り返してきたのはなぜでしょう?ロシアへの経済制裁を強行させてヨーロッパ諸国のエネルギー問題を起こし、庶民を飢えさせようとしているのはなぜでしょうか?プーチンは常に和解の道を示していますし、燃料を売らないとも言っていません。勝手に制裁を加えて燃料がてに入らなくなって自分が困っているのはヨーロッパ諸国と悪名高いアメリカなのです。

そもそもロシアが戦争を仕掛けたという解釈もおかしい。NATOが軍備拡張してロシアにミサイルを向け始めたのはもっと前からですし、アメリカ側がウクライナにアメリカの傀儡の政治家を差し向けて国内を混乱させてきたのももっと前からです。ロシアのプーチンは、ヨーロッパやアメリカと協調した道を歩もうとしていた時期もあるのに、それを蹴ったのはアメリカ、ヨーロッパ側です。クリミア問題を引き起こし、ロシアへの攻撃的な戦略を開始したのです。ロシアがNATO加盟できていれば戦争などなかったものを。平和を求めているのはどちらでしょうか?

このようなことを言うと、ロシア側のプロパガンダ、など言い出す人が現れます。では、そう言うあなたはプロパガンダから真に自由でしょうか?一方だけをプロパガンダと決めつけ、自分はプロパガンダに影響されていないと言える根拠は?

人はプロパガンダに騙されやすいものです。衆愚政治に陥った上にプロパガンダに洗脳されては目も当てられません。強権的な政治のあり方にも多少は筋が通っているとも言えるのではないでしょうか?あなたがそれを強権的だと思うなら、あなたがプロパガンダに騙されていないと言うことです。もしも政府を敵とみなすなら敵の思惑通りではないということ。政府の敵にとってはそれは思惑通りでしょうけどね。

もしも真の民主主義を追求していきたいのであれば、先ほど述べたインターネットや広告、情報の格差や分断の問題を解決してからにしなければなりません。ワクチン陰謀論者のような輩がたくさん湧いて出る時代。狂った情報に騙される狂った民衆が狂った政治家を呼び寄せる、そんなことを防ぐためにも、プロパガンダ的なマスメディアのあり方を是正しなくてはなりません。SNSのネトウヨやネトサヨ、ああいうわけのわからない人々を一掃しなくてはなりません。それには長くかかるでしょう。騙される、という人の本質を変えるのは骨が折れるでしょう。

おそらく、民主主義の完成はまだまだ先の話なのです。










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