マスメディアとは何か
お金の流れとしてはこうだ。
私達が買い物をして消費、企業の売上の一部は宣伝広告費に使われる。政府の広告宣伝も同様だ。こちらは税金という強制的に徴収したものが財源である。企業はテレビ番組、ネットニュースメディアなどのスポンサーとしてお金を出す。スポンサーはお金を出す人。株主と同じで、制作会社の社長よりも権力がある。また、他の金はコマーシャルや宣伝を作る為に使われる。例えばペットボトルのお茶コマーシャルで有名芸能人を使うとする。出演費用が数億円だとしてもちゃんと元が取れる。ひと度コマーシャルを流せば何百万人もの人がコマーシャルに影響を受けてお茶を買いに走り、何十億もの売り上げがある。
コマーシャルとは巧妙に作られた、人を動かし、消費行動に誘う映像だ。
ニュースやテレビ番組、ネットの記事はこのようなコマーシャルから得られる利益によって賄われている。つまり、企業側(スポンサー側)としてはやはり、ニュースの報道や番組、ネットの情報が自分たちの有利にはたらいてくれればと考えるのは当然だ。しかし、テレビやニュース、ネットがコマーシャルだけになってしまえば、視聴者、閲覧者はうんざりしてその媒体を離れて行ってしまうだろう。何か、視聴者や閲覧者を釘付けにする仕組みが必要である。
既に知っている方は読み飛ばし可。
・魅力的な情報
面白い、笑いを提供する、セクシーな女優や男優、恋愛、スキャンダル、これらは消費者を釘付けにするには欠かせない。
・焦らしのテクニック
有益な、あるいは面白い情報がこの先に待っていると示唆しておいて、情報の提供を先延ばしにする。
・不快な情報
怒り、というのは原動力である。SNSの炎上のほとんどは怒りの感情が誘発されることによって起こる。拡散力、注目度共に最も効果がある。怒り、悲しみ、義侠心、強い感情を起こさせる情報ほど効果がある。
・質の高い情報
世の中にはジャーナリストという、世の中の事件や社会の問題点をあぶり出し、世間に伝える人々がいる。彼らのような社会正義を考えさせる役割は必要不可欠だ。少なくとも、消費者達にメディアはいい加減な情報ではなく、質の高い情報をもたらすと思い込ませることが肝要である。
・人間関係
マスメディアには人間関係を作る力もある。番組に対するお便り、そのフィードバック、芸能人と目と鼻の先で対面するイベントなどだ。親しみを感じた芸能人の情報はどうしても追ってしまうだろう。そして、TwitterなどのSNSもやはり広告収入によって賄われるメディアだ。フォローフォロワー関係という最も強力な釘付けの力がある。日本語に訳せばfollowは「従う」になる。
私達が本編だと思っている番組は、実はCMの付属品であるとも言える。
さて、テレビ番組やSNSは慈善事業ではないのだが、世の中に対して莫大な影響力をもたらす。消費行動だけではない。株価の上昇や下落、政治にも影響する。マスメディア=政治権力と言っても過言ではない。政府は行政、立法、司法、を通して人を動かすことができるが、マスメディアは人の感情に直接うったえかけて動かす力がある。公営放送についても同じことだ。言うことを聞かせたければ筆頭株主となれば良い、という法則がある。財政難の政府を買収することなど赤子の手を捻るより簡単だ。
マスメディアを制するものが世界を制する。この世で一番お金を持っているのはヘッジファンドだ。世界のお金の7割がアメリカに集結し、アメリカのお金の9割以上をヘッジファンドなどの投資家が所有して溜め込んでいる。パンデミック騒動以降、彼らの資産は増加したとの報告もある。
世界人口のたった1%以下の彼らは、政治を動かし、株価を操作して利益を得ている。その一環として、マスメディアにおける彼らの影響力はかなり高いと推察される。金を出せばテレビ、マスメディアの大株主になれる。マスメディアを動かせば株価が操作できるという理屈である。
これらの投資家というのはただ株の売り買いをしているわけではない。企業のスポンサー、大株主となった以上、社長よりも権力を持つ。望めば企業の方針を思うがままに動かすことができる。
さて、私達はマスメディアに入り浸って連日報道される世の中の動向に一喜一憂している。時にはフェイクニュースに騙され、多大な混乱状態にある。
その影に私腹を肥やしている人間がいることをもっと自覚しなければならない。マスメディアの必要性についてもっと議論しなければならない。マスメディアが私達を動かすことはあっても、私達がマスメディアを動かすことはほとんどない。「民衆の意見」と呼ばれる物はエキストラであり、都合良く切り取られたニセモノである。
私達の感情や思考は私達のものだ。誰かに振り回されたり動かされるべきものではない。あまりにもマスメディアに全てを委ね過ぎている。これでは世の中全体がカルト教団の手に落ちているのと同じことだ。
本当に価値があるもの、本当の価値を作り出せるもの、
それは私達だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?