見出し画像

打つ時に『止まる』魔法のトス

皆様こんにちは。河野です。

今日はスパイカーにとって『良いトス』をちょっとだけ考えてみたいと思います。(昔話も入ります)


1.良いトスの定義って?

もちろん得点できる、得点しやすいトスが良いトスとされています。後はブロックがつきづらいトスも良いトスとされています。そして『ハイキュー!』でも触れていましたがスパイカーが100%の力が発揮出来るトス、これもまた、良いトスです。

総合すると、スパイカーが100%の力が発揮できて、ブロックがつきづらいトス。が良いトスなのでは?という仮説を立てました。

2.良いトスにおける技術的要素と戦術的要素

先程上げた仮説を分解すると

アタッカーが100%の力が発揮出来るとは?

・タイミング良くジャンプしやすい(A)
・コースの打ち分けが容易(A)

ブロックが付きにくいトスとは?

・他のアタッカーとの選択肢に迷いが出やすい(B)
・ブロッカーが移動する時間に対してスパイクを打たれるタイミングが速い(B)
・そもそもどこに上がるか分かりづらい(A)

さらっと述べましたが(A)は技術的要素、(B)は戦術的要素になります。

3.戦術的要素における『良いトス』

先程上げた技術的要素と戦術的要素ですが、先に戦術的要素から見ていきましょう。

これは相手ブロックから見ると3枚のブロッカーが何枚の自軍スパイカーをマークするのか?から始まります。自軍がバックアタック無しの2枚であればブロッカーの数的優位の為戦術的要素における『良いトス』は起こりづらい状態になります。

ブロッカーとスパイカーが同数以上になって初めて戦術的要素における『良いトス』が起こりやすい状態になるのではないでしょうか。

そして今まさにVNL等でよく見る『シンクロ』これはスパイカーの数的優位による戦術的要素における『良いトス』が起こっていると考えます。

4、技術的要素における『良いトス』

今日私が述べたいのはここです。スパイカーの力を100%発揮出来るトスとは。これを考察していきます。

よく試合後の会話で○○選手のトスって打つ時止まるんだよね!という会話を耳にします。私はあるセッターと出会うまでは全く何を言ってるのかわからない状況でした。そのセッターとは、そう、中央大学、JTと一緒にコンビを組ませてもらった臺光章元選手です。

彼はユースの世界選手権でセッター賞を取ったセッターでもありますが当時の『コンビバレー』(両サイドの速い攻撃と時間差攻撃を絡めたバレー)を本当に上手く使いこなしていたセッターだったなと思います。

そして私たち当時のメンバーからしても本当に『打ちやすい』トスを上げ続けてくれたセッターでした。

彼のトスはスパイクのヒットエリア(打てるポイント)に来るまでは速いですがエリアに入ると急に減速したような感じなのです。(わかりづらい表現ですみませんがこの表現がぴったりなので敢えてこう記載します)

では何故打ちやすかったのか?ずっと考えていましたが中々コレという回答が出ないまま引退後15年経ってしまいましたが、今朝ふと思いつきました。


『典型的なインダイレクトデリバリーだったんじゃね⁉️』

トスが横移動する際は普通に速いトスだけどインダイレクト特有の落下点に対して放物線でアプローチすることによりスパイカーに対して通り過ぎるのではなく微妙に落下運動が起こる為止まったように見えるのでは❓

まぁジャンプしている一瞬の話なので感覚的な部分もあり非常に伝わりづらいかなと思いますが自分的に非常にしっくりきた回答だったのでNOTEに記載させて頂きました。


5.スパイカーに決めさせるセッター

今回はセッターの『振る技術』ではなく『トスの質』について書かせて頂きましたが、速ければ確かにブロックは振れますが肝心なフィニッシュはどうでしょうか?

成功率が50%の攻撃はギャンブルになります。
勝つ為には安定して得点する起点になるセッターのトス質が非常に重要なファクターです。今からシンクロを取り入れようとする時、4人がしっかり助走する事とセッターがインダイレクトデリバリーでサイドに振れることは同じ位重要な要素だと再確認して、今回は筆を置かせて頂きます。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

いつもサポートありがとうございます❗️頂いたサポートは執筆の機材費、情報収集、自身の学習に当てさせて頂いております。本当に感謝です❗️