見出し画像

全日本男子の「メガ進化!」

皆さんこんにちは。河野です。

今日は昨日放映がありましたVNL 日本vsロシアを見て、全日本の変貌に驚きを禁じ得ない自分がいまして、今までとの比較(主観です)と、昨日の感想を少しだけ。(今日は長いです!)


1、日本男子バレーのメガ進化!


今期の全日本を見ていると、2019年の進化の流れが順調に来ているということがわかります。

なぜなら「世界のバレーボールに対して対応できている」からです。

戦術的なものですと

・4枚攻撃の標準装備

・リードブロックを主としたトータルディフェンスの構築

・「サーブで殴る」意識の定番化

技術的なものは

・ディグ、レセプションが対応できている

・1stタッチを高く上げる意識の定番化

・リードブロック技術の習熟


このあたりは非常に顕著であるように見えました。そしてタレントが揃った今の全日本は世界的に見ても決して引けを取るものではありません。

2、メガ進化の理由

ではなぜ日本がこんなに進化したのか。間違いなく世界標準と言われている戦術の導入を行っているチームが増えたからです。ミラノにいる石川は当然のことVリーグ上位チームにおいてもトータルディフェンスや4枚攻撃の標準装備等、大きく戦術が変わってきています。逆に変えないと勝てないような感じもありますね。

そして次に「慣れ」の部分。V1男子でもムセルスキー、クビアクやクレク等世界トップレベルの選手が来日しており、一緒に練習しています。当然ディグやレセプションの練習の相手にもなってくれますし、試合中のちょっとした技術なんかも教えてもらえます。これにより選手が身近に「世界」がいる環境が構築され、自然とレベルアップが図れている状況なのではないでしょうか。

3、今までの日本のバレーって?

ではなぜV1には今までも世界トップレベルの選手がいたのに負けていたのか。それは相手の攻撃のタネが分からずに「個」で「組織」に勝とうとしていたからではないでしょうか。

リードブロックに対して時間差は相性が悪いですしそもそも相手の4枚攻撃のタネがわかっていなかったため(貶してるわけではございません。私もそうでしたので)どう対応するべきか対応策がいまいち明確ではなかった。

そしてサーブミスは悪という先入観。現代の4枚を攻略するためには「サーブで殴る」ことができないとまず攻略できません。3枚のブロックで4枚のスパイカーをマークするのですから。

そうすると当然相手もサーブで殴ってきます。それを80%セッターに返して「コンビ」で攻めるという戦術は破綻しますね。

考えてみてください。

4枚攻撃標準装備のチームにフローターサーブや入れてけジャンプサーブで戦う怖さを・・・

トータルディフェンス無しで組織的な攻撃を防御する怖さを・・・

そこで当時2000年ぐらい~数年前まで?の日本で流行っていた戦術(めちゃくちゃうろ覚えです)

・サーブはミスを減らしてコースを狙う

・両サイドの攻撃は速く

・ブロックはストレートを閉めるほうが多い

・サーブレシーブは7割以上返して当たり前

・・・はい。当時のVリーグ男子ではおそらくマッチしていた戦術が世界に出ると勝てない理由がここにあります。

・サーブはミスを減らしてコースを狙う→7割返されたら4枚攻撃の餌食で、ブロックが遅れることから「高さとパワーにやられた」ように見えます

・両サイドの攻撃は速く→サーブレシーブ崩れがちではMBの攻撃をリリースされやすいため両サイドにしっかりブロックが付きやすい。なので「高さとパワー」にやられたように見える

・ブロックはストレートを閉めるほうが多い→4枚攻撃でストレートを閉めるとブロックの間が空き放題。結果「高さとパワー」にやられたように見える。

・サーブレシーブは7割以上返して当たり前→無理して返そうとするので余計乱れて「ジブンタチノバレー」ができないため自滅しやすい。

要は、相手の戦術の理解が浸透していなかった(当然当時はSNSなんぞありませんので情報は対面や本でしか入手できなかったですし、正直TVでブラジルとかも見てましたがなんでああなるのか理解できませんでした)ことが大きかったのではないでしょうか。

4、メガ進化した全日本!

さて、ここからは昨日の試合で素晴らしかった点を挙げていきます。

・高梨、高橋、(大塚)らOH陣の安定感

→サーブレシーブは当然素晴らしかったが、取った後の1歩目がBickの助走になっている。枚数確保に貢献しました。そして決定力。大きいけれど4枚攻撃の体制が整うと間やライン際の空いたロシアブロックを冷静にかわしたり、利用したりしました。素晴らしい!

・大宅の「考える」バレー

→トスアップの精度もさることながら徹底したショートサーブや終盤ここだ!というところでのミドルの使い方、Bickの絡め方を見ても非常に良かったのではないでしょうか。苦しい時も状況打開のために一つ一つに意味のあるプレーが多かったようにみえました。

・李、高橋のMB陣

→苦しい時もしっかり助走してくれるMBはそれだけでありがたい。そして1stテンポが苦しい時に助けてくれました。李の幅のある広角打ち、高橋の高さとパワーあふれるスパイクは相手にとって脅威でしたね。打数は少ないからこそ非常に効果が高かったです。しかし昨日の試合に関してはファインプレーはそこじゃない。声を大にして言いたい。

よくリードブロックでついていってくれました!!!!

彼らが諦めることなくしつこくブロックの間を消しに行くことでトータルディフェンスが機能してファインディグにつながりました。本当にありがとう!

・「リアル西谷」小川

彼についてはもういいでしょう(笑)Vリーグで1番サーブレシーブを返した男。日本で1番クレクのスパイクを取ったであろうリベロ。彼はディグだけでなくセットもバリエーションを持っている。しかし真骨頂は「加速装置」でもついているのでは?というほどの守備範囲の広さと球際の強さだ。味方がファンブルしても卓越したつなぐ技術。見ていて非常にエキサイティングでした。

・大竹・ファビュラス・壱青

元々素晴らしい素質を持った選手だが波が荒いと言われていた。しかし昨日は突如好調の波を持ってきた。ロシア選手も首を傾げるほどブロックのタイミングはあっているように見えたがなぜか止まらない。スローでみると若干肘だったり手の側面だったりジャストではブロックに当たっていなかったのが功を奏したか。オリンピックのようなビッグゲームでは彼のような流れを持ってこれる存在は貴重だが、反面ギャンブルにもなる。西田、清水に割って入れるだけのアピールになったのではないだろうか。

5、最後にお願いです

ざっと振り返りましたが、脅威なのは学生2人入ってたんですよ。しかも京都出身の2人が。そして素晴らしい活躍しているんですよ。全国の指導者の皆様、ちょっと東山とか洛南のバレー見てみませんか?何をやってるのか興味ないですか?

全日本、Vリーグは変わりました。大学バレーも組織的なバレーに移行しつつあります。高校・中学・小学校カテゴリの指導者の皆さん。あなたの指導した選手をこの舞台に上げたくないですか?そのために必要なことをもう一度お考えいただければこれ幸いです。

10年後、20年後に日の丸が表彰台の一番高いところに上るために今、一緒に頑張りませんか?今がチャンスなんです。バレーボールがもう一度本当の国民的スポーツになるために何卒力をお貸しください。

長くなってしまいましたが今回はここで筆を置かせていただきます。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

いつもサポートありがとうございます❗️頂いたサポートは執筆の機材費、情報収集、自身の学習に当てさせて頂いております。本当に感謝です❗️