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木漏れ日の谷

高橋宣之本文


まえがき
20年前、NPO法人RIVERの最初の取り組みは『水』の本を作ることでした。時代の本質を知らなければ、地域は生きていけないと思ったからです。あれから時代はどう変わったのか?このたび『川』という本を作りました。32人、各界の方々に原稿をいただき、これから先も四万十川の流域で暮らしていく私たちの「道しるべ」としたいと思います。
執筆者のプロフィールはRIVER編集部が制作させていただきました。私たちも、参加させていただきたかったのです。失礼な言い回しがあるかもしれませんが、おゆるしください。

執筆者プロフィール

高橋宣之プロフィール


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木漏れ日の谷

高橋宣之

 もうずいぶん昔のこと。仁淀川と四万十川の分水嶺近くで、忘れられない出来事があった。季節は山が新緑で覆われようとしていた5月のはじめ。私はカメラとレンズをつめこんだバックを背負い、三脚を肩にかけて小さな沢を上っていた。滝の水音と淵の静けさが交互におとずれ、谷風が心地いい日であった。

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