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自立とは、人に依存せず自力で生きていくことの真逆なんじゃないか、という話。

「自立」って聞くと一般的には、人に依存せず自力で生きていくことのようなイメージが大きい気がします。
いつも人を頼ってしまう自分に対して「もっと自立しなきゃ」と感じてしまったり、そう見える人に対しても「あの人は自立できてない」と感じてしまったり、と。

でも、人を頼らずに自力で生きていくことって、誰しも簡単にできることではない。というか、できないと思います。


僕は自立とは、「依存先を増やして、自分のバランスを崩さずに生きること」だと、考えています。
人に依存しないことのむしろ真逆です。
自分のバランスがいい状態とは、要するに「なんかいい感じ」の健康な状態のことです。

依存先とは、たとえばタイヤみたいなものです。
乗り物でも一輪車より二輪車、それより三輪車より四輪車、の方がバランスを崩して倒れる可能性は下がるし、どれかタイヤがパンクしても他があれば走行は可能です。

そのイメージで、そう簡単にバランスを崩さない数のタイヤである依存先を、自分に備えて気持ち豊かに生きることが、自立ではないでしょうか。
そして、タイヤである依存先とは、自分の居場所となる「個人」や「集団」のことです

例えば、恋人だけに大きく依存すると失恋した時のダメージは深刻になる。
子供だけに依存した親が、子供が巣立った後にどうしたらいいか分からなくなる。
職場の人間関係しか無いと、仕事をやめたときに、社会から孤立する。
こういうことは、少なからずあるんじゃないでしょうか。

タイヤが1個しかないと、それが無くなったときに走れなくなってしまいます。
取り返しのつかない深い絶望や、鬱に陥ってしまう。
走行不能になった人は、大袈裟ではなく自ら命を断つことだってきっとあるでしょう。

それを防ぐためにも、依存先はいくつか持っておくほうがいい。自分自身に対しては、持っておくべきだと思っています。

仕事で繋がった人、家族、友達、趣味の仲間、SNSでできた気の合う人、推し、馴染みの店員さんなど、自分の居場所となる人をいくつか自分に与えて、どれかひとつに偏るのではなくバランスよく依存しておく。

もちろん、闇雲に増やす必要はないし、自分が無理せず繋がれる人でいいと思います。
なんかいいなぁ、と、感じられるような人たちにバランスよく繋がっておく。
もしどれかを失っても他があれば、居場所が0になることはありません。

そんなこと言っても出会いがそもそも無いよ!という人もいるかも知れませんが、人と出会うことについてはまた機を改めて書いてみます。

ところで、少し話がズレるかもしれませんが、僕個人が感じることとして、この依存先が少ない人ほど愚痴や悪口が多いようにも見えます。

それもそのハズで、依存先が少ないとどうしても、1つにかかる比重が大きくなり、
比重が大きくなればなるほど、お互いの距離感が近づき過ぎるということが起こるから。

人間関係とは「距離感」が全てだと僕は思っていて、どれだけ親しい友人でも一緒に居すぎると目につく所が増えたりと、近づき過ぎるとストレスが出てくる。

「人を大切にすること」とは「その人を大切だと思える距離感を大切にすること」だと思います。
この距離感を保つことに、依存先をいくつも揃えておくことは役に立ちます。

誤解のないようにですが、愚痴や悪口が多いことが「悪いこと」だとは、僕は思っていません。
むしろ、それを吐き出すことで自分のバランスが保てるなら、言った方がいいとさえ思います。

でも、僕個人としては、愚痴や悪口よりもっと他の言葉に触れて生きていきたい。
そういう人生を選ぼう、と思っています。

さて、話を戻して「自立」についてです。
冒頭で書いたように自立とは、「依存先を増やして、自分のバランスを崩さずに生きること」と、僕は考えています。
たくさんのことにちょっとずつ依存して、なんかいい感じに生きる、ということ。

話をシンプルにする為にここまでは「人」に絞って書いてきました。
でも、実際は自分の居場所とは「人」に限りません。

1人でできることでも、「趣味」や「日課」「夢」や「目標」など自分の拠り所となるものは全て、自分を支えるタイヤです。

この辺りもバランスです。
「夢」だけに依存すると、それが破れた時が大変です。
「夢を持て」とよく言われますが、夢も言ってしまえばタイヤの1つでしかありません。
もし、あればあったで素晴らしいし、無くても他のタイヤがあれば楽しく生きていけます。

人付き合いが苦手だったり、人といると誰であっても疲れてしまうタイプの人は、「人」以外の依存先を自分にいくつか与えてあげればいいと思います。

現に僕も人付き合いの他に、1人でできるギター、絵、文章、などの創作を趣味としていて、それらは全て自分の居場所であり依存先です。むしろ、こっちの方が毎日触れるという意味で、メインのタイヤかもしれません。

そんな感じで、今のところ僕はタイヤをたくさんつけて走行することができていて、時にグラつくことはあっても、簡単には倒れなさそうな感じがしています。(多分、笑)

自分語りを含めて、長々と書いてきましたが、
依存するな、ではなく、たくさんのことにバランスよく依存して、なんかいい感じに生きることが「自立への道」じゃないか。
そんな風に考えています。

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