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2023.2冊目

夏休み、身の回りの環境の変化、心の変化。
いろいろな変化が重なり、本を読むとえらく感傷的になります。
そんな感傷をnoteに吐き出すのです。笑

君の膵臓をたべたい 住野よる

住野よるさんの1作目であり、作品を知ってる人も多いのかもしれませんが、僕はここにきて初めて読みました。(他の作品はいくつか読んでいるのですが…)

高校生の時、同じ部活の同級生が部室にこの本のハードカバーを置いていました。タイトルを見て、
「グロい系?」
と、聞いてみると、同級生は憤慨して言っていました。
「めっちゃ泣ける本だから!読んだ方がいい!!」

きらきらとした思い出の1ページですが、以降、名前は知っているけど読んでない本の仲間に入っていました。
今読め!と過去の自分に言いたい。

ざっくり言うと、余命幾ばくもないクラスメイトの女子と、人と関わろうとしない主人公の男子が交流していく話です。

わりとありふれた設定な気がしますが、面白いのは主人公の心情の変化です。
これまで友達もいなかった彼にとって、彼女とのやり取りは新鮮なものなのですが、関わりがなかったゆえに距離感が分からなかったり、楽しんでいる自分に気づかなかったり…
もどかしい気もしますが、文章の節々に、彼なりの「楽しい」が隠れていて、あたたかい気持ちになります。

病に蝕まれている彼女の考え方も、すごく好きでした。

「違うよ。偶然じゃない。私達は、皆、自分で選んでここに来たの。君と私がクラスが一緒だったのも、あの日病院にいたのも、偶然じゃない。運命なんかでもない。君が今までしてきた選択と、私が今までしてきた選択が、私達を会わせたの。私達は、自分の意思で出会ったんだよ」

本文より抜粋

一つひとつの出会いをよく見つめて、どの人も大切に接しなきゃなと、思いました。
自分の意思で出会ったのだから、ある種、そうする責任がある気もしました。

久しぶりに泣きました。
小説の中のことを現実に持ちこむのはよろしくないと、これまた何かのお話の登場人物が言っていました。つまらないことだと。

でも、周りの人を大切にできてるかな、と考えてしまいます。
影響されすぎマンですね。笑

読んでくださった方の中にも、そういう人いらっしゃるかな。

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