見出し画像

源氏物語を読みたい80代母のために 53(源氏物語アカデミー2024レポ⑥)

 さて第35回源氏物語アカデミー、最後のプログラムは閉講式&講評。
 朧谷先生再び登場、京都二条室町に建て(させ)たという中宮定子の碑のお話、蘆山寺・紫式部邸宅のお話、もうすぐ碑ができるという東二条の兼家邸宅のお話、尽きない尽きない。
「源氏物語アカデミー」の聴講者は「学習能力が若返っている」んですってよ奥さん。やったねアンチエイジング!お若い方の参加も少しずつ増えていて、今年はなんと小二の希望者がいらしたそうです。すばらしい! 
 そして来年の「第36回源氏物語アカデミー」のお題も発表:
「源氏物語と夢」
 私、もうひとつのブログの方で時たま夢日記を書いてるけど、起きてる時の自分じゃ到底思いつかない発想とか組み合わせとか出てくるのはどういう仕組みなんだろう、といつも不思議な気持ちになる。ぜんぶ自分の中にあるもので脳の成せる技に過ぎないのに、すっかり忘れてたこととか出てきたりするもんね。平安時代は普通に「夢占」あったし源氏物語中にもしょっちゅう出てくる「夢」。楽しみ!
 時期は10月第三週または第四週、学会の日程次第で決まるらしい。毎年割とギリに決まる感じなので定期的にサイトをチェックいたしましょうね!(と自分にも言い聞かせる)
 さあ、今年のアカデミーもこれで終了。母はまったく疲れた様子もなく超元気ハツラツ。会場を去る人々もいつもながらすごい人数で、AさんもBさんもこれじゃ挨拶できないかなあと人の波に吞まれつつ歩いていたら……
 !!!まーたーもーや盛大な身バレ、来たアアアアア!!!
 しかも母子セット、というか主に母だな、うん母。母は地元で50年以上働いてるガチ現役職人(越前和紙の伝統工芸士)。メディア露出もそこそこ多いので本人も知らないところで顔が売れてたりする。アカデミーの場は県外勢が多数派なので身を潜めていられたものの、遂にバレましたか。まあバレますよね当然ですね、隠してたわけでもないし。さて今後何が起こるやら始まるやら、乞うご期待ということで(謎)!
 動揺と興奮を隠しきれないまま、慌ただしくスタッフの皆様に感謝を伝え、会場を後にする。
「お昼どうする?どっかで食べてく?」
 実家の面々はそれぞれ多忙につき、夜まで母と二人なのだ。
「んー特に食べたいものないし買い物して帰ろか。ほらそこのお店で」
 母、アル・プラザ大変お気に召したご様子。あのみかん大袋とバナナはもちろんのこと(笑)他に野菜やら何やら結構な量を買い込む。レジを終え袋詰めしていたら、
「かわこさん?」
 隣から声。エッまじか、Aさんじゃないですかっ!!(※去年のレポ⑦参照
A「今年は紫きぶ御膳には行かなかったんですよ」
か「ああ通りで。あれ、いらっしゃらないな?と思ってましたー」
 なのにこの!武生駅前アル・プラザのサッカー台で!ヒョッコリお会いできるなんてどんだけ!お互いのタイミングがちょっとでもズレてたらアウトでしたよね。さすが身バレ1号のご縁、半端ないですわ(←どんな縁だ)。いつも駄文を読んでいただきありがとうございます♡来年も是非またお会いできますように!

 さて母子二人、山盛り買い物袋を手に、今日で終わりのワンコインタクシーチケット(来年度もぜひ継続希望)にて一路実家へ。実家は前述どおり、台所および居間がリフォームのため全面封鎖となっている。

ということでお庭に仮設調理エリア(セッティングby兄)が!

 ここで、私が覚えている一番古い台所の記憶をちょっと語ってみる。
 かつて実家の台所奥には薪で沸かすタイプのお風呂があった。主に祖母が火付けを担当していたが、時々兄が代わることも。まだ小さかった私は殆ど見てるだけだったが、たまに神社で杉葉(すんば、と呼んでた)を拾う手伝いはした。杉葉は火がつきやすく、パチパチ音を立ててよく燃えるのだ。さて風呂場。開き戸を開けるといきなり洗面台・脱衣所で、洗い場との境目に壁はないに等しかった。洗い場には洗濯機も置いてあってかなり手狭。風呂釜の中には大きな木の板が浮いていた。この板を足で沈めつつ、熱い側面に触らないよう注意して入るのだ。洗いに使うのは風呂釜のお湯のみ。シャワー?そんなものはない。いやあるにはあったが高い位置に据付けかつ水しか出ないので使ったことはなかった。そもそもどういうつもりで付けたのか謎。ホースがないので掃除にも使いにくいし、夏場の行水くらい?……などなど、平成~令和生まれにはどれもこれも信じられないであろう昔話である。
 この手間のかかる風呂を解体し台所の棟全体を改装したのが昭和40年代後半あたりだったろうか。新しくて広いお風呂、お湯の出るシャワーが嬉しかったっけ。今回、実に五十余年ぶりの全面リフォームということになる。よくもよくも使ったものよ。ウチの狭い台所と違って物の移動や片付けも百万倍大変だったと思われる。お疲れ様でございます。
 そんなわけで実家は10月現在、少し離れた庭の出入り口付近にある水道で洗い物をし、庭先に据え置いたガスコンロにて調理を行っている。え、メッチャ不便やん!が、母は
「家の中でもよう歩いて、運動になっていいわ」
 と笑う。まあ一時のことだし、寒くなる前には完成予定だし、確かに何だか面白い。滅多にない経験ではあるわね。
 そんなこんなで母子二人キャッキャと昼夜を過ごし、ちょっと早い時間の「光る君へ」(40)揺らぎを観、引き続き衆議院選挙結果を観、選挙立ち合いから帰って来た兄とお疲れビール飲んでひとしきりお喋りして、一日を終えたのでした。
 翌日は珍しく(?)一人でお墓参りに。ここからの眺めはなかなかです。

墓地の一番上、戦没者慰霊碑から望む。
紙の神様の住む山もすぐそこ。

 源氏物語アカデミーは三回目の参加となり慣れてきたせいもあるのか、本当に爆速で終わった感じ。何回も同じこと言ってますが、この年になって年一とはいえ母とここまでガッツリ一緒に取り組む機会が発生するとは思いませんでした。それもこれもお互いのみならずそれぞれの家族が元気でいるおかげでもある。有難いことです。そして源氏物語アカデミーという稀有なイベントを毎年開催してくださる、朧谷先生をはじめ講師の方々・地元スタッフ他関係者の皆様にも大大大感謝です。どうか今後も末永く続いて、新たな人の新たな楽しみがこの越前の地で無限に生まれていきますように。
 
 最後に恒例の(?)宣伝タイム:
 80代母が1~2か月に一冊(新書版200頁強)のペースで読破した、
「挫折しない源氏物語」
 の「ひかるのきみ」

 よかったらお試しくださいまし(ブログ「もの書く日々」で全部読めます!)ちなみに母ももう一回読み直す!などと宣っており……(粗がバレそう……)。 

 電子書籍、紙の本もございます。

 気づけば年も押し迫り、大河もあと一回を残すところとなりました。寂しい!ですが、何事も終わりがあるからこそ面白い。日々好奇心を忘れず、楽しみを見つけていきたいですね。
 ではではまた。
<今年のレポは終了ですが80代母シリーズはまだまだつづく!>

いいなと思ったら応援しよう!

かわこ
「文字として何かを残していくこと」の意味を考えつつ日々書いています。

この記事が参加している募集